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Z世代の次は?生まれたときからスマホがある子の育て方 - 『ニュー・チャイルドフッド』解説

こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!

スマホ・ネイティブと言われるZ世代は、物心ついたころからスマホが手元にありました。

では、そのZ世代の子どもは?

そう、生まれた瞬間からスマホがある・・・!

ではでは、このスマホ時代に生まれた子どもデジタルデバイスをどう与えればいいんでしょう?!

何歳からどのくらい使わせればいいのか、そもそも使わせないほうがいいのか・・。

そんな悩みを徹底的に科学で解明した本を今日は紹介!

ジョーダン・シャピロ著『ニュー・チャイルドフッド』です。

この本、現代社会における子どもたちの成長と教育について、保護者や教育者に向けてどうやっていけばいいのか書いた本。もちろん子どもいなくても超参考になります。

デジタルネイティブ世代の親にとって、子どもとデジタルデバイスとの関わりは、喜びと同時に不安や戸惑いを覚えることも少なくありません。

本書は、そうした親世代の不安や疑問に寄り添いながら、デジタル時代における子育ての羅針盤となる一冊と言えるでしょう。


ジョーダン・シャピロと『ニュー・チャイルドフッド』

ジョーダン・シャピロは、テンプル大学准教授であり、国際的な講演者やコンサルタントとしても活躍しています。

また、あの教育番組「セサミストリート」の監督もしています。

 心理学、哲学、経済学を融合させた独自の視点から、デジタル時代の子育てに関する提言を行っており、多くの親や教育者から支持を集めています。

 特に、「フォーブス」誌に掲載されたデジタル時代の子育てに関するコラムは、世界中で500万人以上の読者を得るほど大きな反響を呼びました。

『ニュー・チャイルドフッド』は、2018年に出版された著書で、子どもたちがデジタル社会でサバイブするために必要な知恵を育む教育について論じています。

本書は全米で話題となり、世界11カ国で翻訳されています。

「新しい子ども時代」の概念

シャピロは、現代社会における子ども時代を「新しい子ども時代」と捉え、従来の子ども時代とは異なる特徴を持つものとしています。

デジタルネイティブ世代の「新しい遊び場」

シャピロは、子どもたちがデジタルデバイスを誠実に使用する方法を学ぶことができるのは、親次第だと主張しています。

彼は、新しいテクノロジーにパニックにならないようにアドバイスしています。

むしろ、デジタルデバイスを「新しい遊び場」と捉え、子どもたちがデジタルな遊びを通して、創造性、問題解決能力、コミュニケーション能力など、21世紀を生きるために必要なスキルを身につけることができると主張しています。

デジタルデバイスは、子どもたちにとって、双方向につながり合った世界との関わり方、物事の考え方、協力のしかた、生き方、学び方を教えてくれる貴重なチャンスとなり得るのです。

子どもは「接続ノード」

シャピロは、子どもたちを、性格と価値観、意見に基づいてデータに意味を持たせるコンテクストを生みだす「接続ノード」、すなわち人間の知恵の中継点と捉えるべきだと述べています。

これは、子どもたちが単に情報を消費するだけでなく、情報を解釈し、新たな意味を創造する主体的な存在であることを示唆しています。

デジタル社会における倫理観

接続された世界のための適切な倫理観は、デジタルテクノロジーとより多くの時間を過ごす子供たちにのみ学ぶことができるとするシャピロの見方は、議論を呼ぶ可能性も秘めています。

従来の道徳観や倫理観では対応しきれない、デジタル社会特有の倫理的な問題について、子どもたち自身が考え、解決策を見出していく必要があると言えるでしょう。

子ども時代の変遷

「新しい子ども時代」について理解を深めるためには、子ども時代がどのように変化してきたのか、歴史的な視点から考察することが重要です。

かつて子どもは、純真無垢で保護し教育する対象として捉えられていました。

しかし、社会の変化とともに子ども観も変容し、子どもは大人が一方的に教え導く対象ではなく、独自の文化や価値観を持つ「他者」として認識されるようになりました。

そして現代においては、デジタルテクノロジーの急速な発展に伴い、子どもたちは、かつてないほど大量の情報にアクセスし、多様な人々とつながることができるようになりました。

