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【提案】役所の組織新設 働き手が必要

 「デジタル庁」、「子ども庁」、「孤独・孤立対策担当室」。政府・与党は、日本社会の課題に取り組む姿勢をアピールすべく、次々と新しい組織を設けようとしている。世間はそれで、政府がしっかり対処しているように思わされる。

 しかし、役所に新たな組織を設けたところで、そこに配置される職員の多くは、すでに激務極まる他の部署から引きはがされてくるのである。あちこちの部署で突然の異動が生じ、去る職員の仕事を残る職員が引き受けなければならない。

 組織を設けるほど仕事があるなら、雇う人を増やす。当たり前のことだ。もともと日本は雇用者に占める公務員の割合がOECD諸国で最低であり、役所に人が不足しているのだ。正規雇用者はもちろん、十分な待遇の非正規雇用者を増やしたり、コロナで業績不振の企業からの出向を受け入れたり、手段は多くある。

 政策を動かすのは組織ではなく、人だ。今こそ、多くの人々の手で役所の仕事を担おうではないか。

〔2021年11月19日〕


【関連】
・毎日新聞「岸田首相「こども家庭庁」定員増加へ意欲 「司令塔機能を強化」」(2021/12/17 11:40(最終更新 12/17 17:00))

・日本経済新聞「こども家庭庁、既存部署より定員大幅増 首相」(2021年12月17日 20:45)


【参考文献】
・人事院「令和3年度 人事院の進める人事行政について」P.3「人口千人当たりの公的部門における職員数の国際比較」

・日本経済新聞「デジタル庁、非常勤で40人募集 6月から常勤幹部も」(2021年4月27日 17:08)

・東京新聞 TOKYO Web「コロナで深まる「孤独感」 政府が孤独・孤立対策担当室を新設、25日に緊急フォーラム」(2021年2月20日 20時38分)


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