妊娠中の母親のアルコール摂取と子どもの顔つきの変化について調べた報告があります アルコール12g(175mlのグラスワインや330mlのビール)の影響を受けた際の顔つきの変化として ・鼻が短い ・上向きの鼻 ・目の下の部分の窪み ・上向きの顎 が見られることを報告しています 生まれる前にアルコールにさらされると、子どもの健康状態に重大な影響を与える可能性があり、また、定期的に多量のアルコールを摂取することで胎児性アルコールスペクトラム障害(FASD)を引き起こし、その
「アセトアミノフェン(カロナール)は妊婦さんやお子さんに対し安全に使える解熱鎮痛薬としてこれまで使用されてきましたが、近年、神経発達障害との関連が報告されていました。 様々な理由で痛み止めが必要な人もいます。 この報告で不安になった人もいたと思います。 その後、スウェーデンで、母親の妊娠中のアセトアミノフェン服用と子どもの自閉症や注意欠陥・多動性障害(ADHD)、知的障害リスクとの間に関連は認められなかったとする研究が報告されました。 1995~2019年に生まれた約2
妊活・不妊治療では人工甘味料は控えた方が良い? おそらく「Yes」。 人工甘味料の摂取は妊活・不妊治療の領域では旗色は良くありません。 人工甘味料は砂糖の100~200倍も甘く感じられるにもかかわらず、低カロリーなため、たくさん食品・飲料に使用されています。 天然にはない化合物であるため、安全性に対してはさまざまな議論がありますが、結論は出ていません。 習慣的に人工甘味料を摂取している女性は、摂取していない女性に比べて不妊症のリスクが高くなる報告がこれまでにありまし
妊活・不妊治療中に「BMI」が高いと病院・クリニックで治療を受けている方は「もう少し痩せてください」と言われることがあります。これは「BMI」が高いと妊娠率が低下するという研究報告があるからです。 上記の報告は、PCOS(多嚢胞性卵巣症候群)で、新鮮胚移植を実施した年齢40歳以下、生理不順あり、AMH>4.45 の方で調べたものです。 その結果、BMI>25.0で出産率の有意な低下と流産率の有意な増加が生じることがわかりました。 BMIが高いことは妊活・不妊治療にマイナ
アセトアミノフェンの危険性 妊娠中の体調管理で以前は「安全性が高い」とされていたアセトアミノフェン(カロナールなど)が近年、児の注意欠陥/多動性障害(ADHD)・自閉症スペクトラム障害(ASD)発症のリスクになるという報告が増えています。 アセトアミノフェンの妊娠中の服用による児のADHD・ASD発症リスクについては近年では2016年に発表され話題になりました。 2019年の発表、2020年の発表、2022年の発表も同様の結果になっており、これを支持する内容になっていま
妊活・不妊治療では病院・クリニックの治療以外でも「日常」をどう過ごすかが重要です。 睡眠が妊活・不妊治療にあたえる影響 睡眠障害は高血圧、2型糖尿病、慢性腎臓病、心血管疾患、および脳卒中のリスクなど、様々な病気のリスクになることが現在までの研究により明らかになっていますが、この研究では睡眠障害が不妊のリスクになる可能性を報告しています。 20歳~45歳の50,154人の女性を対象に調べたところ、睡眠障害のないグループに比べ睡眠障害があるグループでは、不妊のリスクが3.7
産後の体調の変化 女性のライフスタイルの中でも特に産後は体調や生活のリズムなどが大きく変化し、ストレスのかかりやすい時期です。 2018年に国立成育医療研究センターが発表した深刻なデータがあります。 上記によると、出産後1年未満に自殺した人が 92名 いたことがわかりました。出産後の母親の自殺の実態が初めて明らかになった報告です。 これには「産後うつ」が関係していると考えられています。 産後うつ 「産後うつ」は出産後の精神的なトラブルの中で最も多く、母親の10~1
特に高齢妊活で大切なこと 西洋医学的には35歳以降のいわゆる「高齢妊活」においては、時間をいかに効率よく使うかが大切になります。必要以上に焦る必要はないものの、何か効率の良い方法があれば・・・と思われている方は多いと思います。 高齢妊活をされている方同様、なかなか妊娠しない方にも意識して欲しいことがあります。 それは、どうやって「卵」や「体・心」に対する「マイナス」を取り除き、「プラス」を増やすかということです。 卵の質は基本的に年齢に依存するといわれ、高齢になると統
