龍孫江(りゅうそんこう)

数学YouTuberこころえ.Twitterから軸足を移しています.数学をきっかけにいらっしゃった方はMathtodon https://mathtod.online/web/@ron1827 も是非ご覧ください.

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マガジン

  • 龍孫江の群論・環論道具箱

    龍孫江の群論道具箱・環論道具箱の記事を同時に読める合冊版です.それぞれ購読するよりはお得な価格設定となっております!龍孫江へのご支援を兼ねてご購読いただければ幸いです.

  • 龍孫江の環論道具箱

    環論の初歩について,基本事項をまとめます.環論を学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載せる予定です.

  • 龍孫江の群論道具箱

    群論の初歩について,基本事項をまとめます.群論について,学び始めた人,もう少し良く知りたい人におすすめです.月6回ほどの更新と,おまけテキストを載せる予定です.

  • 龍孫江の「畏れながら申し上げます」

    「口を開けば唇寒し、ただ皆様は温かし」 そんな気持ちで数学、または数学から学んだことについて語って参りたいと思います。お代はいりませんがお捻りは歓迎でございます。

  • 龍孫江の数学日誌 in note(令和3年8月分)

    令和3年8月分の記事をまとめました

最近の記事

  • 固定された記事

数学日誌別館テキスト版廃刊のお知らせ

日頃は『龍孫江の数学日誌』をご贔屓いただきまして有難うございます。 昨年5月の数学日誌別館(YouTube/note)開始以来、多くの方にご贔屓を賜り、おかげさまで YouTube チャンネルは1000人余の方にご登録いただくに至りました。 YouTubeチャンネルを運営する者としては、登録者1000人はひとつの、しかも重要な区切りです。おそらく多くのYouTuberがそう考えているのではないかと思います。というのも、YouTubeに投稿した動画に広告を載せて掲載料を頂け

    • 商とイデアル〈龍孫江の環論道具箱〉

       素元分解によって整除関係を顕わにし,商を記述することができました.これを発展させて,より一般に「商」に対応するものを作りましょう. https://youtu.be/rs0gRMUzoEk 再掲(UFDでの整除関係)UFD$${A}$$内で$${x = p_1^{a_1} \cdots p_s^{a_s}, y = p_1^{b_1} \cdots p_s^{b_s}}$$を考えるとき, $${x}$$は$${y}$$を整除する$${\iff}$$各$${t}$$に対

      • 偶置換・奇置換〈龍孫江の群論道具箱〉

         符号$${\operatorname{sgn} \sigma := (-1)^{\operatorname{inv} \sigma}}$$が準同型,すなわち $${\operatorname{sgn} (\sigma \tau) = \operatorname{sgn} \sigma \times \operatorname{sgn} \tau}$$ が成り立つことを見ました.その帰結として,次が挙げられます. https://youtu.be/u5Jhq2dUnlU

        • ゼータ関数の特殊値~超越数探求の最前線~

          指数関数$${e^x}$$や対数関数$${\log x}$$はたくさんの超越数を生み出すことがわかりました。そういう関数は、他にもあるのでしょうか? 『笑わない数学』第1巻「素数」で、素数の秘密を握る重要な関数としてリーマンのゼータ関数が登場しました。 $$ \zeta(s) = \frac{2^s}{2^s-1} \times \frac{3^s}{3^s-1} \times \frac{5^s}{5^s-1} \times \frac{7^s}{7^s-1} \tim

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        • 龍孫江の群論・環論道具箱
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        • 龍孫江の「畏れながら申し上げます」
          54本
        • 龍孫江の数学日誌 in note(令和3年8月分)
          10本
          ¥1,000
        • 『龍孫江の数学日誌』in note
          621本

        記事

          GCDとLCM〈龍孫江の環論道具箱〉

           素元分解を用いて,整域におけるいろいろな性質を書き直そうと試みています.前回は整除関係を捉え直しましたが,今回は最大公約数・最小公倍数を拡張します. https://youtu.be/zupDQqtk_ZY 整除関係が導く前順序 整域$${A}$$において,$${A \setminus 0}$$の関係$${\le}$$を $${x \le y \iff A}$$内で$${x}$$は$${y}$$を整除する と定めると前順序,すなわち反射律と推移律をみたすことがわか

          GCDとLCM〈龍孫江の環論道具箱〉

          符号と演算〈龍孫江の群論道具箱〉

           置換$${\sigma}$$の符号$${\operatorname{sgn} \sigma}$$を,転倒数を用いて$${\operatorname{sgn} \sigma = (-1)^{\operatorname{inv} \sigma} }$$と定義しました.今回は,符号が準同型と整合することを紹介します. https://youtu.be/FRAPW0X7t_w 多項式環への作用 複素数$${\mathbb{C}}$$に係数を持つ多項式環(多項式全体の集合)$$

          符号と演算〈龍孫江の群論道具箱〉

          素元分解と整除関係〈龍孫江の環論道具箱〉

           一意分解整域(UFD)の概念を導入し,整域がUFDとなる条件を考えてきました.一方,素元分解を利用してさまざまな条件を記述することも考えられます. https://youtu.be/dWCzJirUATY 定義(素因子)$${A}$$をUFDとする.$${x \in A \setminus 0}$$に対し,$${(x)}$$を包む単項素イデアル$${(p)}$$を$${x}$$の素因子という.また$${x}$$の素因子全体を $${\operatorname{Ass}

