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【読書ノート】『ポチ』(『生命式』より)

『ポチ』(『生命式』より)
村田沙耶香著


二人の小学生の女の子が、ポチという大手町で迷子になっていたおじさんを飼う話。

キーワードを挙げてみる。

①ポチ
ポチは一般的には忠実さや忠誠心を象徴する。また、ポチは多くの場合、犬の名前として使われる。

②迷子
迷子になることは、方向感覚や目的の喪失を象徴する。迷子になることは、人生の道筋や進むべき方向を見つけることの難しさを表しており、自己の位置を見失ったり、自己のアイデンティティを見つけることの難しさを象徴する。

③大手町
大手町は、東京都千代田区にあるビジネス街であり、日本の金融や経済の中心地として知られている。大手町は、銀行や証券会社、大手企業の本社などが集まることから、金融やビジネスの象徴として位置づけられている。

キーワードから見えてくること

一流企業に勤めるおじさんらは、日々、声を張り上げて頑張っている。実体はそうでもなさそうだ。偉そうに見えても所詮は飼い犬。長年勤めてみれば、幹部に残れるのは、ごく一部のエリートで、多くのおじさんたちは、生きる目的を失って迷走する。

物語の主題は何か?
ひとは、何か揺るぎないものを求めて大企業に就職するというエリートのパスを求めてしまうのだけど、肩書きは、ひとを幸せにするわけではないということ。

まあ、だいぶ価値観は変わってきているとは思うのだけどね。

自分の存在価値を他人と比べたがってしまうのだろうなあ。

まあ、野良犬と裕福な飼い犬は、どちらが幸せなのか?

考えさせられる。

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