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【読書日記】森下典子さんの『好日日記』を読んで過去、現在、これからを想う。

先日、久しぶりに再現してみたを書いたら燃え尽きてしまいました。

なんというかやりきった感。笑

再現してみたを書き終わると大体いつも燃え尽きているのですが今回は特にそんな感じがします。(note卒業ではありませんよ~)

ずっと小説に出てくる食べものを再現してみたかったんです。約1年かかってようやくこれだ!という作品に出会うことが出来ました。感激ですわーい。

🐢     (1年は時間かかりすぎだろ~……🙄🙄)

再現してみたを書こうと思って探した作品ではなく、たまたま手に取った作品だったというのもなんだか不思議でした。

しかも精神的にしんどかった時期に励まされた作家さんの作品。嬉しかったです。

漫画、ドラマ、アニメ、小説。物語のなかに出てくる食べものを再現するのはやっぱり楽しいですね~。読んでくださった皆さま、ありがとうございました🙇

紹介した本に興味を持ってくださる方々の存在にも励まされています。noteは優しい世界だなぁと思う今日この頃です。

これからもnoteでアソシエイトを続けていきたくて。でもそういう記事は苦手だな……という方もいらっしゃると思いますので、そういう方はスルーしてくださいね。

話は変わりますが……昨日は午前中、母と電話した後、なかなかやる気が起きなくて。月曜日は大体こんな感じなので少し作業して午後は森下典子さんの『好日日記』を読みました。

『好日日記』は森下典子さんが40年以上通っている茶道の稽古場での会話や稽古中に心の中に起こった感情、日々思ったことが二十四節気の情景と共に語られています。

少し読み始めたところでもしかしたらこれは再読本かもしれない……と気づきましたが、それでもゆっくり季節の移ろいを思い描きながら読みました。

疲れたら、季節の中にいれば、それでいい。

目指しても目指しても終わりのない道を歩くことは、なんて幸せなのだろう

今のわたしの心に響いた言葉です。

読んでいると高校時代の茶道部での思い出も蘇りました。

茶道部にひとりで入部したこと。あたたかく迎えてくださった先輩方の優しさ。少しずつ部員が増えてくれたこと。お茶の先生に怒られたこと。

水指のお水で道具を清め、お点前に集中すれば、心は凪いだ水面のように穏やかになりました。

『好日日記』のなかで特に印象的だったのは「春分」の章。〈柳は緑、花は紅〉という禅語に関するエピソードです。

森下さんがお茶を始めたばかりの頃、春分を過ぎたある日、稽古場に「柳緑花紅りゅうりょくかこう」という掛け軸がかかっていたそう。

柳は緑、花は紅。

初めてその掛け軸を見たときはそのままの意味ではないかと一緒に茶道教室に通っていた従姉とふたりで笑い転げて終わってしまったけれども、二十年後、再びその掛け軸に出会ったとき、その掛け軸に込められている意味を知ることになります。

花は赤く咲けばいい、柳は緑に茂ればいい

〈柳は花にはなれないし、花も柳にはなれない〉。

人にはそれぞれ個性があって、ありのままのあなたでいい。ありのままのあなたが美しい。

自分がつまらない人間に思えたとき。周りの人がきらきらと輝いて見えたとき。自分を見失いそうになったとき。

わたしもこの言葉を思い出してみようと思いました。

枝垂れ柳と川面を行く舟が描かれた「隅田川香合」

今は二十四節気でいうと「大雪」ですが、これから迎える「冬至」の章も心に残っています。

「終わり」は「始まり」でもある

『好日日記』の最後の章を読み終えて、今年を少し振り返りました。

この1年、色々な感情がわたしの心のなかをぐるぐると駆け巡っていたような気がします。

不妊治療は長くて暗い終わりのないトンネルのようで。わたしよりもっともっと辛い思いをしている人はたくさんいると思うのであまり触れませんが……そこを通り抜けるということは、自分が今まで大切にしていた時間も終わってしまうのだということに気づきました。

でも、終わりは始まりでもあるから。新しい日々に何を想うのか。

家族や友人、noteのクリエイターさんたちや地域の人たち。今年は色々な人たちからあたたかさや優しさを受け取った1年間でもあったので、わたしも誰かに何かを与えられたらいいな……と、そんなことを思いました。

ゆず饅頭


自分のことを書くことが得意でなく頭もよくないので読書感想文が苦手です。うまく書けませんが、出産までの間は読書を楽しみたいので読んでよかった本のこともnoteに書いてみたいと思います。

以上、読書日記でした。


トップ画像はnoteを始めた頃からフォローさせていただいているもときさんの写真をお借りしました。

朝、雨が降っていましたが晴れてきました。

もときさん、静寂の時間と懐かしい八王子の風景をいつもありがとうございます。




『好日日記』の前作、『日日是好日』も是非手に取ってみてください。

会いたいと思ったら、会わなければいけない。好きな人がいたら、好きだと言わなければいけない。花が咲いたら、祝う。恋をしたら、溺れよう。嬉しかったら、分かち合おう。
幸せな時は、その幸せを抱きしめて、百パーセントかみしめる。それがたぶん、人間にできる、あらんかぎりのことなのだ。

本文より

『好日日記』の挿絵にもなっている森下さんのイラストにもっと癒されたいという方はこちら。

たべものの味には、思い出という薬味がたっぷりついています。だから、おいしいものを食べると、笑顔に、ちょっと泣き顔がまじるのかもしれません。

サッポロ一番みそラーメンを初めて食べた日のこと。こんな人生だったら最高だなと思った崎陽軒のシウマイ弁当。ポテトサラダを「おいしい」と喜んでもらえた7歳の誇りと歓び。

森下さんのおいしい記憶がぎゅぎゅっと詰まったエッセイです。

(余談ですが「カレー進化論」の挿絵、森下さんの野菜カレーがとても美味しそうです。カレーにブロッコリーやかぼちゃを入れたことがないので真似してみたくなりました。ルーはもちろんバーモンドカレー(中辛)で!🍛)

本棚にある大切な本

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