【書評】『同志少女よ敵を撃て』 我々読書家も狙撃兵である
ロッシーです。
本屋大賞を受賞した話題作『同志少女よ敵を撃て』を読みました。
話題作といっても、2021年に出版されたものなので、いまさら感がありますが・・・。
書評としては、「普通に面白かった!」です。以上。
「おいおい!それだけか~い!」
というツッコミが入りそうですね(笑)。
では、なぜ「めちゃくちゃ面白かった!」ではなく「普通に面白かった」なのかを以下説明します。
私が思うに、本の面白さを数式にすると、
「本の面白さ」=「読了後の満足感」ー「読書前の期待値」
になると考えています。
例えば、読書前の期待値が非常に低く30だったけれど、読んだら期待をはるかに超える内容で、読了後の満足感が500だとしたら、その差が本の面白さになるわけです。
今回、本書を読むにあたって「この本は面白い!」という前情報がありました。例えば以下のように。
「あらゆる期待値を超える」ですよ??
そこまで書かれたら、ピュアな私としてはものすごく期待するわけです。「これ絶対おもろいやつ~」という具合に(笑)。
当然ながら、私の読書前の期待値は、パンパンに肥大化してしまいました。
そして読み始めたところ、もちろんストーリ自体非常に面白いので、ほぼ一日で読んでしまいました。
それだけでなく、狙撃兵とはどういう風に訓練され、どういう思考回路をもっているのかなど、そういうレアな情報も得ることができましたし、スターリングラード攻防戦など、YouTubeで「独ソ戦」の歴史を解説した動画も見て勉強までしてしまいました。
そういう意味で、非常に満足度は高かったのです。
ただ、前述のとおり、「読了後の満足感」から差し引かれる「読書前の期待値」が大きかったため、結果として「本の面白さ」のポイント数がそれほど大きくならなかったというわけです。
やはり、他人の意見をあまり前情報として取り込みすぎないほうが良いのかもしれませんね。
ただ、そういった前情報がなければ、そもそも本書を読もうとは思わなかったのも事実。ということは、前情報は情報として認識しつつも、それを信じないという態度が求められるのかもしれません。
前情報に惑わされず、自分を過信せず、しっかりとターゲット(本)を選び抜き、明鏡止水の境地となって、本を読む。
あれ?これって狙撃兵に求められるマインドセットとほぼ同じですね(笑)。
面白い本を探し求める読書家は、ある意味狙撃兵なのでしょう。
これからも、面白い本を求める旅は続いていくのです。
最後に、本書を読もうと思っている人たちへ一言。
「めっちゃつまらないよ!」
「たいしたことないよ!」
期待値は上げず、本書と向き合ってください(笑)。
あ~、本書を読んだら映画『スターリングラード』を無性に観たくなりました。アマプラで観れるようなので早速観ます。
最後までお読みいただきありがとうございます。
Thank you for reading!