RYOSEI

福岡県春日市出身。去年は、東南アジア、南アジア、中東、欧州とユーラシア大陸の20か国を4ヶ月かけて旅して、カナダ東部にも行ってきました。今は、通信業の会社でカスタマーサポートをしています。

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福岡県春日市出身。去年は、東南アジア、南アジア、中東、欧州とユーラシア大陸の20か国を4ヶ月かけて旅して、カナダ東部にも行ってきました。今は、通信業の会社でカスタマーサポートをしています。

最近の記事

志賀島に行ってきた

しばらく旅に出ないでいると、ふと旅がしたいと思う。数時間でも非日常の体験が必要だった。 そこまで遠出するつもりはなかったので、近場を調べていると志賀島が候補として出てきた。志賀島を知ったのは歴史の教科書だ。「漢委奴国王印」という名で知られる金印が出土した場所として紹介されていた。 金印というのは、後漢の光武帝が弥生時代に福岡にあった「奴国」の王に与えた高さ2.2cm、幅2.3cmの小さな金製の印鑑だ。 紀元57年という時代に驚かされる。これは約2000年も前から日本と中

    • 『noteではじめる新しいアウトプットの教室』の感想

      この本はコグレさん、まつゆうさんの共著で書かれている。それぞれの意見から良いなと思う点があった。 コグレさんからは、書く習慣を身につけることの大切さを学んだ。アウトプットをし続けることで書籍や雑誌執筆の依頼があったり、仲間ができたりして、ご自身の人生が変わったという。 ブロガーとして毎日10本程度の投稿をしているというライフスタイルは簡単には真似できないが、日常生活での気付き、ニュース、体験などのインプットから少しずつ記事のネタを見つけるという方法を紹介されていて、参考に

      • 中国の「大国外交」

        最近の中国の外交動向 最近の報道によると、中国は南半球を中心とした新興・途上国「グローバルサウス」との外交を加速している。 中国の王毅外相はアフリカや中南米を訪問し、これらの国々との関係強化を図っている。この動きは、習近平国家主席が掲げる「大国外交」の一環であり、米国に対抗する勢力の構築と台湾統一に向けた支持の獲得を目指している。 大国外交の「光」 中国の大国外交は、世界各国との経済的・政治的関係を深めることに成功している。 特に、一帯一路イニシアティブは、アフリカ

        • なぜヒズボラはレバノンで影響力があるのか?

          レバノンにおけるヒズボラの影響力は、国家の脆弱さと社会集団の強さの相互作用によって形成されている。レバノンは、異なる宗教的集団が共存する国家であり、これらの集団は政治システムで重要な役割を果たしている。 その結果、国家の政策決定においては、これらの集団間の妥協が不可欠であり、国家機構は比較的脆弱で、統一された政策の実施が難しい側面がある。 ヒズボラの台頭は、複数の要因により力を増してきた。1980年代にイスラエルの侵攻に対する抵抗運動として生まれたヒズボラは、シーア派イス

          なぜイスラエルとイランは対立するのか?

          今月20日、イスラエルがシリアの首都ダマスカスでミサイル攻撃を行い、イラン革命防衛隊の軍事顧問5名が殺害された。そこで今回は、なぜイスラエルとイランは対立しているのかを考えたい。 まず、イランは中東での影響力を拡大し、地政学的立場を強化したいという野心がある。一方、イスラエルは自国の安全保障を強化することを優先している。 これまでイスラエルは、レバノン南部への軍事介入やシリアのゴラン高原の奪取などを行ってきた。それらはイスラエルにとっては自国の安全を守るためという理由で正

          なぜイスラエルとイランは対立するのか?

          『サピエンス全史』感想ー認知革命

          ユヴァル・ノア・ハラリ氏の著書は、発売当初から多くの議論を呼んでおり、今でもその影響は色褪せていない。友達に読んだ感想を伝えるような気軽さで心に残ったことを書きたいと思う。 ハラリ氏によると、狩猟採集をやっていた何十万年前にはホモ属(ヒト属)といっても、ヨーロッパとアジア西部にはネアンデルタール人、東アジアにはホモ・エレクトス、アジア全域にデニソワ人といったように多くの人類種が存在していた。 私たちは、正式にはホモ属のサピエンスという種で、東アフリカ発祥だ。犬や猫に多くの

          『サピエンス全史』感想ー認知革命

          【#17パレスチナ】分離壁に閉じ込められる

          イスラエルにあるベツレヘムという街に行った。三大宗教の聖地エルサレムから南に約10kmほどの場所にある。 イスラエルとパレスチナの歴史は複雑だ。第二次大戦後に、国連からユダヤ人がこの一帯に建国を認められたとき、すでに住んでいたのがアラブ民族でイスラム教徒のパレスチナ人だ。 民族や宗派や考え方の違いもあり、イスラエルはパレスチナ人の土地を多く奪った。第二次大戦後から一九七○年ごろまでに数回にわたる戦争があり、徐々にパレスチナ人の土地は少なくなった。 今では、イスラエルの東

          【#17パレスチナ】分離壁に閉じ込められる

          【#16エルサレム】聖地・聖書•セキュリティ

          ベン・グリオン空港に着いて入国審査を受けた。夜遅かったが、長い行列ができていて30分は待った。スマホをする余裕もなく、少しでも早く通してくれそうな審査官を探し、この人だと当たりをつけて並んだ。 短髪で白髪の優しそうな紳士だった。相当身構えていたが、質問は「イスラエルに来た目的は何か」、「初めてのイスラエルか」、「どこに泊まるのか」、「何日滞在するのか」、「仕事は何か」といった簡単なもので拍子抜けした。 2分くらいで終わって、俺の方が「もう終わり!?」と思わず尋ねてしまうほ

