己の美学と隣の美学
大抵の人間には、意識しなくても美学がある
美しいと思うモノがある
素晴らしいと思うモノがある
己の中で輝く美を、この世界に落とし込もうと思うのである
己の理想を目の前に作り出して、この目で見てみたく思うのである
隣にいるあの人にも、美学がある
美しいと思うモノがある
素晴らしいと思うモノがある
あの人から見ると、このおれの中の美は、河原のクズ石となり果てる
人とはわかり合えないものなのである
感性にまかせて身を立てるのは、かくも絶望的な所行
妬んではいけない
恨んではいけない
己の感じる美を信じ、その影を追いかけることでしか
価値観を打ち立てることはできないのである
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