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【読書記録】『緑色の獣』(『レキシントンの幽霊』より)
『緑色の獣』(『レキシントンの幽霊』より)
村上春樹著
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主人公の専業主婦が庭に植えた立派な椎の木のそばに緑色の獣が現れた。緑色の獣は主婦にプロポーズしに来たのだけど、主婦は緑色の獣を苦しめて、殺してしまう。
「緑色の獣」は、何を象徴しているのか?
聖書において、「緑色」は希望、再生、そして、豊かさを象徴すると言われている。また、緑は地球を表し、未来の多収穫の望みや誕生を意味し、自然の恩寵、慈愛、そして希望の象徴とも解釈できる。
次に、「獣」は悪や敵対する力、迫害を象徴して、特に反キリスト的な存在や邪悪な支配者を指されるのだけど、一方で、動物は神によって造られた貴重な生命として描かれており、神がそれらを良いと見なされたとも記されている。
その辺を踏まえて、物語の主題は何か考えてみる。
ひとは、生まれながら、罪人なのだという、原罪を思い起こさせられた。
ひとは、地球からの恵みに対して、環境破壊で、地球を滅ぼしつつあるということなのだろうと理解した。
英語圏だと「緑の目」という言葉に、嫉妬という意味が出てくるらしく、まったく別の解釈がされていたりする。
この物語は、色々な解釈がされていて、なかなか、面白いと思った。