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精神科看護師のクレーマー対応の極意

今日娘を保育園に迎えに行く時
車でテレビをつけてたんですけど

カスハラの特集を放送してたんですね。

カスハラとは
カスタマーハラスメントの略で
お客さんから
暴力を受けたり
脅迫を受けたり
過剰なサービスを
求められたりすること

なんだそうです。


飲食店の中には
カスハラが酷すぎて
お店を閉めなきゃいけなくなった
事例もあったり

お客さんの対応マニュアルが
できていなくて
ひたすら店員さんが
謝り続けるしかなかった

などの内容のニュースで

こういう対人トラブルから
メンタルを崩してしまう人って
少なくないし

これからも増えていくと思うんですよね。


精神科病院でも
患者さんから
暴力や暴言を受けることはありますし
不当な要求をされることもあるので

対応の流れもありますし
そういうリスクに対応する部署もある。

また
スタッフ個人間でも
対応策を持ち合わせていたりもするので

今日は一例として
そういう理不尽な相手に対する
対応の仕方や
心がけについて
書いていきます。


◯何が満たされていない人なのか探る


まずは相手が何に怒っていて
何を要求しているのか
また
なぜそのような感情に至ったのか

を聞いた方がよい。

というのも
相手が怒っているのは
合理的な理由というより
感情の問題で

馬鹿にされた気がした
冷たい態度を取られた気がした
言うことを無視された気がして腹が立った

とか
そういう感情の処理の仕方を
間違っている可能性が高い。

商品の内容の改善や
本当に困っていることなどを
言いたいのであれば

まだお互いの話し合いが
しやすいものですが

暴言や暴力に至るということは
大袈裟に言うと
相手が何かしら
自分の身の危険を感じているもの
だったりします。

人というのは
孤独や疎外感を感じていると
怒りやすくなったり
他責的になりやすいもの。


お客さんがお願いした時に
店員さんがまともに受け合わなくて

プライドが傷つけられた
と感じたりしたことが

自分という存在を
雑に扱われた

と思って
必死に抵抗している

というような心理が
あるんですよね。


ですから
社会的に経済的
人間関係的に
余裕のない人が
多かったりするわけです。


だからと言って
相手の要求を
容認する必要もないのですが

頭の中で

「この人は何か満たされてないんだろうな」

という視点で
相手を見てみると
少し冷静にもなれるので
おすすめです。


◯事実を整理する


そして
まず何があったのか事実を整理する。

たとえば患者さんが

「無理やり注射をされた!」
「これは虐待だ!」

と弁護士に相談することとか
よくあるんですけど

「無理やり」
「虐待」

という言葉って事実ではなくて

患者さんが
「無理やり注射されたと思っている」
「虐待だと感じている」

が事実で

実際に客観的に
何があったのかを整理する。

できればカメラや音声などの
証拠が取れる準備や環境を
整えておくと良いでしょう。

また
相手に何が起きたのか
何が気に入らなくて怒っているのか

言語化させる。

ヒアリングしながら
時系列で物事を整理する。

それができない相手だと
話し合いは難しいので
警察や弁護士に相談しましょう。

あまりに感情ベースすぎたり
話の理解ができない人だと

私は諦めます。

私の場合、相手が入院患者さんであったり
そのご家族さんであるので

時間をおいて
相手が冷静になった時に
また話します。


ただ
ラーメン屋さんが
カスハラするお客さんを
ラーメン作りながら
話を聞くわけにもいかないので
職種によってはその辺が
難しいところです。


◯こちらが感情的になると負け


高圧的な人を相手にすると
腹が立つんですけど

感情を言葉に出したり
態度にとると
良い結果につながらないことが多い。

腹が立っても
態度には出さず
クールな表情と口調で対応する。

とはいえ
それが難しいんですけど

私の場合、感情的になったとしても
途中から冷静になるようにすれば
それでいいかと思います。

というのも
いきなり怒鳴られたり
脅迫めいた感じで言われると

なかなかムカつくじゃないですか。

つい言い返したくもなる。

なので
途中から少しずつ
修正をかけていく。

それで相手もつられて
徐々に冷静になることがある
ので
最後は落ち着いて対話できるように
一貫して怒り続けたりせずに
軌道修正しましょう。

◯できないことはできないと伝える


不当な要求を受けることも
多々あるんですけど

相手からすると
どこまでやってくれるのかわからないから
取り敢えず大きな要求ごとをしてきている

という心理だったりします。

だから
怒られそうな気がして
できないことを
誤魔化そうとしたり
無理して対応してあげると

相手が
「あ、これはしてくれるのね

と基準が変わるだけで

「ここまで対応してくれてありがとう」

とはなりません。

ですから
できないことは
できないと伝えなきゃいけなくて

それができない背景には
間違った優しさがあるからだと思います。

できない
というのは相手に悪いとか
自分の怠慢だとか

そうやって間違って考えてたりするんですけど

ルールや枠組み上
できないことは
できないと伝え
その理由も添えておきましょう。


◯他の方も同じように対応してます


そしてできないことを伝える時の
テクニックとして

「他の方も同様に対応していますから」

と伝えることで

「自分だけが特別に
 雑に扱われているわけではない」

と思えますし

なら仕方がない

と思う人もいるので
良い方法です。

怒りながら文句を言う人って
視野が狭くなっているので


他の人と同様の対応で
特別な扱いをすることはできない

ということで
冷静になって
諦めがつく場合があります。


◯共感と受容


共感と受容って
なかなか強力な技で

もはや何でもいいんです。

相手のストレスに
共感と受容をするだけで
それだけで問題は解決してないのに
相手は納得感を感じられる場合がある。

保護室内に入院している方が
外出できないと不穏になっていたとしても

「保護室に何日も入院していると
 大変辛いですよね」

という会話から話が落ち着くことがある。


結局自分のことを
見てくれている人や
自分の気持ちをわかってくれる
味方っぽい人がいるだけで
安心するもの
です。

聞こえは悪いかもしれませんが
お茶を濁すことも大事で
不当に要求されている時
話題を変えて
相手の頑張っていることや
辛さに耐えていることを
フィードバックしてみると

案外解決することもあります。

反社会性な性格の人だと
それも伝わらない時もありますが。


あとは
自分のメンタルを常に
余裕がある状態にしておいて
相談できる相手を作っておいて
1人でどうにかしようとせず
チームで対応する意識を持つことなども
大事なので

自分の状態を整えておきながら
対応しておきましょうね😌

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