          素元分解と整除関係〈龍孫江の環論道具箱〉

          置換の符号〈龍孫江の群論道具箱〉

           転倒数を導入し,その性質を活用して置換を隣接互換の積に分解する方法を与えました.かように転倒数というのは興味深いものなのですが,少し細かすぎるきらいもあるのです. https://youtu.be/7mQpU5aDGGQ 補題(互換の転倒数)互換の転倒数は奇数である.□

          置換の符号〈龍孫江の群論道具箱〉

          ネーター環の特徴づけ〈龍孫江の環論道具箱〉

           ネーター環(昇鎖律および極大条件をみたす可換環)を導入し,PIDがネーター環であることを示しました.今回は,ネーター環のもうひとつの定義と呼べる性質を紹介します. https://youtu.be/bdJQTeodeeU 定理(ネーター環の特徴づけ)環$${A}$$に対し,以下の条件は同値である. (1) $${A}$$はネーター環である. (2) $${A}$$のあらゆるイデアルは有限生成である,すなわち任意の$${A}$$のイデアル$${I}$$に対して有限個の要素

          ネーター環の特徴づけ〈龍孫江の環論道具箱〉

          置換の最短表示〈龍孫江の群論道具箱〉

           転倒数を導入してその性質を観察し,置換のあみだくじ表現について整理する準備が整いました. https://youtu.be/Pqtylc8Lh3k 定理(隣接互換との積の転倒数)置換$${\sigma}$$の転倒対の全体を$${T_\sigma}$$で表す.隣接互換$${\tau = (p~p+1)}$$に対し $${\operatorname{inv} (\sigma \tau) = \begin{cases} \operatorname{inv} \sigma +

          置換の最短表示〈龍孫江の群論道具箱〉

          PIDのネーター性〈龍孫江の環論道具箱〉

           ネーター環の概念を導入し,PIDがUFDである証明の準備が整いました.PIDで「既約元は素元である」は既に示しました.残る課題は「単項イデアルに関する極大条件」でしたが,これはネーター性から自然に導かれます. https://youtu.be/MKNghWqw9N0 定理(PIDのネーター性)PIDはネーター環である.□

          PIDのネーター性〈龍孫江の環論道具箱〉

          転倒数の範囲〈龍孫江の群論道具箱〉

           置換を平面的なあみだくじで表示,すなわち隣接互換の積に分解するとき,いくつ隣接互換があれば足りるかが問題でした.ひとつの候補として「転倒数」を導入し,今回と次回でこれが求める値であることを示します. https://youtu.be/kc3yI2PJVoM 定理(転倒数の範囲)$${\sigma \in \mathfrak{S}_n}$$に対し,$${0 \le \operatorname{inv} \sigma \le \frac{1}{2} n (n-1)}$$.ま

          転倒数の範囲〈龍孫江の群論道具箱〉

          ネーター環とアルティン環〈龍孫江の環論道具箱〉

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          ネーター環とアルティン環〈龍孫江の環論道具箱〉

          転倒数〈龍孫江の群論道具箱〉

           あみだくじを利用して置換を表現し,その表現にどのくらい橋が必要かはそれなりにまとまりました.今回からは,さらに「平面的なあみだくじ=隣接互換の積による表現」ではどうなるかを見ていきましょう. https://youtu.be/mtv5LUgbqMs 今回からの課題 与えられた置換を隣接互換の積に分解するとき,必要は隣接互換の数はいくつか? 言い換えれば,平面的なあみだくじによって置換を表現するとき,必要な橋の数はいくつか?

          転倒数〈龍孫江の群論道具箱〉

          昇鎖律と極大条件〈龍孫江の環論道具箱〉

           整域がUFDとなる条件を与え,体上の1変数多項式環がUFDであることを示しました.多項式環の場合の証明を眺めると,UFDとなる条件の1つ「既約元は素元である」はPIDでも成り立ちそうですが,もう1つの「単項イデアルに関する極大条件」は俄かに見えません. https://youtu.be/1YcVSL0D3ws 定理(昇鎖律と極大条件)環$${A}$$に対し,以下は同値である: (1) いかなる$${A}$$のイデアルの昇鎖$${I_1 \subseteq I_2 \su

          昇鎖律と極大条件〈龍孫江の環論道具箱〉

          分解に必要な互換の数〈龍孫江の群論道具箱〉

           あらゆる置換が互換の積として表せる事実を示し,そのような分解はあみだくじ表現に対応していることを紹介しました.それならば,最もスマートなあみだくじ表現はどんなものか?という疑問もわいてきます. https://youtu.be/A_uENqcUBxU 定理(分解に必要な互換の数)$${n}$$次巡回置換$${\sigma}$$を互換の積に分解するとき,少なくとも$${n-1}$$個の互換が必要である.□

          分解に必要な互換の数〈龍孫江の群論道具箱〉