          【#16エルサレム】聖地・聖書•セキュリティ

          【#15ギュムリ】黒の街

          アルマヴィル地方を観光した翌日、古都ギュムリに向かった。9時ごろ、宿を出る。マイクロバスでギュムリに直接行けると思ったが、アティックという街が終点だった。アティックまで一緒にバスに乗った青年がいて、俺が降りてから動かずにいるのを見つけて「困っているのか」と聞いてくれた。 「ギュムリまで行きたい」と言うと、わざわざバスステーションまで案内してくれて、運転手に声をかけて、何時に出発するか料金はいくらかを尋ねてくれた。 何度も「ありがとう」と言うと、何でもないといった様子で去っ

          【#15ギュムリ】黒の街

          【#14アルメニア】驚くべき告白

          ジョージアからアルメニアの首都エレバンへはマイクロバスで向かった。バスには俺の他にオーストラリア人の若者3人とアルメニア人の高齢女性の計5人が乗っていた。 オーストラリア人のグループは俺が日本人と見るや「俺たちは日本のゲームが大好きだ!」と興奮し、クラッシュバンディクーやポケモンをこれだけ違法ダウンロードしていると自慢してきた。複雑な心境。 アルメニア人女性は、息子か娘の家に今から行くといった様子で、大荷物を持っていた。乗って早々、英語が話せないのかアルメニア語で話しかけ

          【#14アルメニア】驚くべき告白

          【#13ジョージア】...と冷凍食品

          ジョージアに入国し、首都トビリシに着いたのは夕方だった。心配だった反政府デモは、政府が法案を撤回したことにより治まっていた。 トビリシ旧市街は美しい。ナリカラ砦という古代からトビリシ を守ってきた城塞を頂点にして、急な坂になっているから雛壇のようにそれぞれ個性的な建物が見える。 絵になる光景だ。旧市街には欧州からの観光客が多く、誰がジョージア人か分からないほどだった。 宿の近くには5世紀に建てられた歴史をもつメテヒ教会があった。5世紀って本当?と思うが、4世紀には東ジョ

          【#13ジョージア】...と冷凍食品

          【#12アゼルバイジャン】ひのくに

          ドバイでの乗り継ぎを経て、ヘイダル・アリエフ空港に降り立った俺は、アライバルビザを申請した。日本人は無料だった。 インドやネパールまではアジアということもあり馴染みがあったが、日本から遠く離れたアゼルバイジャンという国は未知な部分が多く不安が大きかった。ネパールでチケットを発券してもらったとき、行けるのだという実感がわいた。 ただ、なぜアゼルバイジャンに行くのかという理由もまた、情報が少ないからだったりする。欧州ともアジアとも区分され、ロシアやイラン、トルコなどの大国に翻

          【#12アゼルバイジャン】ひのくに

          【#11ネパール】優しい国民

          ネパールに行く飛行機では、両横がインド人だった。肘掛けが彼らに使われたのは言うまでもない。腹痛には回復の兆しがあったが、代わりに熱っぽさを感じていた。 ネパールに到着すると、寒気までしてきた。ここからネパール出国まで頭痛、咳、喉の痛みといった風邪症状に悩まされることになった。 首都のカトマンズ市街にある宿に着いて、宿のチェックインをすると料金は後払いでいいと言われる。珍しいことだった。普通は、事前にクレジットカードで払うか、チェックインのときに払っていたからだ。 これま

          【#11ネパール】優しい国民

          【#4マレーシア】ちがうということ

          シンガポールのブギス・ストリートにあるバスターミナルでは、何人かすでにバスを待っていた。午前中に出発して昼ごろに着く便だった。バスが乗り場に到着すると、ネット予約のチケット控えしかなかったのでカウンターに行って「乗車チケットをくれないか」と言った。 カウンターの男性は、チケットとして「5A」と座席番号が書かれた走り書きのメモを渡してきた。「これチケットなのか」と驚いたが、シンガポール人にもこれくらいのいい加減さがあるんだなと好感をもてた。 さて日本からタイ、タイからシンガ

          【#4マレーシア】ちがうということ

          【#3シンガポール】多様な文化と自然

          世界各国から大企業を誘致し、アジアのハブとして経済的に成功した国。高層ビルが立ち並ぶオフィス街。ただし政治は抑圧的で、国民の幸福度は低い。 金持ちなのは分かるけど、尊敬されないというバブル前の日本のような印象をシンガポールに対しては、もってきた。 だから、日本で計画を練っているときから旅先としての魅力があるのか分からなかった。正直行っても行かなくてもいいけど、マレー半島に行くなら行っておこうくらいの気持ちで候補国にしていた。 しかしその先入観は大きく修正を迫られることに

          【#3シンガポール】多様な文化と自然

          【#10コルカタ】鶏とシスター

          宿に着いて荷ほどきをしてから、市街で料理店を探した。サダル・ストリートという有名な安宿街の近くで、地元のインド人が何人かいるレストランを見つけたので、入ってみた。 多くのインド料理店と同じくこの店もメニュー表にイラストがないわりに、メニューの数が多く何を頼めばいいか迷った。カレーは食べ飽きたこともあり、タンドリーチキンを頼むことにした。 暗くなってきたので、この日はご飯を食べてすぐ、電車とバスを乗り継いで宿まで帰った。バスに乗っているとき、すでに熱っぽさと腹痛を感じ、「早

          【#10コルカタ】鶏とシスター