このような変化を踏まえ、シャピロは、現代の子ども時代を「新しい子ども時代」と定義し、デジタル社会における新たな課題と可能性を提示しているのです。

従来の子ども時代との違い

従来の子ども時代と「新しい子ども時代」の最も大きな違いは、情報へのアクセス手段とコミュニケーション方法にあります。

従来の子ども時代においては、情報は限られた範囲で提供され (例えば、学校、図書館、地域社会など)、コミュニケーションも主に face-to-face で行われていました。

子どもたちは、外遊びや絵本などを中心に、地域社会とのつながりの中で成長していくというイメージが強かったかもしれません。

しかし、「新しい子ども時代」においては、インターネットを通じて世界中の情報にアクセスすることができ、SNS などを通じて、地理的な制限を超えたコミュニケーションが可能となっています。

また、遊び方も大きく変化しました。従来の子ども時代では、外遊びや絵本などが中心でしたが、「新しい子ども時代」では、ビデオゲームや YouTube などのデジタルコンテンツが遊びの重要な一部となっています。

シャピロは、これらのデジタルな遊びも、子どもたちの創造性や問題解決能力を育む上で重要な役割を果たすと述べています。

『ニュー・チャイルドフッド』が現代社会において持つ意義

『ニュー・チャイルドフッド』は、デジタル時代における子育ての新たな可能性を示唆するだけでなく、現代社会が抱える課題にも目を向けさせてくれます。

シャピロは、デジタルテクノロジーの発展によって、子どもたちが直面するリスクも増大していると指摘しています。

例えば、インターネット上の有害情報や誹謗中傷などの問題です。

しかし、シャピロは、これらのリスクを過度に恐れるのではなく、子どもたちがデジタル社会を安全に、そして積極的に活用できるよう、親や教育者が適切なサポートを提供することが重要だと述べています。

デジタルテクノロジーは、使い方次第で子どもたちの成長を大きく促進する可能性を秘めているのです。

『ニュー・チャイルドフッド』から得られる学び

『ニュー・チャイルドフッド』は、デジタル時代の子育てに不安を抱える親世代にとって、多くのヒントが隠されています。すこしまとめますね。

  • デジタルデバイスとの付き合い方

シャピロは、新しいテクノロジーにパニックにならないようにとアドバイスしています。

デジタルデバイスは、子どもたちの学習や成長を支援するツールとなり得ます。

  • 新しいリテラシーの重要性

デジタル社会を生き抜くためには、情報を読み解き、活用する能力が不可欠です。

ゲームをプレイすることで、ゲームを「読む」能力、システムを解読する能力を育むことができます。

  • コミュニケーション能力の育成

デジタルツールを活用したコミュニケーション能力も、現代社会においては重要です。

  • リスクへの対応

デジタル社会にはリスクも存在する(インターネット上の有害情報や誹謗中傷など)  が、適切な知識と対応によって、子どもたちを守ることができます。

結論:デジタル時代の子どもたちを支えるために

『ニュー・チャイルドフッド』は、デジタル時代の子育てについて、従来の考え方にとらわれず、新たな視点から考察することを促す書籍です。

 デジタル社会は常に変化し続けており、子どもたちが直面する課題も多様化しています。

だからこそ、親や教育者は、本書で示された視点を参考にしながら、子どもたちの成長をサポートしていく必要があるでしょう。

デジタルテクノロジーを正しく理解し、活用することで、子どもたちは「新しい子ども時代」をより豊かに、そして逞しく生き抜いていくことができるはずです。

子どもたちの未来は、私たち大人の理解とサポートにかかっています。

デジタル時代における子育ての課題や可能性を深く理解し、子どもたち一人ひとりの個性を尊重しながら、共に成長していく姿勢が求められていると言えるでしょう。

お子さんいたら絶対親は読んだ方がいいですね。


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