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人新世の「資本論」、読み終わり。(読書記録_05)

先日の記事では、第3章まで読んだところでした。
本日、最後まで読み終わりました。

2020年9月発行
「2021 新書大賞 第1位」


感想としては、前回前半まで読んだあとのものとあまり変わらないのですが・・。

私ももっと見聞を広めて、「幸福とは何なのか?」、「幸福が実現する社会とはどんな社会なのか?」、考えたいな、と思っています。

このような感想を持ちました。


個人的に刺さった部分を一箇所だけ引用すると、、

▼経済成長と幸福度に相関関係は存在するのか
 もうひとつ重要なラワースの指摘は、あるレベルを超えると、経済成長と人々の生活の向上に明確な相関関係が見られなくなるという点だ。経済成長だけが社会の繁栄をもたらすという前提は、一定の経済水準を超えると、それほどはっきりとはしないのである。
 (中略)
 要するに、生産や分配をどのように組織し、社会的リソースをどのように配置するかで、社会の繁栄は大きく変わる。いくら経済成長しても、その成果を一部の人々が独占し、再分配を行わないなら、大勢の人々は潜在能力を実現できず、不幸になっていく。
 (中略)
 だから、公正な資源配分が、資本主義システムのもとで恒常的に達成できるのかどうかをもっと真剣に考えなくてはならない。

107-109p
(第三章 資本主義システムでの脱成長を撃つ)


この部分。

経済成長という旗印のもと生きてきた我々。日本は先進国と(まだ)言える生活水準を保っていますが、たしかに、果たして「幸福の実感」を得ているかというと怪しいわけで。

また、それなりの生活水準に達したら、それをキープするのが精一杯で、「これが人生さ。」という諦観があるのだけど、果たして人生の価値って?という疑問もあって。

しかも、我々日本人の大多数は世界の中では恵まれている方であり、本書で指摘されているグローバル・サウスの人々の犠牲の上に日々を送っている・・。


Amazonのレビューで、マルクス文献家がマルクスの残したメモを都合よく使って無理やり現代の問題に対する解決法のヒントにしている、という指摘を見かけたのですが、確かにそれはそうなのかもしれないのですが、広く世間に主張を伝えるために「マルクス」や「資本論」というワードをうまく利用しているのかな、とも思いました。

私のもった感想としては、資本主義の限界、環境の危機、そしてそれらに向かってバルセロナなどで具体的な動きがある(最終章のあたり)、といったところが、不勉強だったもので単純に勉強になりました。

バルセロナ、すごいな、、

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