本日は、建設業についてお話をしてみたいと思います。
建設業は産業分類としては、「総合工事業」、部分的な工事を行う「職別工事業」、設備工事を行う「設備工事業」に大別されます。今回その中でも元請となるケースの多い「総合工事業」にフォーカスします。
日頃は、建設業に馴染みの少ない方も、これを機会に建設業について知識を高めていただければうれしいです。
こんにちは、佐々木正人です!
是非、最後まで読んで持って帰って下さい!!
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(1) 建設業のビジネスモデル
総合工事業者は、元請けとして工事を受注し、材料・機械等を調達しつつ、専門工事業者(職別工事業 者・設備工事業者)と請負契約を結び、施工の指揮・監督を行います。
現場では、下請け、孫請けの専門工事業者が技能労働者・労務作業員を雇用し、作業を行うという重層構造となっています。
以前は、元請業者が工事に全く関与しないで工事を100%下請業者に投げてしまう「丸投げ」が横行していましたが、今は法律で禁止となっています。
(2) 市場規模と業界動向
リーマンショック後の景気悪化により建設投資は急減し、2010年にはピーク時の 84兆円(1992年)に比 べ、50%程度の水準まで減少しました。
2012年末からのアベノミクスによる公共事業の投資需要や 2020年の東京オリンピックに向けた施設建設や老朽インフラの更新需要などの好材料が続き、回復傾向で推移しています。
しかし、これらの需要はピークを過ぎ、先行きへの不透明感は強いです。オリンピックや震災の復興特需が重なったことで、深刻な人手不足となっており、技能労働者不足率は増加傾向で推移しています。
2021年度の建設投資の見通しは約62兆円です。日本のGDPは約500兆円ですので、GDPの約10%が建設費投資ということになります。また、日本の全産業の市場規模は約1,000兆円ですので、全産業における売上割合は約5%となります。
GDPにおける建設業の構成割合は5.4%との計算がでていますので、日本国内での建設業のボリュームは5%と覚えておくと良いですね。
5%と聞くと、日本の全産業におけるボリューム感として小さく感じます。やはり産業構造がサービス業にシフトしているのが実感できますね。
ここ数年の建設投資額は増加基調ですが、オリンピックや東日本大震災の復興需要がひと段落したことや、人口減少問題を考えるとまた厳しくなってきそうです。
また、いわゆる3Kとして就業が敬遠された結果、従業員の高齢化が進み、人材難となっていて、人手不足や人件費の高騰が問題となっています。
上の図は、全産業と建設業での55歳以上の就業者と29歳以下の就業者数を比較したグラフですが、2000年から建設業の高齢化が顕著になってきています。若年層が極端に不足するため、55歳以上の就業者も現場で引き続き働かなければいけないのは体力的に厳しいことが想像されます。
(3) 建設業の利益構造と、財務上の危険水域
建設業の平均的な財務内容をみてください。コロナ禍での影響の少ない時期での集計データになります。
建設業での財務内容の基準として、「自己資本比率40%以上」「流動比率170%以上」「借入金依存度27%以下」「売上高粗利率20%以上」「売上債権回収期間1.5ヶ月以内」は財務状況を見るための判断基準として掴んでおくとよいでしょう。
「流動比率」は「流動資産」を「流動負債」で割った計算式になります。現金など換金性の高い試算を1年以内の返済義務のある負債で割ることになり、手元資金がなくなって資金ショートしてしまうリスクを確認できます。
また借入依存27%は、コロナ影響により維持できていない企業が増加していると思われます。今年からゼロゼロ融資の返済の企業がでてきますが、借入金を返せないほどに借入金依存度が高くなっている企業もあるようですので気を付けましょう。
また、流動比率が高くても、売上債権回収期間が長くなっている場合は注意が必要です。実際は回収が滞っている債権を売上債権に含めて、流動比率を水増ししている可能性があります。売上債権回収期間が急に長くなっている場合は理由を確認しておくといいですね。
(4) 2022年の建設業
2021年はコロナの影響により、ウッドショックと呼ばれる木材価格の高騰や品不足がありましたが、建設業は全体で見れば斑ではありますが、そこそこな1年でした。
それは、東京オリンピック需要やすでにコロナ前に着工済みの工事の消化が残っていたためで、特需にスーパーゼネコンが集中して競争した結果、2022年3月期の決算では軒並み減益となっています。
2022年は、特需らしき事案は2030年の冬季オリンピックを招致するために札幌を中心に再開発の予定がある程度で、またこの少ない案件の争奪戦になる見込みです。
またテレワークの増加よって、戸建て住宅の需要が増えて比較的低価格の物件を中心に着工件数は2021年度伸びていて、引き続き2022年度も拡大の見込みですが、低価格の物件に対して職人不足や部材の不足が足を引っ張ることも予想されます。
一方で、貸家は需要が低迷しているため、建設業全体では分譲住宅は増加傾向ですが、それ以外のスーパーゼネコンや貸家は厳しくなることが予想されます。
(5) まとめ
建設業は、新たな需要が分譲住宅に限定されていて、業界全体でみると少ないパイを争奪しあう厳しい業界環境となるかと思います。
これは全国区で戦える元請業者の話で、下業者はその競争において元請業者から売上を削られる可能性が高いので、財務体力が乏しい、採算の悪い体質のままでは今後生き居残れなくなる可能性が高くなるでしょう。
また地場の元請業者もスーパーゼネコンや、大手の分譲住宅会社との競争は避けられなくなり、競争激化により業績の悪化もあるかと思います。
コロナ禍に、本業回復の目途のないままに金融機関から融資を受け延命している建設業者は返済が開始を迎えても返済に充てる原資がないため、今後倒産は増加するとみています。
倒産企業の最後の足掻きに巻き込まれない様に取引先のチェックを忘れずにしておきましょう。
本日の内容は以上になります。
次回もお楽しみに!では!
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