女性は体質的に体が冷えやすいため、体が冷えると血のめぐりに影響を与えて体調不良になりやすいので「温活」では「よもぎ蒸し」がよく取り上げられます。 また血のめぐりが悪くなると卵巣や子宮内膜の機能も低下すると言われているため、「妊活」の1つとして取り入れる方も多いようです。 よもぎ蒸しはもともとは「産後の肥立ち」をよくするために行われていましたが、現在は妊活や婦人科疾患を抱えている方をはじめ、冷え解消など、日々の体調管理に取り入れている方も増えています。 妊活中のよもぎ蒸し
妊活中の痛み止めの服用は慎重にする必要があります。 2001年に痛み止めの使用上の注意が改定されました。これは痛み止め(非ステロイド性消炎鎮痛薬=NSAIDs)を長期服用していた女性に一時的な不妊が認められたという海外の症例報告があったためで、これを受けて厚労省が痛み止めの添付文書を改定するよう製薬メーカーに指示し、それ以降痛み止めの添付文書の注意書きには「不妊」が追記されることになりました。 「痛み止め」はなぜ注意する必要があるのでしょうか。 「痛み止め」の服用による
タイミング法、人工授精からどのタイミングでステップアップしたら良いのか悩まる方が多いです。 あまり詳しい数値について記載が少ないので、知らない方も多いのですが、不妊症ではないカップルでは、排卵誘発のない場合、妊娠率は8〜10%程度と言われています。 「不妊」とは、妊娠を望むカップルが避妊をせずに1年間妊娠しないものをいいますので、上記の妊娠率を考えると1年間妊娠しなければ何かしらのトラブルがあると考えて検査や治療が必要になる可能性があります。 「不妊症」のカップルの場合
こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。 妊活・不妊治療では「子宮内膜の厚さ」は気になる項目の1つです。 子宮内膜の厚さについて 子宮内膜がなかなか厚くなりにくいという方で漢方・鍼灸治療を希望される方が多いです。 漢方・鍼灸治療はからだ全体のバランスを整える方法ですので、子宮内膜 “だけ” 厚くするという考えで行うのではなく、厚くなりにくい原因を中医学の視点で探り、からだ全体のバランスを整えることで、結果として子宮内膜が受精に適した厚さになるように導きます
こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。 不妊治療(体外受精、顕微授精)で卵の分割過程でみられる現象に「フラグメンテーション(細胞の断片化)があります。 この「フラグメンテーション」の割合が多い卵の移植成績は良くないと言われています。 「フラグメンテーション」が起こる理由についてははっきりしていませんが、その原因について調べた研究があります。 マウスの胚を用いた研究での報告ですが、この研究では簡単に言うと「細胞が分裂する仕組み」の機能不全などが原因ではない
こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。 「活性酸素」は細胞やDNAにダメージを与えるため、私たちの体には「活性酸素」から身を守る仕組みが備わっています。 しかし、現代社会の生活は「活性酸素」が作られやすい環境に囲まれています。ストレス、食品添加物、タバコ、激しい運動、多量飲酒、紫外線…。 「活性酸素」は妊活・不妊治療においては厄介な存在です。 そこで重要な作用を働きをするのが「抗酸化物質」です。「抗酸化物質」は活性酸素から細胞を保護する作用があります。
こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。 「タイミングの取り方」がよくわからない、という相談があります。 夫婦でタイミングをとる場合の注意最も妊娠しやすいタイミングは排卵日の1~2日前とされています。 なぜかはわかりませんが、排卵日当日よりも高くなることが報告されています。 この報告では、排卵日1日後以降では妊娠はゼロ。排卵日でも妊娠はしますが、妊娠継続率が低くなります。妊娠継続率が高くなるのは排卵日の1日前と2日前がほぼ同じです。妊娠率を高めるためには「
こんにちは、相模原タナココ漢方薬局・鍼灸接骨院です。 不妊治療で近年よく用いられる排卵誘発法に「PPOS法」があります。プロゲスチン=黄体ホルモンを併用して排卵を抑制しながら排卵誘発を行います。 「アンタゴニスト法」か「PPOS法」のどちらかで排卵誘発を行うことが多いようです。 多嚢胞卵巣症候群で卵巣過剰刺激症候群(OHSS)のリスクが高い場合には第一選択です。 月経開始3日目を目安にFSH または hMGの注射と黄体ホルモンを内服して卵胞を育てます。FSH値やE2値