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2023年3月13日 17:04
靴下に 縫われた鳥がうれしい平日の朝
2023年3月14日 08:58
昨夜 雨が降った今朝の 眩しい 庭の葉を陽に透かし肌色のハサミでスック スックと切り取っていく世界はこんなにも美しい と知らせるために葉は 手元から零れながら還っていく光の中へ還っていく澄んだ空気に輝きながら還っていく
2023年3月15日 00:15
若い君の涙が瞳に溜まった涙がこの夜をこらえて明日明日の朝陽に溢れればひとつのつややなレモンとなってまばゆく光るのだろう
2023年3月16日 10:43
ぺりり剥がれた地球ぴゅるる風が注がれてひらりモンシロチョウ飛んでいった
2023年3月17日 18:57
京都ステイションの美しい夕暮れに浮かべる金曜の心
2023年3月18日 10:13
アスファルトの傷口に咲いたささやかな花がまるで異国のさみしい歌だった私の及ばぬ時代と場所で流れたにがい潮だったひっこ抜くなそれはまぎれもなく母のくらしに芽吹いた花かもしらず踏みにじるなそれはまぎれもなく私の未来にひらく花かもしらず
2023年3月20日 09:04
一人でいると言葉が 寄ってくる闇が 寄ってくる私はいつも居心地のいい椅子にもたれながらしおからい夜の海でさみしさをいじくっている
2023年3月24日 00:13
いつかわかるでしょうかかつてわたしがあんなにも単純に青一色で描いていた空はまたたくまに汚れていったいつかわかるでしょうかいま わたしたちは不気味な静寂を航る重い曇天それすら泣かせまいでどうにか錨を下ろそうとさああなたの目には光が乱反射しているあなたの中で生まれた光が心身を泳いで今外へ出てゆこうとしている批判されても無視されても光は光闇を切り裂いていく
2023年3月29日 17:40
祖母のひろった河原の石が祖母のむくちな感性を かたる
2023年3月30日 14:33
机の上にひっくりかえりすべるようにもがく 蚊線香に当たった か自然の摂理 か胸から空へ 向けられたろっぽんの黒糸は世界を か 細く呪っているの か
2023年4月3日 22:25
こんな日はトビウオになってうみの あお もそらの あお も知りたい
2023年4月4日 23:19
笑った記憶を刻んでる脳みそよりもおぼえてる
2023年4月26日 19:31
ご機嫌な川っぷち青む草草人は嬉しげねこはふくらむ
2023年5月7日 10:32
ちょっとした野望とだいそれた空想をなみなみ注ぐチープ・ピンクのプラコップそんな休日をおくる