竜堂酔仙

竜堂酔仙

マガジン

  • 詩とも言えない即興詩

    練習用なので悪しからず。創作メモとしてネタを詩の形式で積むこともあるかもしれない

  • 人生観

    書くことに困って自分の身を切り売りしたヤツ。こんな考え方の人間もいるんだなと眺めてもらえたらそれだけで満足。

  • 私小説

    どこまでが真実でどこからが虚構なのか。全部嘘だと思わせられたらそれはそれで面白い。

最近の記事

金木犀の香り

 彼岸が過ぎて、めっきり冷え込むようになった今日この頃。異常気象で暑さに参ってしまうような日が続いていたのに、彼岸を過ぎればやっぱり寒くはなるらしい。自然はすごいと言うべきか、こんな気候はおかしいと言うべきか。  いつもの路地を辿っていると、ふと甘い匂いが鼻腔をくすぐった。砂糖の甘さとも、果実の甘さとも違う、どこか不思議な甘さ。  確かこの辺に、あれがあったはず……。  やっぱり。  金木犀の木。  濃い緑の葉っぱの中に、淡いオレンジ色の小さな花がひっそりと隠れている。ま

    • 重い頬

      頬が重たいことに気がついた 鏡を見れば、唇を巻き込んで、へたりと頬が落ちている 身の回りに不幸を振りまいていそうな、縁起の悪い顔 それで物事が上手く回らなかったのか そういえば最近は、舌も上手く回らなかった 頬に手を当て、ぐにりと持ち上げる 持ち上げたまま口をもぞもぞ 手を離して、思いっきり、ニーーーッ 鏡の中の顔は笑顔 心はフラット これでいい これで「楽しい」も歩み寄ってくれる 自分の好きな口角の緊張具合を覚え直してから、鏡を離れた

      • 燃え尽きる灯火

        その男はひたすらに書いていた 書いて 描いて 欠いて ヒトを考えて 意識を考えて 愛を考えて 炭の欠片で、文字を残していく とうとうそのまま逝ってしまった なんと幸せな人生だろうか!

        • 求む、浅い呼吸の対処法

        金木犀の香り

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        • 詩とも言えない即興詩
          7本
        • 人生観
          7本
        • 私小説
          5本

        記事

          体調不良ってヤツは如何ともしがたいね。まったく動けん

          体調不良ってヤツは如何ともしがたいね。まったく動けん

          ハイスクールDxDはいいぞ……

          ハイスクールDxDはいいぞ……

          そろそろ初心に立ち返り、創作に力を注ぎ直さねば

          そろそろ初心に立ち返り、創作に力を注ぎ直さねば

          首こりなるものがあるらしいぞと。頭いてぇ

          首こりなるものがあるらしいぞと。頭いてぇ

          連続投稿失敗した……と思ったら首の皮一枚で繋がったくさい

          連続投稿失敗した……と思ったら首の皮一枚で繋がったくさい

          公募用の短編を書いているので今日は申し訳程度にしか更新できませんよ、というお話

          公募用の短編を書いているので今日は申し訳程度にしか更新できませんよ、というお話

          身体はどこも繋がっている。耳が悪くなれば平衡感覚もイカレるし、目が悪くなれば頭痛を併発したりもする。身体は大事にして生きましょう

          身体はどこも繋がっている。耳が悪くなれば平衡感覚もイカレるし、目が悪くなれば頭痛を併発したりもする。身体は大事にして生きましょう

          書きたいことを見つけるのは難しい。そして書きたいことを見せることも難しい。小説を書くのって死ぬほど簡単だけど、鬼ほど難しいよね

          書きたいことを見つけるのは難しい。そして書きたいことを見せることも難しい。小説を書くのって死ぬほど簡単だけど、鬼ほど難しいよね

          幸、不幸

           不幸になる人間は勝手に不幸になる  何もない日常にささくれを見つけ出し  心が折れそうな苦境で自ら道を閉ざす  そうしていつの間にか、なにも見えなくなっている  幸せになる人は勝手に幸せになる  何でもない日常から幸せを見つけ出し  心が折れそうな苦境から活路を見出す  そうしていつの間にか、望むほとんどを手に入れている  幸せな人が不幸せになるのは人が原因である  不幸せな人が幸せになるのはモノが原因である  人とモノの間に立つのは、多くの場合、文字で

          空気の匂い

          久しぶりに外を歩く。 冷めかけた鉄のような、青とも赤とも、紫ともつかない不思議な色の空 肺いっぱいに、空気を吸い込む 濡れた空気の匂い 誰も居ない山が恋しくなった 久しぶりに外を歩いている 頭の上から落ちてくる、クリーム色の街灯の光 肺いっぱいに空気を吸い込む 近所の家から漂う、醤油の焦げる匂い なんとなく、おばあちゃんに会いたくなった 久しぶりに外を歩いていた 部屋の中を照らす、白い蛍光灯の光 肺いっぱいに空気を吸い込む 嗅ぎ慣れた、自分の部屋の匂

          空気の匂い

          そろそろ超絶異能バトルが書きたい。短編だと面白く書けないんだよな……

          そろそろ超絶異能バトルが書きたい。短編だと面白く書けないんだよな……

          「身体から発生する言葉」の持つ説得力

           昨日の記事、知性を超えて働きかける「身体から発生する言葉」について情報を追加していきたいと思う。  上の記事を見ていない方のためにざっくりと内容を要約すると、僕の持論に「身体から発生する言葉の存在」があり、身体から発生する言葉――――体感現象を言語化した言葉を用いることにより、知性に働きかける「言葉」を超えて、感性に働きかける「風景」や「シチュエーション」を創り出すことができる、というものである。  先の記事で説明不十分だった「肉の重みを持つ言葉」について、この記事で説

          「身体から発生する言葉」の持つ説得力