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炭になるまで燃やして
焚火で焼き芋を焼くように
二人は温かな会話を楽しんだ
パチパチという音が心地よくて
火を見つめながら、焼き芋の匂いに誘われながら
温まる会話に火の粉が舞い
だんだんとエスカレートするその会話
先ほどまであたたかかった言葉が
火の粉となって彼女に燃え移り
私の心の中にも、小さな炎が灯る
その火は心地よく、
冷たい手を温めてくれた
でも気づけば、目の前で彼女は
火の召喚獣のように、一人燃え上がっていた
愚痴という名の炎で
彼女はもう、口を止めることができない
小さな火種から始まったあたたかな会話は
形を変えて、今私を見つめながら
暴力的に燃え上がっていく
メラメラと燃える彼女は
怒っているのか、笑っているのか、泣いているのか
私はその炎を消す術を知らない
たわいもない会話だったはずなのに
少しの愚痴から始まった言葉が
炭になるまで燃え尽きていく
そして彼女は消えていった
正確には、燃えたまま
また違う誰かのところへ
行ってしまったのだろう
今度は私のことで燃えているのか
それとも、またほかの誰かについて
燃えているのかもしれない
炭となった焼き芋を見つめながら
私は切なさを感じた
あとがき
つい感情的になって失敗してきた人生
人と話すときは中立でいたいと思っています
人付き合いは難しい
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