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ブリの和風カルパッチョ イタリア アブルッツォ州のオレンジワインの滋味
2月末、ワインコーナーが充実したスーパーでお得な値引きワインを見つけた。
チリワイン、コノスルのロゼ・スパークリング。定価1,400円ほどが825円に。ボトルの首にハートのメッセージボードがかかっていて、バレンタインデーの売れ残りのよう。
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ホワイトデーに使いまわせばいいのになどと思うが、ピンク、ハートはバレンタインデーの代名詞か。ともあれ、ありがたくショッピングかごに。
以前、酒好きの友人数名に約1,000円のコノスルのシャルドネ品種と、約10,000円のシャブリのグラン・クリュ(同じシャルドネ)を、銘柄を隠して飲んでもらったところ(なんという悪趣味!)、複数名がコノスルの方が美味しいと言った。ときに銘品は審美眼を求めるが、コノスルのワインの旨さはストレートで分かりやすい。問答無用に万人の舌を喜ばせるデイリーワインの王様。
自宅ではブリの和風カルパッチョに合わせた。
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最近、Noteに投稿しているフィシュルの商品。先日届いた以下の6つの商品もクロムツの麦味噌漬けを残すのみ。
・ニベのハーブオイルマリネ(実食済み)
・サバのハーブオイルコンフィ(実食済み)
・ブリのトマトマリネ(実食済み)
・クロムツの煮切り醤油漬け(実食済み)
・ブリの和風カルパッチョ(今回実食)
・クロムツの麦味噌漬け
フィシュルについては先日、こちらで触れた。
フィシュルは1回だけお試しと思って注文したが、バリエーション豊かで、ものの10分の流水解凍でワインに合うおつまみが完成してしまう便利さは捨てがたい…。ということでもう一回は定期購入を続けてみることに。バリエーションがネタ切れになるのを見届けてやろうじゃないか(そして最近2回目が届いたが期待を裏切らないバリエーションで、今からワインに合わせるのが楽しみなのである)。
パッケージには料理への活用方法として、海鮮サラダ、手巻き寿司、ちらし寿司との提案。
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アレンジwelcomeなのね。ということで冷蔵庫に残っていたセロリを乱切りにして台座とし、ゴマをたっぷり振る。このゴマがポイントでゴマの香ばしさがブリの旨味をたっぷりと立ち上げる。
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ブリの和風カルパッチョに合わせたのは、件のコノスルのロゼ・スパークリングに加え、イタリアのアブルッツォ州のオレンジワイン(ピノ・グリージョ)、シチリア島の地場品種グリッロの白ワイン。期せずして白、ロゼ、オレンジとカラーバリエーション豊富なワインセレクト。実食の結果、アブルッツォ州のオレンジワインの滋味が、漬けの醤油とゴマの香ばしさで引き立てられたブリの旨味に絶妙に調和した。
さて、料理とそれぞれのワインの相性について。
ファビュラス フォエミネ ピノ・グリージョ, イタリア, アブルッツォ州, 2021, 13%, 2,475円
Fabulas Foeminae Pinot Grigio, Italy
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アブルッツォ州マジェラ国立公園内のPretoro自治区内(標高602メートル)に畑を所有。
カモミールと地元の植物から搾取した野生酵母を使用。ピノ・グリージョを主体に大樽で発酵後、さらにアンフォラと木樽で熟成させたオレンジワイン。ピノ・グリージョ85%、その他15%。
黒ブドウのロゼワインのような鮮やかなチェリーレッドの色調。
香りにはフレッシュな巨峰のジュース、チェリーリキュール、切って少し時間が経過したグリップのあるリンゴの香り、ほのかにシソエキス。ゼラニウムやバラのフラワー香。
味わいにはブドウの滋味と旨味の密度が凄まじくとろっとした口当たり。陶器の引き出すブドウの力か。涼やかな酸味、余韻にほのかなタンニン。もはやピノ・グリージョを超越。
ブリの和風カルパッチョにワインを合わせる。ゴマの香ばしさで立ち上がるサバの旨み、脂に、ジューシーな葡萄と柔らかい甘みが絶妙に調和。相性: ★★★★☆
コノ・スル, スパークリング・ワイン, ロゼ, チリ, ビオ・ビオ・ヴァレー, 825円
Cono Sur, Sparkling Wine, Rose, Bio-Bio Valley, Chile
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Cono Sur とは「南向きの円錐」という意味。その地理的な場所を表すとともに、世界最南端の地で表現豊かで革新的なワインを造るという気概の表れ。1993年設立。
オレンジが強く入ったサーモンピンク。持続的な泡立ち。
香りには快活なチェリー香。ビスケットや食パンの香ばしさやイースト香はどこか上級のロゼ・シャンパンを思わせる。が、余韻の奥に少々甲高い植物的なニュアンスあり。
味わいは瑞々しく伸びやか、快活でチャーミングな果実味。的確にワインを引き締める酸味。余韻にはビターネスとこうばしさが続き充実のフィニッシュ。若干抽出が多い印象だが素晴らしいコスパ。
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ブリの和風カルパッチョに。ロゼの黒ブドウの風味と醤油は相性良い。ただ、ブドウからの抽出が少々強すぎるか。若干のほろ苦さが心地よくもあるが、ブリの旨味には少々ネガティブに作用するよう。ケンカはしないが。相性: ★★★☆☆
ドンナフガータ スルスール, グリッロ, イタリア, シチリア
Donnafugata, SurSur, Sicilia, DOC, Grillo, 2021, 13%, 約3,000円
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ドンナフガータ社のオーナーは何世代にも渡って酒精強化ワイン、マルサラワインの生産に携わってきた由緒ある家系。
「ドンナフガータ( 逃げた女 )」という名は、19世紀初頭にブルボン朝の王の妃が、ナポリで起きた革命を逃れて、現在のドンナフガータ社のある土地へ逃げてきたという歴史にちなんだもの。
香りにはグレープフルーツ、レモン、ライムの爽快な柑橘香。柑橘果皮のビターなニュアンス。典型的な南の緩いワインとは一線を画すフォーカス。海岸の潮風、レモングラスも。
味わいには瑞々しい果実味。冷えた状態では酸味が締まり的確なフォーカス(温度が上がり緩くなるのもまた魅力)、キュッと効いた塩味、余韻にはグリップのあるほろ苦さ。
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ブリの和風カルパッチョに。ワインの潮の香りがサバの脂を引き立たせる。セロリのシャキシャキにワインのハーバルな香りが素敵。味付けの醤油とワインの風味の高め合いは期待未満か。相性: ★★★☆☆