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記事一覧
音の消えた部屋:ネズミ、感染症、そして静寂
3か月ほどアパートをまた借りしている。人気のカフェの隣にある1階の部屋で、裏は小さな池を囲む森。街中まで直通のバス停まで1分、地下鉄の駅まで5分という素晴らしいロケーションだ。
ところが、ある晩、アパートのキッチンの下を小さな影が走り抜けた。一瞬の出来事に戸惑ったが、数日前に見かけた貼り紙のことを思い出した。「うちにネズミが出ました。他にも出たうちはありませんか?」——貼り紙の主は真上の部屋の住
医学的に見た、安全に寒中水泳を行うための「5つの具体的ルール」
前回のnote「寒中水泳で風邪を引きにくくなることのエビデンス」では現在、健康に良いとして世界的なブームにある寒中水泳について、そのエビデンスを検討してしました。
今回のnoteでは、「寒中水泳を実際にやってみたいと思った!」という人のために、安全に寒中水泳を行うための具体的なアドバイスを医学的観点から書いてみました。
前回のnoteはこちらです。
生物医学先端研究開発局(BARDA)が塩野義に開発助成金を提供
米保健福祉省の下部組織「事前準備・対応担当次官補局」の中にある「生物医学先端研究開発局(BARDA)」が塩野義製薬の免疫不全者向けの新型コロナ予防薬の開発に対し、3億7500万ドル(約585億円)の資金を提供するとの発表がありました。
日本語ではあまりニュースになっていないようですが、興味深い話なので解説します。
お酒を飲まない1ヶ月「Dry January」
「ドライ・ジャニュアリー(Dry January)」をご存じだろうか。クリスマスが過ぎて年が明けた1月、健康のために1ヶ月間、アルコールを1滴も飲まずに過ごす、イギリスの慈善団体Alcohol Change UKが始めた健康キャンペーンだ。Dry Januaryが始まったのは2013年。当初は約4000人だった参加者は毎年増え続け、今では世界から21万5千人(2023年)が参加するグローバルなイベ
もっとみるまるでおとぎ話!リューネブルクのクリスマスマーケット
12月になって降臨節(アドベント)に入るとドイツでは街のあらゆるところにクリスマスマーケットが立ち、急にクリスマスめいてきます。
わたしの暮らすハンブルクでも市庁舎や教会の前、広場の前はもちろんのこと、エルベ川沿いや駅前などにも大小さまざまなクリスマスマーケットが立ちます。
ドイツでは、ドレスデン(最も古い)、ニュルンベルク(最も大きい)、シュトットゥガルト(最も美しい)が3大クリスマスマーケ
カナダで10代の子が重体に!―鳥インフルエンザ・パンデミックのリスクは高まっているのか
日本ではあまりニュースになっていませんが、A(H5N1)鳥インフルエンザが少し今までとは違う動きを見せています。
歌うリハビリ!文系女医、村の教会コーラスに入る
わたしの暮らしているドイツ・ハンブルクは古くから自治権のある「自由都市」で、今でもシュレスヴィヒ・ホルシュタイン州の中にポツンと島のように浮かぶ「特別市」として同州から独立している。このハンブルクを取り囲む、シュレスヴィヒ・ホルシュタイン州の村のコーラスに入った。
しかも、2つも。
実用化が見えてきたノロワクチンの現在
イギリスでm RNAのテクノロジーを使ったノロウイルスワクチンの治験が始まります。ワクチンを開発しているのは、mRNAの新型コロナワクチンでお馴染みのモデルナ社です。
”声”を鍛える魔法の道具「LAX VOX」を知っていますか?
手術から半年が経ちました。声も滑舌も前と同じではないし、食べられる量が減ったため体重も4キロ減りました。やったらやった分だけ良くなるということはありませんが、楽器や語学、スポーツなどと同じで何か月という単位で振り返ればきっと良くなっている――。そう信じてリハビリを続けています。
ところで、音大に通っていた友人が声楽の授業で「声帯を鍛えることはほぼ不可能」なので、歌は「母音をどれだけ豊かに響かせる