半導体不足による影響を考える
今回は、2020年の新型コロナウイルスの流行とともによく耳をするようになった半導体不足について取り上げていきます。半導体を実生活で見ることは少ないですが、現在の生活には欠かせないものです。
そんな半導体がなぜ不足しているのか、またどのような影響があるのかを話していきます。
こんにちは、佐々木正人です!
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1.半導体って何につかうの?
皆さん、半導体が何かご存じでしょうか?
半導体とはマイクロチップとも呼ばれ、電子機器の頭脳として機能しているものです。いわゆる上の画像のものが半導体です。
半導体とは、電気を通す「導体」と電気を通さない「絶縁体」の中間の性質をもつものです。電気抵抗が「導体」と「絶縁体」の中間に位置する性質を持ちます。
半導体の機能としては以下2つがあります。
①CPUやメモリーに代表される「演算」や「記憶」
②パワーデバイスに代表される「制御」と「変換」
①と②の機能をもつ半導体は汎用性が広く、現在ほとんどの電子機器に搭載されています。例えば、パソコンのCPUは演算を、メモリーは記憶を、エアコンの温度センサーは制御などを担います。代表的なものは以下になります。
■日常生活で半導体が利用されているもの
①太陽電池
②3Dプリンター
③エアコンの温度センサー
④炊飯器での温度の制御
⑤自動運転
※他にも銀行のATMや鉄道、インターネットなどでも利用され、社会インフラに欠かせない機器の1つとなっております。
出典:識学総研 半導体不足はなぜ起きた?影響や原因、いつ解消するかについて 業界動向サーチ 半導体業界
2.半導体の現状
半導体がどのようなものかは理解頂けたと思います。それでは、次に半導体の現状について説明していきます。
半導体はその汎用性の高さから新型コロナウイルスの流行以前に需要が供給を上回るような状況が続いておりました。
そして新型コロナウイルスの流行後は、テレワークの普及に伴うオンライン商品の増加やコンピューターなどの通信機器の需要増加により半導体不足が深刻化しました。半導体の需要が増加しているのは以下グラフでも確認できます。
上記グラフは半導体製造装置の販売額の推移をあらわしたものです。ウェーハプロセス用処理装置とは、半導体製造の前工程における要の装置で、露光や描画、レジスト、エッジング、洗浄、熱処理などの加工処理を施します。
また、世界でも半導体需要は以下グラフのように高まっております。
上記グラフより、2020年の世界の半導体市場は前年比6.8%増の4,404億ドルです。
市場拡大は今後も続く見込みで、2021年は同19.7%増の5,272億ドル、2022年は同8.8%の5,734億ドルと、過去最高の水準まで市場規模が拡大する見通しとなっており世界中で半導体の需要の高まりが分かります。
出典:半導体の現状
3.半導体不足の原因
さて、ここまで半導体の現状について記載しましたがここから半導体不足の原因について述べていきます。半導体不足がここまで深刻化したのは新型コロナウイルスの影響に伴う通信機器の需要増加だけではありません。
理由は以下3つがあげられます。
①新たな半導体需要の発生
②対中制裁
③増産投資の不足
それでは、それぞれ詳しく見ていきましょう
①新たな半導体需要の発生
新型コロナウイルスの流行に伴い、世界が封鎖され、多くの工場が閉鎖されたにも関わらずテレワークの普及により通信機器の需要が高まり、需要が供給を大きく上回ったことが原因です。
②対中制裁
米国がトランプ政権時代に行った対中制裁といわれる政策のことです。
主に以下2つです。
1つ目は中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)に対し、米国の技術で作られた半導体の購入を禁じたことです。
2つ目は中国の半導体受託生産最大手、中芯国際集成電路製造(SMIC)による米国の半導体製造技術の利用を一部禁止したことです。
出典:対中制裁とは
この2つの施策が中国企業の半導体製造に大きな影響も及ぼしております。
実は半導体の87%は台湾、韓国、中国で生産され、世界のチップの54%は台湾セミコンダクター・マニュファクチャリング(TSMC)社で製造されております。
出典:半導体の世界シェア
余談ではありますが、中国での生産が見込めないためTSMCに注文が殺到しており2021年度は台湾での半導体生産額が過去最高となる前年比25.9%増の約4兆1000億台湾ドル(約17兆円)に達する見通しが報道されております。
出典:台湾での半導体生産額
また、昨年熊本に工場を建設発表がなされるなど台湾に注目が集まっております。
出典:半導体工場建設について
③増産投資の不足
新型コロナウイルスが流行当時に多くの企業が経済の長期的な打撃を想定して半導体チップの発注をキャンセルしたことが原因です。特に自動車メーカーが注文をキャンセルした為、メーカーは自動車用ではなく民生用の半導体チップを作るように変更していました。
しかし自動車メーカーの予想を裏切り、新車販売にも影響を及ぼすほど自動車用の半導体が不足する事態となってしまいました。
また、不幸な天候も影響しアメリカでは冬の嵐の影響でチップ工場が生産停止となり、台湾では深刻な干ばつの影響で生産に必要な水が不足するなど影響を与えています。
※民生用:映像・音響・通信などの電子機器や装置などにおいて、一般消費者による使用・一般家庭での使用を目的
このように①~③の影響によって世界中で半導体不足が叫ばれるようになりました。次は、半導体不足の影響を大きく受ける業界を見ていきます。
出典:半導体不足の原因
<半導体不足の影響を大きく受ける業界>
ここまで半導体不足の原因等について記載しましたが、次は半導体不足の影響を大きく受ける業界について説明していきます。
大きく影響を受ける業界は自動車業界です。
■自動車業界
先程記載した半導体不足の原因の③にあるように自動車用の半導体不足により米国では2022年度の自動車販売台数は少なくとも150万台から500万台は減少すると言われています。米国自動車メーカー大手のフォードやゼネラルモーターズは既に生産を制限するなどの対応を取っております。
また、自動車メーカーがこれほど影響を受けるのはその部品調達契約あるといわれております。他産業では長期の拘束力のある契約(いわゆるテイク・オア・ペイ契約)が多く、半導体納品業者には6ヶ月から12ヶ月をはるかに超える契約が出されます。
しかし、自動車産業の構造は複雑でアウトソースが多いため、長期契約ではなく数週間や数カ月程度の短いサイクルでの契約が一般的です。いわゆる在庫を極力少なくするジャストインタイム生産方式に沿った契約ですが、不足の事態には弱く影響がここまで広がった原因の一つです。
世界中に広がっている半導体不足の影響ですが、これはいつまで続くのでしょうか?最後に、半導体不足の今後について記載していきます。
4.半導体不足の今後について
半導体チップは2021年の第3四半期か第4四半期には緩和され始めるとの見方が強いですが、結果的にチップがサプライチェーンを経て製品になるまでには2022年の大半を要する可能性があります。
また、今後の需要増加を見込んで「ビッグ3」と呼ばれるチップメーカー(TSMC、サムスン、インテル)は、総額1,500億ドル近い大規模な設備投資計画を発表する等、2022年度以降は少しずつ緩和されるとの見方が大多数を占めております。
5.まとめ
これまで、半導体不足について記載してきましたがいかがでしょうか?
普段ニュースで見ることはあっても半導体不足の原因や構造問題など深く知る機会は少ないと思います。自動車業界の方はもちろんのこと、間接的に影響が出ている業界は多いと思いますので今後の取引を行う際に少し気にされてみてはいかがでしょうか?
今後もどんどん発信していきます。
本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみに!では!
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