マガジンのカバー画像

はるるん、海を渡る

33
重症心身障害児として生まれ、盲目で車椅子が必須のハルが、家族とともにどこへでも出かけ、登山にも海にも行き、そうしてついに、家族と一緒に海を越えてインドにやってきた。インドでの彼女…
運営しているクリエイター

#学校

道なき道をゆく(パプア滞在記③)

道なき道をゆく(パプア滞在記③)

「本当にこんなところに学校があるんだろうか?」

肢体不自由、目が見えない、言葉が喋れない次女のパプア・ニューギニアでの学校探し。

私たちの車は怪しい雰囲気の道を走っていた。

夫がこちらに住み始めてすぐに中古で購入したホンダのCR-Vが、とんでもなく揺れる。周囲には裸足で歩く現地の人たち。外国人が乗ってるのがわかってリンチされないだろうか、とヒヤヒヤである。

車、ひっくりかえってるし……。

もっとみる
「特別支援教育」は特別なままなのか

「特別支援教育」は特別なままなのか

さて、前回の記事で、障害や特性に関係なく、地域の学校に多様な子どもたちが通えることの意義に触れて書いた。

はい。わかってます、あくまで理想です。
現状においては、校舎の問題、教育カリキュラムの問題、教員配置の問題など、ありとあらゆる点において、多様な子どもたちを地域の学校に受け入れる準備は到底十分とは言えない。だからこそ、現時点では副学籍制度に期待する部分が大きいのだけれど、副学籍制度においても

もっとみる
「副籍」制度と公教育の本当の理想

「副籍」制度と公教育の本当の理想

学校ってなんだっけフィリピンで2年間学校に通っていなかった重症心身障害児の次女ハルは、小学2年生も終盤になって、日本の小学校に1日体験入学したわけだが、実はその少し前から、来年度以降の日本での就学について、教育委員会と相談を始めていた。

運動機能の発達も知的発達も生まれつき限られていたハルについて、学びについてもあまり期待していなかった。もちろんリハビリや療育を通じてトライしてみたことはあれど、

もっとみる