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【読書ノート】『魔法のからだ』(『生命式』より)

『魔法のからだ』(『生命式』より)
村田沙耶香著


瑠璃は、「体は大人、心は少女」、誌穂は「体は子ども、心は大人」という二人の少女(中学二年生)の性に対する特別な思いについての物語。

物語の主題はなにか?
「普通」という虚像からどうやって自分を守るべきなのかということ。

異性に少しずつ意識が向けはじまるころ、普通の女子たちは、様々な情報を聞きかじり、少し大人ぶって振る舞う。

多数の「普通」の少女たちを前にすると小学生の頃から性体験をしている誌穂でさえ、何か、押されてしまう。

自分の人生を決めるのは自分でしかないわけで、「普通」に囚われてはいけないのだということなのだと理解した。

私自身、転校生の経験が多かったので、よくわかる。場所が変われば、常識が変わってしまう。

ひとと争うことはなるべく避けていたけれど、いつも、自分は外ものだなあと思いながら過ごしていたけれど、それは、正しい生き方だったのかもなあと改めて思ったりした。

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