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竜堂酔仙
2023年10月26日 00:21
彼岸が過ぎて、めっきり冷え込むようになった今日この頃。異常気象で暑さに参ってしまうような日が続いていたのに、彼岸を過ぎればやっぱり寒くはなるらしい。自然はすごいと言うべきか、こんな気候はおかしいと言うべきか。 いつもの路地を辿っていると、ふと甘い匂いが鼻腔をくすぐった。砂糖の甘さとも、果実の甘さとも違う、どこか不思議な甘さ。 確かこの辺に、あれがあったはず……。 やっぱり。 金木犀の
2020年12月7日 22:56
頬が重たいことに気がついた鏡を見れば、唇を巻き込んで、へたりと頬が落ちている身の回りに不幸を振りまいていそうな、縁起の悪い顔それで物事が上手く回らなかったのかそういえば最近は、舌も上手く回らなかった頬に手を当て、ぐにりと持ち上げる持ち上げたまま口をもぞもぞ手を離して、思いっきり、ニーーーッ鏡の中の顔は笑顔心はフラットこれでいいこれで「楽しい」も歩み寄って
2020年12月6日 21:58
その男はひたすらに書いていた書いて描いて欠いてヒトを考えて意識を考えて愛を考えて炭の欠片で、文字を残していくとうとうそのまま逝ってしまったなんと幸せな人生だろうか!
2020年9月6日 20:20
不幸になる人間は勝手に不幸になる 何もない日常にささくれを見つけ出し 心が折れそうな苦境で自ら道を閉ざす そうしていつの間にか、なにも見えなくなっている 幸せになる人は勝手に幸せになる 何でもない日常から幸せを見つけ出し 心が折れそうな苦境から活路を見出す そうしていつの間にか、望むほとんどを手に入れている 幸せな人が不幸せになるのは人が原因である 不幸せな人
2020年9月5日 19:18
久しぶりに外を歩く。冷めかけた鉄のような、青とも赤とも、紫ともつかない不思議な色の空肺いっぱいに、空気を吸い込む濡れた空気の匂い誰も居ない山が恋しくなった久しぶりに外を歩いている頭の上から落ちてくる、クリーム色の街灯の光肺いっぱいに空気を吸い込む近所の家から漂う、醤油の焦げる匂いなんとなく、おばあちゃんに会いたくなった久しぶりに外を歩いていた部屋の中を照
2020年8月29日 20:39
オレ自身の言葉が見付からないのであるもやもやとした何かが、心の奥で膨らんでいくそれをただ眺めている名前を付ければふさわしい名前があるだろうにそれに触れることができないのであるそれを確かめることができないのであるおのれの心を見ることができないのである心がなにも反応しないように思えてしまう視界に収めれば手を触れれば形を取らない言葉があるはずなのに感じたことを
2020年8月28日 21:45
大抵の人間には、意識しなくても美学がある美しいと思うモノがある素晴らしいと思うモノがある己の中で輝く美を、この世界に落とし込もうと思うのである己の理想を目の前に作り出して、この目で見てみたく思うのである隣にいるあの人にも、美学がある美しいと思うモノがある素晴らしいと思うモノがあるあの人から見ると、このおれの中の美は、河原のクズ石となり果てる人とはわかり合えないも