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読書記録。

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2023年8月の記事一覧

香港 中国と向き合う自由都市(読書記録_07)

香港 中国と向き合う自由都市(読書記録_07)

こちらの本を読み終わりました。

香港中心部を市民が79日間にわたり占拠した「雨傘運動」が起きたのが2014年の秋。

その翌年に出版された本なので、まだ「雨傘運動」の記憶が新しい頃。

本書は、ノンポリ国際都市・香港が「中国化」に対して見せる猛反発の意味の解読、ひいては「香港とは何なのか」を分析したものです。

私は約二年香港に住んでいたのですが、「雨傘運動」の少し前でした。

街からは政治的な

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中国人のお金の使い道(読書記録_06)

中国人のお金の使い道(読書記録_06)

こちら読了。

さくさく読み終えました。

”豊かになった中国人”のお金の使い方の変容、つまるところ、価値観の変容を大づかみに知ることができます。

これも「積読」してしまっていたところ、なぜか中国滞在中だとさくさく読めます。当事者意識が違うのかな、、

収録されている個別のインタビュー事例が、どちらかというと富裕層寄りの人が多くて、印象としてはゆとりのある生活を送っている人が多いな・・と感じまし

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人新世の「資本論」、読み終わり。(読書記録_05)

人新世の「資本論」、読み終わり。(読書記録_05)

先日の記事では、第3章まで読んだところでした。
本日、最後まで読み終わりました。

感想としては、前回前半まで読んだあとのものとあまり変わらないのですが・・。

このような感想を持ちました。

個人的に刺さった部分を一箇所だけ引用すると、、

この部分。

経済成長という旗印のもと生きてきた我々。日本は先進国と(まだ)言える生活水準を保っていますが、たしかに、果たして「幸福の実感」を得ているかとい

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人新世の「資本論」、今さら読み。(読書記録_04)

人新世の「資本論」、今さら読み。(読書記録_04)

まだ途中、第三章を読み終わったところです。

話題になったのは結構前ですよね。

これも積読してしまっていました。

これから読む【第4章「人新世」のマルクス】がこの本のクライマックスなのかもしれませんが、第3章まででもけっこう考えさせられました。

短くまとめるのは難しいのですが、

・・浅くしか読めてないかもしれませんが、この辺りのことを、資本主義の成果や矛盾について、経済学者の主張や潮流をな

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積読とかB級とか。(読書記録_03)

積読とかB級とか。(読書記録_03)

積読してしまっていた本。

変化が早いと言われる中国に関する本で、4年前の本・・ということで「今更読んでもな・・」と積読してしまっていました。

しかし、中国に持ってきたらなぜかさくさくと読めます。

まあ、こちらに持ってきた本が少ないので「これを読むしかない。」という意識も強く働くのですが・・。

こちらの本、「中国のいま」を描き出す、という主旨で中国専門家5人による共同執筆で書かれています。

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「上海1930年」(読書記録_02)。と、上海路地裏写真。

「上海1930年」(読書記録_02)。と、上海路地裏写真。

先日買い込んだ中国関連新書のうち一冊を読み終わりました。

朝日新聞記者でジャーナリスト、共産主義者でソ連のスパイだった尾崎秀実の生と死を追跡してきた著者が描く、”魔都”上海を舞台に描いた青春群像。

著者があとがきに「虚構や類推ではなく、可能なかぎり、原資料にもとづき、マテリアルなものに語らせることで時代を再現したかった。」と狙いを書いたとおり、尾崎秀実や魯迅、ゾルゲ、その他多数の登場人物の言葉

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