間違った筋トレをしていると逆に危ない!理学療法士が解説します
筋力増強運動は、健康改善や関節可動域の改善とともに、身体機能障害に対するリハビリテーションの重要な手法として長年活用されています。この記事では、筋力増強運動の基礎知識とその具体的な実践方法について、わかりやすく解説します。
筋トレって「どれくらいやればいいの?」とか「やり方次第で効果は変わるの?」と疑問に思うことはありませんか?
実は、筋力を効率よく鍛えるには、いくつかの「基本ルール」を押さえておくことがとても大事なんです。
ここでは、筋力増強運動の基本ややり方を、具体例を交えてわかりやすくお話しします!
筋トレで大事な6つのルール
筋トレには「効果を出すためのルール」があります。これを知っていると、同じ時間でもトレーニング効果が大きく変わりますよ!
1. 負荷を少し重めにする(過負荷の原則)
筋力をつけるには、普段使っている筋力以上の負荷をかけることが必要です。たとえば、10回ギリギリ持ち上げられる重さ(10RM)が目安になります。
軽すぎると効果が薄いので、少し「きついな」と感じる重さを選びましょう。
2. 徐々に負荷を上げる(漸増負荷の原則)
筋力がついてくると、今までの負荷では物足りなくなります。その場合、トレーニングのたびに負荷を少しずつ増やしていくと、さらに効果的です。
たとえば、最初はダンベル5kgで10回やっていたけど、1週間後には6kgに増やす…という感じです。
3. 継続する(反復性の原則)
筋力は1回のトレーニングではつきません。週に2~3回のペースで続けることが重要です。特に高齢者や運動が苦手な方は、少しずつでも長期間続けることで効果が出てきます。
4. 目的をはっきりさせる(特異性の原則)
「どこを鍛えたいのか」「どんな動作を改善したいのか」を意識して取り組むことが大切です。たとえば、「階段をラクに登れるようになりたい」なら、脚の筋肉を集中的に鍛える運動を選びます。
5. 個人に合わせる(個別性の原則)
筋力トレーニングは、年齢や体力に合わせて無理のない負荷で行うことがポイント。70代の方が若い人と同じメニューでやるのは危険です。
6. 全体をバランスよく鍛える(全面性の原則)
脚や腕だけに集中せず、全身をバランスよく鍛えることが、ケガの予防や体力アップにつながります。
実際に筋力を測るには?
筋力を測る簡単な方法として、徒手筋力測定法(MMT)があります。これは、トレーナーや理学療法士が手で筋力を評価する方法で、筋肉の強さを段階的にチェックします。
たとえば、片脚立ちやスクワットを行い、そのときのバランスや動作の正確さを見ながら筋力を評価します。
さらに詳しく測りたい場合は、ダイナモメーターやフリーウェイトを使った測定が有効です。
筋トレの効果を高める具体例
筋力増強運動を実践する際、以下のような方法が効果的です:
たとえば、ダンベルで腕を鍛える場合、8~12回ギリギリ持ち上がる重さを選び、それを3セット繰り返します。
軽めの負荷で、無理のない範囲で動かすことが重要です。
筋トレを効果的にするコツ
1. フォームを正確に
代償動作(別の筋肉で補う動き)が入らないよう、ターゲットの筋肉を意識して正確に動かしましょう。
2. バランスを意識
脚だけ、腕だけ鍛えるのではなく、体全体の筋力をバランスよく鍛えると、より安定した動作が可能になります。
3. 筋肉の動きを確認する
たとえば、股関節の外転筋(お尻周りの筋肉)を鍛える際には、特定の筋肉だけに負担がかかりすぎないよう調整します。
筋肥大が起こるまでの期間と見た目が変わり始める期間
筋肥大(筋肉が大きくなること)は、トレーニングと栄養の適切な組み合わせで徐々に進行しますが、以下のようなタイムラインが一般的です。
筋肥大が始まるまでの期間
• 2~4週間: 筋肉そのものの肥大ではなく、神経系の適応(筋肉の使い方が上手くなる)が主な変化です。この期間は見た目に大きな変化はありません。
• 4~8週間: 筋繊維の肥大が始まり、筋肉のサイズが少しずつ増加します。
• 8~12週間以降: 筋肥大が顕著に進み始め、筋肉量の増加が明確になります。
見た目が変わり始める期間
• 12週間前後: 筋肉のサイズが増え、見た目の変化を実感し始める方が多い時期です。特に体脂肪が減少している場合、筋肉のラインがはっきりしてきます。
• 3~6ヶ月: トレーニングと栄養を継続することで、さらに筋肥大が進み、見た目にも大きな変化が現れます。
筋トレ中に必要な栄養素と摂取量
筋肥大を効率的に進めるには、適切な栄養素を摂取することが重要です。以下に、具体的な栄養素とその摂取量を示します。
1. タンパク質
筋肉の成長と修復に必要不可欠です。
• 摂取量: 体重1kgあたり 1.6~2.2g/日
(例: 体重70kgの人なら、112~154g/日)
• タイミング: トレーニング後30分以内に20~40g摂取するのが理想的。
食材例: 鶏胸肉、卵、プロテイン、魚、大豆製品など。
2. 炭水化物
筋トレ時のエネルギー源として重要。筋グリコーゲンの回復にも必要です。
• 摂取量: 体重1kgあたり 4~6g/日
(例: 体重70kgの人なら、280~420g/日)
• タイミング: トレーニング前後に多めに摂取するのが効果的。
食材例: ご飯、パン、パスタ、果物など。
3. 脂質
ホルモンバランスを整え、筋肉の成長をサポートします。
• 摂取量: 総摂取カロリーの 20~30%
(例: 1日の摂取カロリーが2500kcalなら、50~83g程度)
• 良質な脂質: ナッツ、アボカド、オリーブオイル、魚(オメガ3脂肪酸)など。
4. 水分
筋肉の回復とエネルギー代謝を促進します。
• 摂取量: 体重1kgあたり 35~40ml/日
(例: 体重70kgの人なら、約2.5~3L/日)
5. ビタミンとミネラル
筋肉の修復と成長を助ける役割があります。
• 重要な栄養素: ビタミンD、ビタミンC、マグネシウム、カルシウム、亜鉛など。
食材例: 野菜、果物、乳製品、シード類。
具体的な1日の食事例(筋肥大を目指す場合)
朝食
• オートミール + プロテイン
• ゆで卵 2個
• バナナ 1本
トレーニング前(2時間前)
• 全粒粉パン + ピーナッツバター
• ブラックコーヒー
トレーニング後(30分以内)
• ホエイプロテイン 1杯(20~30g)
• バナナ 1本
昼食
• 鶏胸肉のグリル 150g
• 白米 200g
• ブロッコリー、アボカド
間食
• ギリシャヨーグルト
• ナッツ
夕食
• サーモン 150g
• さつまいも 150g
• ほうれん草のソテー
まとめ
筋肥大の効果を感じるには数週間の時間がかかりますが、適切なトレーニングと栄養を継続すれば、3~6ヶ月で大きな成果が得られます。栄養面では、タンパク質・炭水化物を中心に、脂質やビタミン・ミネラルをバランスよく摂取することがカギです。
筋トレと栄養をしっかり管理して、理想の体を目指しましょう!
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