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#新聞投書

【投書】「持続可能なラーメン目標」(2022-05-06 山形新聞)

【投書】「持続可能なラーメン目標」(2022-05-06 山形新聞)

【原文】
 先日、ラーメンの年間消費額のランキングでトップを保ってきた山形市が新潟市に抜かれたというニュースが県内を駆け巡った。首位奪還に燃える業界人や愛好家も多いことだろう。

 だが、山形県は全国屈指のラーメン県であるとともに、塩分取りすぎの県でもある。県民の塩分摂取量は国の基準を上回っており、医療界や行政は減塩を呼びかけている。高血圧とそれにより起こりうる脳卒中の予防のためだ。

 ラーメン

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【投書】「休校策に見る自治体の心」(2021-06-23 山形新聞)

【投書】「休校策に見る自治体の心」(2021-06-23 山形新聞)

 昨年春の安倍政権による「一斉休校ショック」から一年余りが経った。
 大多数の自治体が無理を押して国の要請どおりに休校した一方で、茨城県つくば市をはじめとした一部自治体は、子どもたちと家庭の実情に基づき、児童・生徒の学校での受け入れを続け、希望に応じ給食を提供するなどの策を講じた。この差はなぜ生じたのか。改めて考えたい。

 つくば市長は、40代で子育て中の父親である。加えてつくば市は、宅地開発と

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【寄稿】「成人式を人材獲得のチャンスに」(2020-05-13 河北新報)

【寄稿】「成人式を人材獲得のチャンスに」(2020-05-13 河北新報)

 地方の企業は人材難である。
 山形県の場合、高校卒業者の約7割が県外に進学する。彼らは多くの場合、進学先の大学等で大手就活サイト運営企業による「就活セミナー」を受け、会員登録し、そこから続々と供給される情報に基づいて就活をスタートする。その情報の発信源は多大な出稿費を払える巨大企業が中心であり、地方出身の若者たちは自ずと大都市への就職へと進むこととなる。

 人材難という地域経済の死活的課題には

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