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【いただきますとごちそうさま】

僕は、小学6年生の息子のことを、何気に尊敬してる。彼のすごいのは、ご飯を食べる前と後、きちんと心を込めて「いただきます」「ごちそうさま」と言うことが出来ることだ。しかも一度も欠かしたのを目にしたことがない。そしてとても心がこもっている。

一見当たり前に見えることを、毎回必ず出来ることって、大人でもそう簡単じゃない。なんなら、僕なんてしょっちゅう忘れてる。親が教えるべきことを、息子の「いただきます」を見て、自分がハッとさせられ、自分も気をつけよう、と思ったりさせられる。

食べることは生きること。命をいただくこと。釣りが好きな僕は、自分が釣ってきたアジやサバを子供に見せて「この子達の命を頂くんだから、感謝しないとね」と息子がもっと小さい頃に話をしていた。豚だって牛だって、切り身の格好で育つわけじゃない。誰かがみんなのために殺してくれている。

魚もそうだけど、釣られる魚も、加工されると悟った豚も牛も、命懸けで抵抗する。でも最後に人間に負けて、その命を人間に託す。昔読んだ「牛を屠る(ほふる)」と言うタイトルの本で、その壮絶な有り様に、頭では分かっていたけど衝撃を受けた。

コメや麦だってそうだろう。多分僕らには聞こえないだけで、収穫される際には、ひょっとしたら彼らだけにわかるコミュニケーション手段でものすごい悲鳴をあげているのかもしれない。

生きることは食べること。命をいただくこと。「いただきます」と「ごちそうさま」には、それだけの命の重みがあってしかるべきだ。そして、いただいた命に感謝しつつ、新しい命に自分の命をつないでいく。

仕事を終えた僕が今晩家に帰っても、息子はいつもと同じように、心を込めて「いただきます」と言うだろう。そして僕は、息子に対してなんとも言えない畏怖と尊敬の念をもって、「そうだ、自分も言わなきゃ」と言い聞かせるだろう。

なんだか、ここ数日、息子のことを見ていて、ずっとこの事をみんなとシェアしたかった。素直にのびのびと育ってくれていること以上に、もう立派に生きると言うことを自覚しだしているのかもな、などと思いながら。

いやはやなんとも、親バカな話ですみません。ちょっと仕事に疲れたので、このスキに書いちゃおうと思って。今日もみんなにとって良い一日でありますように。

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