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【読書記録】『余命10年』

『余命10年』
小坂流加著


著者の実話をベースにした物語。

20歳で難病を患って、余命10年と宣告される茉莉。人生を完全に諦めてふわふわ生きていたところに、小学生の頃の同級生・和人と再会して、恋愛する。そして、改めて、死ぬということを肌で感じながら、今、生きているということを実感する。

あまりにも、現実的で、泣ける。

著者自身、かなり、物語に近い人生を送って、その幕を閉じているわけだから、人間の懐の深さを感じた。

物語の主題は何か?

ひとの人生には必ず終わりがある。
わけで、終わりがあることを知りながら生きるのが、人生なのだと理解した。まあ、限られた時間の中であっても、喜びがあるということなのだろう。実際、ほとんどの人は、長めに言っても100年くらいで死んでしまうわけで、遅かれ早かれ、必ず死ぬ。

古代ローマのセネカの言葉:
「人生は芝居のごとし。どれほど長いかではなく、どれほど素晴らしく演じられたかが肝心なのだ。」という言葉を思い出した。

映画化もされている。プライムビデオにあったので、見てみた。原作とはだいぶ異なっていて、ある意味全く別の物語だった。映画の方が、より、著者の実話に近いらしいのだけど、綺麗にまとまった物語になっていた。生々しさは原作の方が強かったように思ったのだけどね。

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