【読書ノート】『法廷遊戯』
『法廷遊戯』
五十嵐律人著
ロースクールに通う、久我清義と織本美鈴は、大きな罪を犯していた。それは、罪であっても、裁判では裁かれることはない。
ある日、二人の過去を告発する差出人不明の手紙が届く。
そして、過去の冤罪事件が明るみに出る。
冤罪とは?
無実の人が冤罪を被せられることを指す。これは、法的なシステムにおいて不正確な判断や十分な証拠がない状況で起こる。無実の人が冤罪を受けることで、彼らの自由や評判が損なわれる。また、冤罪が社会全体に広まると、人々の信頼や信念にも影響を及ぼす。
無罪とは?
個人が法によって定められた犯罪行為を犯していないと認定される状態を指す。裁判所や法廷において、証拠や法律の適用に基づいて個人の罪を立証することができなかったことを示す。
結城馨の父親は警察官だったが、女子高生への痴漢と傷害の宣告を、受けて、自殺に追い込まれてしまった。結城馨は、父親が冤罪だったことを立証するために仕掛ける。
物語の主題は何か?
人間にとって正義とはぶれるものなのだと理解した。
久我清義と織本美鈴が犯した罪は、それぞれに愛する者を守るためのいわば、正当防衛とも考えられなくはないわけで、一方、結城馨は、父親の冤罪を覆すための戦いだった。
不完全な人間が下す裁判には、間違いがあるわけで、そんな中、生きて行くためには法律で理論武装する必要があるのか、考えさせられる。