妊娠中のアセトアミノフェン(カロナール)の使用について〜ADHD・ASDとの関係
アセトアミノフェンの危険性
妊娠中の体調管理で以前は「安全性が高い」とされていたアセトアミノフェン(カロナールなど)が近年、児の注意欠陥/多動性障害(ADHD)・自閉症スペクトラム障害(ASD)発症のリスクになるという報告が増えています。
アセトアミノフェンの妊娠中の服用による児のADHD・ASD発症リスクについては近年では2016年に発表され話題になりました。
2019年の発表、2020年の発表、2022年の発表も同様の結果になっており、これを支持する内容になっています。
今まで妊娠中でも安全とされていましたが・・・
妊娠中は熱が出ることもあれば、痛みが出ることもあります。
アセトアミノフェンは以前は妊婦さんでもほぼ安全に使用できる薬と考えられ、発熱時や痛み時に「妊婦さんでも大丈夫」と言われ処方されていました。
豊富な使用経験がある薬ですので、その安全性は確立されたものとして多くの医療従事者は認識していたと思います。
しかし、近年どうやら妊娠中のアセトアミノフェンの服用はADHD・ASD発症のリスクがあるかもしれないという報告が増えています。
今まで「正しい」と思われていたことが、実は「間違い」だった、ということは医学の世界においても往々にしてありますが、これまでの報告が本当に正しいのかどうかについて、今後も引き続き検証し、冷静に判断していく必要があります。
アセトアミノフェンは妊娠中に服用可能な唯一の解熱鎮痛薬とされている薬です。それを否定する研究が相次いでなされているため、不安を煽るような伝え方にならないように対応する必要があります。
薬は「リスクがあるから使わない」というのではなく、そもそも薬は「リスク」があるものです。「メリット」と「デメリット」を考えた上で「必要性」に応じて使うことが大切です。
妊娠中の体調管理には西洋薬がどうしても必要な場合もありますが、漢方や鍼灸が役立つことも多多くあります。もし、妊娠中に体調を崩してしまった場合は漢方薬・鍼灸などの中医学も上手に活用して穏やかな妊娠生活を送ってください。
ご相談のご予約はこちらから。