シェア
よいのはる
2024年2月16日 20:32
短くも長い人生を歩んでいると、人との関わりの中で他者にこんな気持ちを抱くことがあります。自分とは全然ちがうタイプだけれど妙に惹かれる8割くらいは好きだけど、残りの2割はどうも受け入れられない嫌いじゃないけど、一緒にいてなぜかもやもやするそんな相手とは思いのほか仲良くなったり、対立したり、絶交してしまったりといろいろですが、こうした感情というのは、言い表すことが難しく、心にわだかまり
2024年1月15日 20:37
いろんな幸福を知ってるひとだ。石鹸、砂糖、カクテルの名前、りぼん、小さな鞄、お風呂、箒と塵取り、日がながくなること……。ありふれていてささやかだけど愛おしく、なぜか気になってしまうものやことについて書いたエッセイ集。この本で挙げられているものものは、ほんとうにとるにたらないのだけど、彼女の生活、知性、思い出、ユーモアが滲んだやさしい文章を通してそれらをみると、とたんに愛すべきものに感じら
2021年11月9日 22:15
本棚は思考の網目そのものである。本は開かずとも、そこにあるだけで人に影響を与えるものだ。だからこそ本棚は、全ての本の背が見えるように使わなければならない。本の背の前に本を積んだり、物を置いたりしてはいけない。今の自分の思考を作るもの、これから考えようとしていることを、つねに一覧で見られるようにしておくべきだ。そんな主張をどこかで読んだことがあった。その主張に、私はおおむね同意している
2021年1月27日 18:50
ひさびさに大きな本屋に立ち寄った。特に目的もなく行く本屋ほど、贅沢な場所はないなと思う。目当ての本があるわけでもないので、私は店内の隅から隅まで、たんぽぽの綿毛みたいに気まぐれにふよふよ歩いては、気になった書棚の前でぴたりと足を止める。どんどん本を手に取って開くわけでもなく、ただただ本の背を眺める。この時間が好き。本とは選ぶものではなく、出会うものだと思っていて。キザな言い方かも
2020年8月24日 21:26
三島由紀夫『命売ります』(1968年)いくつも読んできた三島由紀夫の作品の中でも、圧倒的な読みやすさとユーモアがつまったこの小説は、私の大好きな作品の一つ。なぜか暑くなると読みたくなり、毎夏のように再読しています。今回はこちらの作品のご紹介と、すこしばかり考察をしてみます。※ネタバレありますのでご注意ください。あらすじ広告会社でコピーライターとして働く27歳の山田羽仁男。あ