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【提案】「障害者」表記 「障有者」としては

 「障害者」に代えて「障碍者」と表記すべきという提案がなされて久しい。「害」の字は印象が悪いというのがその理由だが、「碍」の字は常用漢字ではないために、新聞や放送、公文書などで使うのが難しい。「碍」を常用漢字に追加することも検討されてきたが、今年3月、文化庁の文化審議会国語分科会は、その見送りを決めている。

 この問題をクリアするために、いっそのこと「障有者」という言葉を導入してはどうか。「何らかの差し障りを有する者」の意で、障害は欠点ではなく個人に備わった特性だと認識する国際的な気運に即している。英語でも、「障害」は従来「ハンディキャップド(手を使えない)」の語が使われていたが、近年は「チャレンジド(試練を有する)」の語が広まりつつあるようだ。

 言葉の普及には時間がかかるだろうが、子どもたちには、新たな漢字を一つ覚えるよりも、「障害は人が有する特性の一つ」という見方を身に着けてほしいものだ。

〔2021年7月2日〕


【参考文献】
・NHK NEWS WEB「「障害」の「害」を「碍」と表記 常用漢字追加見送りへ」(2021年2月28日 6時24分)https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210228/k10012889591000.html

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