犀の角と象の鼻

犀の人と象の人による、交換日記のような記録のような呟きのような、我々の軌轍、足跡、あるいはノートの落書きです。今日も人間酷道を歩いています。

犀の角と象の鼻

犀の人と象の人による、交換日記のような記録のような呟きのような、我々の軌轍、足跡、あるいはノートの落書きです。今日も人間酷道を歩いています。

最近の記事

誰が鮭だよ

カッコいいな、その指導教員のお方。特に海外へ行くことを半ば断定的に進言しているところとか。 先日、職場の総務部から「世代間ギャップセミナーのeラーニングを受講せよ」というお達しが出た。すごくざっくり言えば「昨今の若い奴らと我々は受けてきた教育自体が異なるのだからそれ故思考にも絶対的な乖離が存在する。そのことを自覚せよ」といった内容だった。講師はおそらく運動部所属経験ありの営業職でバリバリやってきたであろう50代のガタイのいい社長さん。言動の端々から仕事に対して昔気質な人であ

    • 無敵

      私のありかたに影響を与えた人物、いるのだろうか。考えてみよう。うん。 博士課程の時の指導教員はもしかしたらそれに該当するかもしれない。彼は私の在学当初アカデミック晩年期にあり、毎日夕方5時には帰るチルなおじいちゃんだった。私は、もう退官された彼が受け持った最後の博士学生だった。 青年期に自業自得の挫折の多かった私が人生を持ち直したのは、博士前期・後期課程在学中だった。それ以前は若さと根拠のない自信で無敵を演じていたが、歳を重ねるにつれそういうものが悲しいことに通用しなくなり

      • memento mori

        自己顕示欲、出そうと思った時が出し時であると思うので、いつだって出していきましょう。 爆誕日おめでとう。 自前でスイーツ持ってく風習は、なるほど良い感じに合理的だなと思った。どうしても少しひけらかすきらいが出てしまう行事を、自ら手ずから何かしらを持ってきて皆にふるまうことでなんだかトントンな感じになる。でっかい抹茶ティラミス、最高でしかない。いつかその風習、真似したい。 常識の確立、つまるところ新しいスタンダードの発見、クリエイティビティの発露は、多分僕の最も不得手とする分

        • 常識を作る側

          先週誕生日を迎えた。 毎年ノーベル賞ウィークになると、自分の誕生日を思い出す。今年の科学系は分かりやすい感じのラインナップで個人的には好きである。ノーベル賞は広大な学術の世界でどういう潮流があるのかをある程度把握する簡単な指標にはなるが、それは一過性のあるトレンドへの評価ではない。デニムとかヒートテックのような、新しい常識を拓いたようなものが取り上げられる。私自身の研究にもノーベル賞受賞研究の恩恵が散りばめられていたりする。それはデニムを履き、ヒートテックを着ている。そこに

          寿司を心に携える

          職場の横にある弁当屋さん、これまではご飯大盛り無料だったのが、今月からプラス50円になってしまった。特盛はプラス50円だったのがプラス100円。理由は仕入れ値の高騰だとかなんとか。納得できるようなそうでもないような。そういう日常の中にある小さな絶望の積み重ねが人を大人にするんです、って言ってた漫画が先日最終回を迎えました。いい終わりだった。それとは別作品になるのだけど、とある忍者漫画の最終回で戦争から十数年後にカップル爆誕しまくり次世代生まれまくりの展開を見て知人が「ヤンキー

          寿司を心に携える

          乾いた冬を殺す

          ええ、お米高い、ちょっとびっくりしたんだけれど。私は今10kgで25€くらいのベトナム産日本米を使っているんだけれど、それより高いよね。米って必須物資だから、買わないという選択肢にならないのが辛いところ。白米って心にいい、憎いほんと。 最近はオフィスにひとりぼっち。 みんながいなくなるタイミングはなぜか重なっていたりする。オフィスには私を含め4人の人間がいるのだが、現在は1人が3週間のバケーション、1人が風邪、そしてもう1人は骨折で休養中。オフィスでひとり寂しく仕事をする

          乾いた冬を殺す

          シベ超

          なるほど、傲慢ですか。 僕はそう言うあなたと相対した自分に「お前さんはいったいいつまでそう無邪気でいるんすかねほんま」とガッカリしたところです。は~そういうもんなんかね、とか言うてる場合か?おい。その辺の機微がいつまで経っても根付かない自分にいい加減辟易する。 僕自身は、自らを日本人であると意識するシーンは少ない。少なくとも他国の人と日常的に触れる機会が、と書いていて、今の職場はおそらく中東~東南アジア出身と思われる方が多数働いていることを思い出した。めちゃくちゃ意識してたわ

          不自由という名の自由

          「日本人でBerghain弾かれるのはいっそレア」。もちろんそう意図していないことはわかっているのだが、その短絡的なセンテンスにどうしても傲慢さを感じた。日本人であることの優越感、私にはそれがある、否めない。日本出身ですと言うときに、私の心の中の小さな日本人が小さくドヤッてしているのを感じる。しかしよく考えると、9000kmも彼方の国に対して解像度高く理解と尊敬を示す人間なんて、滅多に存在しない。そもそも、日本人かどうかなんて外見からはわからない。名前で判断してくれる人だった

