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【サポート事例】取引先管理は領域分類で効率化する❕

 今回は与信管理のプロとして様々な企業様のサポートをしてきた私たちが、効果的、かつ、効率的に与信管理業務を遂行するための具体的な手法について、実際のサポート事例を挙げながらお話ししたいと思います。

今回は数多く抱えるお取引先を客観的に色分けし、管理レベルに濃淡をつけることで効果的、かつ、効率的に管理するための選別作業「ポートフォリオ分析」について案内します。

こんにちは、佐々木正人です
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
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(1)  ポートフォリオとは?

そもそもPortfolio(ポートフォリオ)とは、日本語に直訳すると、書類入れ、書類カバン、および、そのような書類入れに収納された書類のことを指します。また、金融用語としては、有価証券をはじめとする諸々の金融資産の全容を指す語として用いられます。

参照:Weblio辞書

つまり「書類を運ぶためのケース」のことを表し、個々の書類を別々に扱うのではなく、書類全体をひとつの物として扱うという意味を持っています。

一見、バインダーやファイルと似たようなニュアンスに聞こえますが、これらは正確に言うと「書類を糸などで綴じる」という意味を持つことから、ポートフォリオとは若干の違いがあります。

ポートフォリオの本来の意味は、そのファイルにきれいに綴じられる前段階の紙書類をひとまとめにして、運びながら出し入れできるケース、といったイメージです。

「書類を綴じない=内容物をひとまとめにしながらも、部分的に差し替えることを前提にしている」という点が注目ポイントです。

つまり、ポートフォリオは、完成品をひとつだけ作るのではなく、提示する相手と状況に応じて内容を差し替えていく、という意味合いがそもそもの根本にあるのです。

ポートフォリオとは元々「書類を運ぶためのケース」であることから、「ひとかたまりの意味・目的を持った書類の束」というニュアンスがあります。

金融用語としてのポートフォリオは、現金、預金、株式、債券、不動産など、投資家が保有している金融商品の一覧や、その組み合わせの内容(株式の銘柄などまで具体的に)を指しています。

投資家はリスク管理のために自らの資産を複数の金融商品として分散することがあります。このリスク管理については、投資家もみずからの資産をさまざまな種類の金融商品に分けて投資することで、リスクヘッジを図っているのです。

この投資を分散させること、またはその分散の組み合わせのことを、金融・投資分野ではポートフォリオと呼んでいます。

このポートフォリオを見れば、投資家がどのような金融商品をどれだけ保有しているかがわかるだけではなく、保有資産の分散の仕方からリスクに対してどのようなヘッジ(分散による備え)をしているのかが見て取れます。

特定の金融商品だけに偏った資産配分をすると、予測外の大きな市場変動があった場合、資産のほとんどを失ってしまうリスクがあります。それを避けるため、「さまざまな金融商品にバランス良く資産を配分しておいたほうがいい」というのがポートフォリオの考え方であり、最もリターンが大きくリスクが小さい最適な組み合わせを探る「ポートフォリオ理論」が研究されているのです。

お取引先との与信リスクについても同じことが言えて、偏ったお取引をしていると予想外の変動(例えばお取引先の倒産など)によって、自社の屋台骨を揺るがしかねない事態に陥ってしまう可能性があります。

そうならないために、
全体把握をしてリスク分散とバランスを認識することが重要です。

(2)  企業のお悩みを解決するポートフォリオ分析サービス

与信管理のご担当者様とお話をしていると様々なお悩みが聞かれます。例えば以下のようなことです。

①     取引先の件数が多く全体像が把握出来ていない

効率的・効果的な与信管理を行うためには、1社1社の判断のみならず取引先の全体像を把握したうえで、最適な管理手法を採る必要があります。

しかし自社のみでその全てを行うと、客観性に欠け、また、作業量も膨大なものになるのではないでしょうか?

②     定期的に取引条件の見直しができていない

取引先の信用力は変化するものであり、自社の状況も同様です。
与信限度額等もそれらに併せて変更する必要があります。しかし、取引社数が一定量を超えると自社でその全てを行うのは容易ではありません。

③     与信管理ルールが実態に合っていない

他社で成功している与信管理ルールを転用しても自社の実態に合っていなくては運用することは困難です。

また、実際に運用できる与信管理ルールを構築するためには、まず取引先全体の分析を実施することが必要です。
現状把握なくして構築したルールは実態に合わないのではないでしょうか?

