【簡単あらすじ】Jミステリー2022SPRING(微ネタバレ)【東野圭吾等/光文社文庫】
『 本当に和美か? 』
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不動産会社に勤務する建築士・神尾真世。
上松和美という女性から、自宅のリノベーションを依頼される。
リノベーションのためには、依頼者のライフスタイルを参考にすることが必要なため、自宅を見学させて欲しいと提案するも、やんわりと断られてしまう。
その他にも何か秘密を隠しているような・謎多き依頼者と感じる上松だが、ある時、「今度何十年かぶりに兄と会うことになった」という相談を神尾は受ける…
人気作者6人による書下ろしアンソロジーです。
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本作は簡単に言うと短編集ですが、人気も実力もあり過ぎる6人のミステリー作家が書き下ろした作品集ですので、一作ごとの重みが全く違います。
個人的には、東野圭吾さんの「リノベの女」が好きです。
一癖も何癖もありそうな登場人物たちが織り成す物語を、どのようにまとめていくのか。
結論だけでなく、その過程も楽しめました。
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リノベの女/東野圭吾
不動産会社に勤務する建築士・神尾真世。
上松和美という女性から、自宅のリノベーションを依頼される。
依頼を遂行するために、「和美の現在のライフスタイルを知りたい」と提案するも、やんわりと断られてしまう。
謎多き依頼者だったが、ある時、上松から「今度何十年かぶりに兄と会うことになった」という相談を受ける。
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ある部屋にて/今村昌弘
恋人の優里に会いに来た健吾。
監視カメラに顔が映らないよう、帽子を目深に被りマフラーを口元まで上げ、半開きの通用口からマンションに入った。
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立体パズル/芦沢央
脚本家・宮野雄一郎には、保育園に通っている息子がいる。
ある時、保育園帰りの母子が刺され、5歳の男の子が死亡し・一時は母親も意識不明の重体になるという凶悪事件が発生した。
「子どもは静かにするもんだろうが!」という怒鳴り声をあげながら凶行に至った犯人は、まだ捕まっていない。
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叶えよ、アフリカオニネズミ/青柳碧人
ヤーキー地雷撤去研究所は、「アフリカオニネズミの習性を利用し、カンボジアの地雷原から地雷を撤去しその土地に遊園地を開業する」という壮大なプロジェクトを打ち立てている企業。
その企業の所員が「地雷を使った密室殺人で殺された」という通報が、由赤丸警部に入った。
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目撃者/織守きょうや
愛人との約束がキャンセルになり、夜遅くに帰宅した高部陽人。
いつもと違う雰囲気を感じリビングを覗くと、妻・高部彩花が頭から血を流しあおむけに倒れていた。
妻と犯人が争った場面を、二歳の息子・朝陽は目撃したようだが…
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黒猫と薔薇の折り紙/知念実希人
「我が主」の元へ、「人間の魂」を「道案内」する死神(もしくは天使)と呼ばれる存在は、人間界で黒猫・クロと呼ばれている。
クロが外出すると、山で自殺しようとしていた料理人・平間大河の自殺しようとする現場を見つけ出す。
クロの人間界の仕事である「人間の魂を地縛霊化させない」の遂行のため、クロは大河の夢に干渉する。
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本作は簡単に言うと短編集ですが、人気も実力もあり過ぎる6人のミステリー作家が書き下ろした作品集ですので、一作ごとの重みが全く違います。
個人的には、東野圭吾さんの「リノベの女」が好きです。
一癖も二癖もありそうな登場人物たちが織り成す物語を、どのように展開し・どのようにまとめていくのか。
結論だけでなく、その過程も楽しめました。
本作はアンソロジーですので、一話一話を手軽に・短時間で楽しむことが出来ます。
しかし、実力のある作者さん達の作品ですので、アンソロジーにありがちな「一話がいまいち物足りない/もう少し深掘りして欲しかった」などという読了感とは程遠いです。
短く・読みやすい作品ですが、各作品から充分な満足感も得られるという、二律背反しているような感想を持つことの出来る本作品を、是非読了ください。
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