          不自由という名の自由

          銀河

          旅の話、面白く読ませてもらいました。寿司じゃん。紛うことなき寿司じゃん。ミステリアスでオリエンタルなエキゾチックジャパンシースーじゃなくて、寿司じゃん。一方その頃生ハムチーズキャビア寿司なんて食べててすみませんでした。 クラブ事情に明るい知人が「日本人でBerghain弾かれるのはいっそレア」みたいなことを言っていました。状況説明を試みた結果、おそらく恰好がフォーマルに過ぎたのが原因だったのでは、という見立てでした。権威がありそうに見えるとか。実際どんな恰好していたのかは存じ

          Berghainに着ていく服が無い

          投稿が遅くなり申し訳ないです。この2週間、某独国を一周するというツアーイベントに(ありがたいことにタダで)参加していました。ほぼ毎日ギチギチのスケジュールだったもので、筆を執る余力もなかった所存。 沢山の街を訪れることができていい経験ではあったけれど、ツアーの特性上スケジュール通りに行かなかったり、全く興味のない場所で苦行を余儀なくされてしまう場面も多かった。「遊びに行ける友達」と「旅行に行ける友達」の差、そういったものも痛感した、ぶっちゃけ。そういった状況もあってなのか、

          Berghainに着ていく服が無い

          生ハムチーズキャビア寿司の味

          わが国には「すべてにむしゃくしゃした時は寿司をむしゃむしゃすればいい」という格言があったりなかったりするので、それなりにむしゃくしゃしていたのでお寿司に行ってむしゃむしゃしてきました。回るやつ。比較的一皿100円寄りのやつ。昨今はもう一皿100円ではお寿司食べられなくなってきました。まぁ正味それでいいと思う。 回るやつと言ったけれど、これも若干嘘で、コロナ化を経た今やレーンの上を自由に寿司が回り続けるタイプのお寿司屋さんはあまり見かけなくなりました。大手のところは大体がパネル

          生ハムチーズキャビア寿司の味

          世の中に蔓延る不調のもとは、だいたい夏のせいにしてしまいましょう

          原因不明の気持ちの不調に苛まれてはや3ヶ月ほど経つけれど、まだ回復の兆しが見えない。昔は受けるストレス値が高くなると、クレカの請求額が増えるという分かりやすいバロメータがあったのだけれど、先月を除いてその傾向も見受けられない。昔はお金を使うことで発散されていたストレスが、今はうまく出て行けずにお腹の中をぐるぐるぐるぐるしているのかもしれない。結局、忙しくしている時が1番精神的に健康、或いは忙しすぎて不調に気づいていない。これは結構まずいと思っている。 8月は高校野球、オリン

          世の中に蔓延る不調のもとは、だいたい夏のせいにしてしまいましょう

          今夜、貴方と石橋を叩ッ壊す

          先日、昔好きだったバンドのギターボーカルが逮捕されました。行状は大麻。 ちょうど先月末にすごく久しぶり、多分7,8年ぶりくらいにライブを観に行って、なんというか、かつてとても憧れて自らを近しくさせることを強く望んだ道が、気が付けばずいぶんと遠いものになっていたことに気づいたばかりだった。多分変わったのは僕の方で、あちらは十数年経った今でもあまり変わっていなかった。その此岸と彼岸の隔絶を見て、かつては「変化すること」を恐れている節もあった自分が、今では「変わりゆくこと」を自然と

          今夜、貴方と石橋を叩ッ壊す

          背骨が聞こえる

          ご飯、とても美味しそう。お米が白米ではなくて何か混ぜ物をしているところがポイント非常に高めです。そもそも、自炊をしている時点で偉すぎる。栄養バランス見直すために自炊をしようと何度も試みたけれど、どうにも時間がなかったりやる気が無かったりで、結局適当な食べられる何かに落ち着いてしまう。最近ハマっているのは、仕事帰りに適当にパンやらハムやらを買って、テーブルの上をお店屋さん状態にすること。調理しなくていいもののうち1番美味しい晩ごはん。無理に自炊しようと食材を買い込んで、結局ダメ

          背骨が聞こえる

          ぷよぷよは食べられません

          朝のあのキャラは上手いなって読んでいて思った。親の死を受容して、そこから改めて自分を見てみたときの「こんな境遇なんだからもっと自分に深みが出てもいいはず」という、イラつきを惹起させてくる度し難い浅はかさに笑ってしまった。でもそういう、自分自身に対して「自分にはこれこれこういう悲劇苦難があったのだから自分はもっと良いもののはず!」という、根拠不明の漠然とした確信を持つことって結構あるもんだとも思う。何かしらのしんどい思いをしたのだから、それに相応しい対価があってしかるべきだろう

          ぷよぷよは食べられません

          uni-ball Signo 0.38/ BLUE BLACK

          違国日記、とても好きで、主人公のことがとても嫌いでした。一節、「叔母さんは小説家で親が死んで超つらくて音楽的に深みが出てもいいはず」ってのをなんでかよく覚えている。どういう理屈だよ。しかし毎巻苛立たされながらも、なんやかんやで全部読んだ。面白かった。嫌いと苛立ちいうのは、好きにも勝るとも劣らない強いスパイスなんだなとつくづく思う。 とんでもない飽き性であるもので、1つの作品を完走するのがとても苦手だ。最初はハマって一気に読んだり観たりしていくのだけど、最終話目前にして飽きて

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