④     取引先のデータが整備されていない

取引先のデータ整備は与信管理に不可欠であり、データをうまく活用することで与信管理が経営戦略(営業戦略)と一体になります。しかし、取引先のデータ収集からメンテナンスまで全てを行うのは意外と手間が掛かります。

💡ポートフォリオ分析サービスでは………
お預かりしたお取引先リストに基づいてポートフォリオ分析を行い
与信リスクを定量化して、リスクの所在を明確にします。

取引先を取引額(与信額)と格付の分布表にプロットすることによって、リスクの所在が可視化され、今後攻めるべき先と守るべき先が明確になります。

また、与信管理ルールは実態に合っていないと守られるものではありません。ポートフォリオサービスの活用により取引先の全体分析に基づき実態に即した与信管理ルールが構築できます。

(3)  サポート事例(某機械製造販売企業様の話)

私はこれまで多くの企業様の与信管理をサポートしてきましたが、そのなかの1つ、某機械製造販売業の企業様を例にお話ししたいと思います。

この企業様はもともと一つの事業で長年ご商売をされてきましたが、そこから派生する事業へと多角化を行い、急拡大を図っていました。
一方で、これまでと異なる事業展開から、お取引先の件数だけでなく業種も他業種に広がり限られた人材の中で与信管理業務が煩雑になりご苦労されていました。

そこで、ポートフォリオ分析サービスをご紹介し、まずは全体像の把握をすることから始めました。

大切なことは、お取引先をすべて同じ労力をかけて管理することはかえって非効率なので、お取引先全体のリスク構成を把握することから始めます。
信用度の高い先がどのくらいあって、逆に低い先がどのくらいあるのか?
取引先数のバランスと取引量のバランスも重要になります。

表1 取引先のリスク構成

引用:リスクモンスター(株)ポートフォリオ分析サンプル資料より

次に、縦軸に「信用度」、横軸に「与信限度額(設定がなければ債権残高)」とする表から管理領域を5つのカテゴリーに分け、重点管理が必要な領域を決めます。

図1ルール策定の考え方

引用:リスクモンスター(株)ポートフォリオ分析サンプル資料より

最後に、個々のお取引先をそれぞれの信用度と与信限度額(設定がなければ債権残高)に応じてプロットしていきます。

図2 取引先の格付分布

引用:リスクモンスター(株)ポートフォリオ分析サンプル資料より

これにより、数多くある御取引先のなかでどこを重点的に管理するか、逆にもっと積極的に営業をかけられえる先はどこなのかが見えてきます。

また、提出されたリストに格付や推奨の与信限度額以外に、ユニークコードや正式商号・本社所在地データ等を付けてご提供しますので、取引先データの整備まで行うことが可能です。

あとはそれぞれのカテゴリーごとに実施する管理手法を決めて、実行することで効果的、かつ、効率的に限られた人材でも与信管理業務をスムーズに運用することが可能になります。

こちらの企業様は、その後も順調に業績拡大しお取引先も当時の3倍ほどの件数となっていますが、今も少数精鋭の限られた人材でスムーズに与信管理業務を回せるようになっているということで大変喜んでいただいております。

(4)  まとめ

「与信管理」と一言で言っても、そこにかかわる業務は多岐にわたっており、情報収集からその分析、また有事における債権保全など1社に対しても行う業務は結構なボリュームです。

これがお取引先の件数が多くなればそれだけ業務量が膨大になりますのですべてに同じ力を注ぐことは物理的にも困難です。そこで、まずは全体把握をし、管理レベルを色分けすることで効果的、かつ、効率的な与信管理業務の実現につながります。

そして、この全体把握は1度きりではいけません。お取引先企業も生き物です。日々刻々と状況は変化していきます。

われわれ人間が毎年健康診断をするのと同じように、お取引先についても年に1度は全体把握という健康診断を行い、そこで浮き彫りとなった悪くなった箇所を改善・治療し、逆に良いところは維持・向上できるように努めていくこと、これが与信管理を進めるうえで重要なことです。

本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみに!では!

ポートフォリオサービスを検討する

取引先の全体分析や条件の見直しを自社のみで行うには作業量が膨大になります。ポートフォリオサービスなら取引先の全体分析や条件の見直しが低コスト、短期間で可能です。

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