見出し画像

企業の借金推移について~与信管理の見るべきポイントとは?~

 企業の倒産件数はコロナ禍で減少しています。
しかしながら、商談などで与信管理の担当者の方に聞いてみると、貸倒を懸念している企業は、むしろ増えているように思います。その理由の一つは企業の経営状況、特に借金(借入金)が増加しているところにあるでしょう。

本日は、その借入金の推移についてお話ししていきます。与信管理上、重要なポイントになりますので、一緒に学んでいきましょう!

こんにちは、佐々木正人です
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
フォロー✅・スキ💗・コメント📝大歓迎です!特に記事についてのコメント頂けると、今後の記事作成の励みになります。100%返答します( ´艸`)

画像7

あの山口周氏の講演がオンラインで無料開催!

バナー画像(登壇者写真あり)

他にも「与信DX」「経理DX」「営業DX」「人材DX」「反社DX」各分野の専門家が『ビジネスの未来』についてお届けします。
よく耳にする「DX」とは何なのか?なぜ「今」必要とされているのか?
そのギモンはDXフォーラムでお答えします。

画像8

1.借入金とは?

ご存じの方も多いかと思いますが、まずは「借入金」について概要をお話しします。

借入金とは「企業が設備資金や資金繰りなどのために金融機関や取引先から借り入れた資金で、返済義務を負った資金の調達方法」のことです。

借入金、すなわち借金をするとなると、良くないことに思われがちですが、事業を拡大・継続していく上では必要なことでもあります。無借金経営の企業も存在しますが、多くの企業は「借入金」を活用しています。

また、借入金は返済期限により「短期借入金」と「長期借入金」に分類されます。
短期借入金:1年以内に返済が必要な借入金
長期借入金:1年以上の期限で返済が必要な借入金

参考:借入DX 借入金とは?わかりやすく意味を解説

多くの企業が金融機関から資金調達(借入)して、事業活動を行っているわけですが、いずれは返済しないといけないということは忘れてはいけませんよね。

(利息の有無にかかわらず)お金を借りたら、返さなければいけない、これは知人同士であっても企業間であっても変わりません。

2.借入金の推移

では、この借入金は、どのように推移しているでしょうか?
9月の日経新聞では、「企業借金、21年ぶり高水準 4~6月、総額477兆円に コロナで飲食関連膨らむ」という見出しの記事で報道されました。

端的に言えば、全体的にみて急激に増加しているのです。

画像2

出典:日経新聞 2021年9月2日 朝刊

借入金(長期、短期いずれも含む)は前年同期比4.9%増、コロナ前の2019年4~6月期と比較すると15.2%増加しています。特に新型コロナウイルスの影響を大きく受けている飲食業界では2年前より1.8倍にも増えているようです。

東京商工リサーチ社によると、2021年3月期の企業決算では、4割の企業で前期より借入金が増えています。2021年3月期の決算といえば、新型コロナウイルスの影響が、もろに反映されていますよね。

画像3

出典:東京商工リサーチ コロナ禍の借入金、月商の1ヵ月分が増加

特に中小企業での借入金増加が顕著だったようです。(大企業は31.7%が増加したのに対して、中小企業では、45.4%の増加

業界別では、建設業が最大で48.9%です。次いで運輸業46.5%、製造業46.1%と約半数の企業の借入金が増加しました。

コロナ禍で企業の倒産件数は低水準であるものの、このように企業の借入金は増加傾向にあるのが実情です。

3. 借金王ランキング

繰り返しになりますが、借入金、すなわち借金をすることは、必ずしも悪いこととはいえません。事業を拡大・継続していくために必要なことでもあります。

ここでは、リスクモンスター社が調査した「借金王ランキング」を見ていきましょう!2021年9月発表されたものですが、以下トップ10となります。

画像4

出典:リスクモンスター 第1回「借金王ランキング」調査

実際には、100位まで発表されておりますので、是非リンクからご覧ください!皆さんの取引先も挙がっているかもしれませんよ。

上位には、日本を代表する大企業ばかりですよね。
借入金の金額を大きいからといって、これらの企業が即座に倒産するとは考えにくいと思います。それは、資産もありますし、何より稼ぐ力があるからです。

では、どのような状態が危険な兆候といえるのでしょうか?
最後に与信管理で見るべきポイントについてお話します!

4.与信管理の見るべきポイントとは?

画像 (2)1

借入金について見るべきポイントについて以下2つについてお話します。

(1) 返済はいつ行われるのか?
(2) 適正な借入金の額か?

(1) 返済はいつ行われるのか?
借りたお金はいずれ返さなければいけません。そのため、その返済期限というのは重要になってきます。

借入金には、短期借入金と長期借入金があります。1年以内に返済が必要な短期借入金が大きいようであれば、猶予期間が短く、その分、経営が安定しているとはいえません。

倒産件数を抑制しているコロナ化での実質無利子・無担保融資は最長5年間の返済期間が設けられておりますが、取引先の借入金、返済期日がいつなのか?しっかりと返済する余力があるかは見るべきポイントかと思います。

期日までに返済できないとなると、当然、倒産という結果になります。業績回復など時間との勝負が迫られる場面もありますので、しっかりと確認しておきましょう!

画像6

(2) 適正な借入金の額か?
借金王ランキングでお話したように、単純に借入金の額が大きいだけでは、経営の安全性の判断はできません。

現預金回転期間、自己資本比率など、その他財務分析と合わせて確認することが重要です。

借入金に関わるところの財務分析では以下のようなものが例として挙げられます。(他にもありますが、代表的なものを挙げております)

・借入依存度
会社の総資産のうち、借入金がどの程度の割合あるかを示す指標
総借入(長期借入金+短期借入金+割引手形残高+社債)÷総資産×100
→依存度が低いほど、経営が安定しているといえます。

・借入月商比
借入金の総額が売上の何ヶ月分に相当するかを示す指標
総借入(短期借入金+長期借入金+割引手形+社債)÷月商
→比率が低いほど、経営が安定しているといえます。

もちろん業界によっても傾向が違うため、これらの財務分析を行った後、業界標準値や倒産企業の平均値と比較するのも重要です。

業界標準値や倒産企業の平均値はこちらをご覧ください。借入金額が適正か?という観点でみるのも一つのポイントです。

最後に、、、

コロナ禍で景気は悪化すると当初言われてましたが、実際には倒産件数が減少してます。むしろコロナ前と比較して低水準ということで意外に思われた方もいらっしゃるでしょう。

コロナ禍における融資が影響したと思われますが、しかしながら、本日お話したように企業の借入金は急激に増加しており、決して企業間の取引におけるリスクが低減されたかというとそうではありません。

緊急事態宣言が解除され、経済活動が再開されつつありますが、返済は時間との勝負でもあるのです。しっかりと現状を把握して、与信管理に取り組むことができるよう、引き続きお役立てできる情報を発信していきます。

本日の内容は以上となります!
次回もお楽しみに!では、また!

➰こちらの記事もおすすめです❕

➰Twitterでも繋がりましょう❕

#とは
#最近の学び
#note
#ビジネス
#コラム
#エッセイ
#ブログ
#仕事
#学び
#営業
#経営
#しゃかせん
#とらねこ
#借入金
#返済
#倒産


いいなと思ったら応援しよう!

この記事が参加している募集