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【書評】三島由紀夫『仮面の告白』を読み、知らない世界へ没入体験する

ロッシーです。

三島由紀夫の『仮面の告白』を読みました。

三島由紀夫の著作において、本書はマストで読むべき作品になると思いますが、実は私はこれまで読んだことがなかったのです。

内容が同性愛的なものだということだったので、「まあ、自分が読んでもあまり共感できないだろうからいいや。」というのが理由でした。

でも、あの三島由紀夫の作品である以上、やっぱり読んどかないといかんだろう、というちょっとした義務感で読むことにしたわけです。

で、読んでみたところ・・・

いや~面白かったです!

私は同性愛者ではありませんので、同性愛者の方の気持ちというものは正直分かりません。

でも、本書を読むことで、「同性に惹かれる人の内面」というものを読書を通じて体験することができました。

もちろん、あくまでも三島由紀夫という一個人の書いた物語ですから、全ての同性愛者に適用できるものではありません。

しかし、それでもやはり、そういうものを経験することができるというのは非常に価値があると思います。

本書を読んでいて、

「ああ、同性愛者の人はこういう風に考えるのか。」
「こういうつらい思いがあるのか。」
「そういうところに目が行くのか。」

などなど、「ふむふむ」と興味深く読みました。

その結果として、前よりも同性愛者の方に対する偏見というものがより少なくなったように思います(もともとそれほどなかったとしても)。

読書の良いところというのは、自分自身では体験ができないものを、作品という媒体を通じて体験ができることにあると思います。

もちろん、それは本物の実体験とは異なります。あくまでも本の中での話ですからね。

でも、それでもやはり、三島由紀夫ほどの筆力があると、より本物に近いレベルでの体験ができるように思います。

要するに、読書がメタバースだとしたら、下手な物書きの作品だと解像度が低く没入できないのですが、三島由紀夫レベルになると、圧倒的な解像度の高さにより、構築された物語世界に没入できるということです。

やはり、食わず嫌いをせずに、色々な分野の読書を今後もしていきたいなと思いました。それにより、自分自身の世界がより広がっていくと思います。

ぜひまだ『仮面の告白』を読んでいない方は読んでみてください。

あなたが知らないあなたを見つけられるかもしれませんよ。


最後までお読みいただきありがとうございます。

Thank you for reading!


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