【読書ノート】『茜空のリング』(『ギフト』より)
『茜空のリング』(『ギフト』より)
原田マハ著
「私」には、長年付き合っている彼氏がいる。なかなか、彼は、プロポーズをしてくれない。そんな時、彼の親友の間宮君から結婚式の招待を受けた。
キーワードを挙げてみる。
①茜空
1. 昼から夜への移行を示す。変化や過渡期の象徴を象徴する。この変化は人生のサイクルや、個人の成長、成熟を示唆する。
2. 夕焼けの美しさは一瞬のものであり、その儚さは人生の瞬間の価値を強調する。ひとの経験や感情もまた、一時的であり、常に変化していることを思い起こさせる。
3. 夕焼けが過ぎ去った後には新しい夜が訪れ、その後に朝が来ることを示す。このサイクルは、困難な状況が終わり、新しい可能性へと繋がる希望を象徴する。
②コスモス畑
1. 異なる個性や価値観が共存し、調和を成すことを示唆する。
2. コスモスは季節ごとに咲き、枯れることを繰り返す。この循環は、生命の無常や、誕生から死、再生に至るまでの自然のリズムを象徴する。
3. 人生における無限の可能性を象徴する。一つ一つの花が独自の美しさを持つように、私たちの人生もまた、無限の選択肢や方向性を持つことを示唆する。
③観覧車
1. 観覧車は、上昇と下降を繰り返す円形の構造。この動きは、人生のさまざまな段階や経験を象徴している。成功や喜びの瞬間(上昇)と、困難や悲しみの瞬間(下降)の両方が存在することを示唆しており、人生の浮き沈みを反映する。
2. 観覧車に乗ることで、高い位置からの景色を楽しむことができる。このことは、物事を異なる視点から見ることの重要性を示している。自分の立場や状況を超えて、広い視野を持つことで、より深い理解や洞察を得ることができることを示す。
3. 観覧車は、ゆっくりとした動きで時間を感じさせる。このことは、時間の流れや人生の儚さを象徴する。一つの周回を終えるごとに、過去の瞬間が消え、新しい瞬間が訪れることを思い起こさせる。
4. 観覧車は娯楽の象徴でもあり、楽しさと同時に高所に対する恐れを感じさせる存在。この二面性は、人生における喜びと不安、リスクと報酬の関係を示唆する。楽しむことと恐れることのバランスが、人生を豊かにする要素であることを示される。
物語の主題は何か?
人生あまり変化がないように感じる時期もあるのだけれど、俯瞰して見れば、大きな流れの中にあることがわかる。
パートナーを見つける時までの人生があり、パートナーと共に歩みを開始してからの人生。様々なステージを一歩ずつ進んでいくものなのだと理解した。
爽やかな良い物語でした。