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ノーベル文学賞作家をすべて紹介するⅣ【1930-1939】
こんにちは!
「noteの本屋さん」を目指している、おすすめの本を紹介しまくる人です!
シリーズでお送りしているノーベル文学賞作家を全部紹介する記事、今日は第四弾、1930年代を紹介していきます。
各受賞者の特徴をまとめるとともに、当時の社会背景にも触れながら紹介します。
1930年:シンクレア・ルイス(アメリカ)
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受賞理由
活き活きとした写実的な描写技術および機智とユーモアを伴った、新しいタイプの人物を造形する能力に対して
代表作
ルイスは、アメリカ社会の中産階級の生活や偽善を風刺的に描いた作品で知られています。
『バビット』は、当時のアメリカ社会における物質主義や体制順応主義を批判した作品として、大きな反響を呼びました。
1931年:エリク・アクセル・カールフェルト(スウェーデン)
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受賞理由
エリク・アクセル・カールフェルトの詩に対して
代表作
カールフェルトは、スウェーデンの自然や民話を題材とした叙情詩で知られています。
彼の作品は、自然描写の美しさと、人間存在に対する深い洞察によって高く評価されています。
1932年:ジョン・ゴールズワージー(イギリス)
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受賞理由
『フォーサイト・サガ』で頂点を極めた、物語芸術の優れた手腕に対して。
代表作
ゴールズワージーは、イギリスの上流階級の生活を描いた長編小説『フォーサイト・サガ』で知られています。(もちろん、日本語訳はありません)
この作品は、ヴィクトリア朝時代から第一次世界大戦後までのイギリス社会の変化を、登場人物たちの愛憎や葛藤を通して描いた大河小説です。
1933年:イヴァン・ブーニン(ロシア)
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受賞理由
散文によって古典的なロシアの伝統を継承した厳格な芸術に対して
代表作
ブーニンは、ロシア革命後にフランスへ亡命した作家です。
彼の作品は、ロシアの自然や農民の生活、そして亡命者としての孤独や哀愁を描いたものが多く、簡潔で美しい文体で知られています。
1934年:ルイジ・ピランデルロ(イタリア)
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受賞理由
劇的且つ美しい芸術を、大胆且つ独創的に復活させたこと
代表作
ピランデルロは、現実と虚構の境界を曖昧にした作品で知られる劇作家です。
彼の作品は、人間のアイデンティティや、現実に対する認識を問う哲学的なテーマを扱っており、現代演劇に大きな影響を与えました。
1935年:受賞者なし
1936年:ユージン・オニール(アメリカ)
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受賞理由
悲劇の独創的な概念を具現化する、彼の戯曲の力強さ、誠実的さ、深い感情に対して
代表作
オニールは、人間の心の奥底に潜む葛藤や苦悩を描いた作品で知られる劇作家です。
彼の作品は、心理的なリアリズムと、ギリシャ悲劇のような壮大なスケールを併せ持ち、20世紀アメリカの演劇を代表する作品として高く評価されています。
1937年:ロジェ・マルタン・デュ・ガール(フランス)
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受賞理由
『チボー家の人々』において、現代の生活のいくつかの基本的な側面のみならず、人間の葛藤を描いた芸術の力と真実に対して
代表作
デュ・ガールは、フランスのブルジョワ階級の生活を描いた長編小説『チボー家の人々』で知られています。
この作品は、第一次世界大戦前後におけるフランス社会の変化を背景に、チボー家の家族の物語を通して、人間の愛憎や葛藤、そして社会との関わりを描いた大河小説です。
1938年:パール・S・バック(アメリカ)
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受賞理由
中国での農民の生活について豊かで壮大な描写と彼女の伝記の傑作を評価して
代表作
バックは、中国で宣教師の娘として生まれ育ち、中国の農民の生活を深く理解していました。
彼女の代表作『大地』は、中国の農村を舞台に、貧しい農民一家の苦難と希望を描いた作品で、世界的なベストセラーとなりました。
1939年:フランス・エーミル・シランペー(フィンランド)
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受賞理由
祖国の農民階層に対する深い理解と彼らの生き方と、自然との関係を描いた高い技術に対して
代表作
シランペーは、フィンランドの農民の生活を描いた作品で知られています。
彼の作品は、フィンランドの自然や文化、そして農民たちの生活の知恵を、叙情的な筆致で描いたもので、フィンランド文学を代表する作品として高く評価されています。
まとめ
1930年代のノーベル文学賞は、アメリカ、イギリス、フランスといった欧米諸国に加え、スウェーデン、ロシア、イタリア、フィンランドといった国々の作家が受賞しました。
これらの作家たちは、それぞれの国の文化や社会を背景に、人間存在の普遍的なテーマを描いた作品を生み出し、世界文学に大きな貢献をしました。
ぜひ、ひとりでもいいので、読んでください!
過去記事
【第一弾】1901-1909年
【第二弾】1910-1919年
【第三弾】1920-1929年
【編集後記】
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