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ベトナムのPitfall.

■Mommy Line.
・最近のニュース、「韓国サムスンのベトナム法人は妊婦用の生産ライン、サービスアパート並みの充実した社員寮、大型食堂、医療施設、社内カレッジ等充実の福利厚生」。
・同社の福利厚生制度は「地元当局や労働者の間で非常に評判が良く、地元メディアが最近、同社の福利厚生制度の詳細を紹介したことで話題」となっており、ベトナム最大の海外投資家である韓国サムスングループ(Samsung Group)は「2024年8月現在、ベトナム国内で生産拠点6ヵ所、研究開発(R&D)センター1ヵ所、小売会社1社を展開しており、2023年末時点での累積投資総額は3兆4000億円に達した」。
・福利厚生の中でも「妊娠中の女性労働者向けの個別生産ライン『マミーライン(Mommy Line)』が好評。ここでは妊婦専用の快適な椅子が設置され、作業も妊婦に適切なものとし、仕事を効率的にこなしながら母子健康を確保できる環境を実現している。2023年には8500人以上の妊婦が制度を利用した」。

■Samsung Group.
・また「社員寮は45棟(計5274戸)あり1万8000人の労働者が滞在し、寮にはエアコン、化粧室、ランドリールーム、図書室、カラオケルーム、映画館、ジム、ヘアサロン等が完備されている」、更に「労働者向け送迎バスは110路線を展開し45人乗りのバス800台を運行。食堂は14ヵ所あり2万3000人が一度に食事できる。1日当たりに提供する食事は11万7000食」となっている。
・更に「直営の診療所8ヵ所(計190病床)を展開し、内科・外科・産科・耳鼻咽喉科・理学療法科の医師32人・看護師85人を擁している。この他、健康診断センター2か所、カウンセリングセンター、地元の短大・大学との提携による社内カレッジもあり、労働者の自己啓発やキャリアアップを支援」している。
・「2023年における同社傘下のベトナム法人各社の輸出額合計は約8兆3000億円で、ベトナムの輸出総額の16%に寄与。ベトナム事業がサムスンの世界的なサプライチェーンにおいて、非常に重要な役割を果たしているため、同社ベトナム法人各社は労働生産性向上策の一環として、福利厚生制度の充実化に注力」している。

■Tax Audit or Inspection.
・余談、ベトナムでサムソンの勢いは止まるところを知らない。外資企業が異国、ベトナムでビジネスを拡大させていく事は簡単ではなく、この国の商習慣、政治的な活動を理解しある程度は受入れないとこの地でのビジネスを上手く回す事は出来ない。
・ベトナムで事業をする企業は基本的にベトナムの会計や税務のルールに従い会計処理、税務申告、税金を納める事が企業としての正しい活動なのだが、時としてルール通りに各処理を行ったとしても税務監査や調査時(Tax AuditやInspection)に書類不備等を指摘され追徴課税を要求される事も多々ある。
・税務当局の指摘が正しい時もあれば、時として理不尽な要求と思える内容も私は多々見聞きしてきた。受入れられない当局のチャレンジに理論整然と立ち向かうためには、現地の経験あるコンサルタントや人間が間に入り対処してもらう事も得策だ。昔ベトナム人が言っていた「大抵の事はお金があれば解決できる」と私は本報道にそんな事を思い出していた。

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