茶道教室 蘭月会

大阪市西長堀の茶道教室。お稽古中に話す時間がない周辺のこと(時々万葉集がらみ)を書きま…

茶道教室 蘭月会

大阪市西長堀の茶道教室。お稽古中に話す時間がない周辺のこと(時々万葉集がらみ)を書きます。新たにお茶を始める方の世界がより心弾むものになりますように。当方アラフィフ裏千家流准教授。お稽古は火曜月三回7500円~、入会金5000円。rangetsukai0701@gmail.com

最近の記事

「SHOGUN 将軍」エミー賞受賞

中々気温が下がりませんね。今週もおつかれさまでした。 今週は、真田広之さんがプロデュース及び主演した「SHOGUN 将軍」が、作品賞などエミー賞18部門で受賞したと話題になりましたね。エミー賞は、映画のアカデミー賞、音楽のグラミー賞、演劇のトニー賞と並ぶ米国のエンターテインメント賞で、優れたテレビ作品を選ぶものとのこと。過去の日本人の受賞者はそう多くなかったところに、今回多部門で受賞したことも相まって、かなり大きく取り上げられました。関ケ原の戦い前の戦国時代が舞台で全10話

    • 「日本人らしい」感覚の移り変わり①

      暑さもあと一週間くらいなのでしょうか。大阪はたまに豪雨が来たり、中々油断できない天気の日があります。 17日夜は中秋の名月。月見と言えば、どんな食べ物を思い出しますか?少し前なら、月や芋の形を模した月見団子、月のように円く型抜きした真薯(しんじょ)などを口にする方もそれなりにいらしたかもしれませんが、今は複数のファーストフード店が期間限定で月見メニューとして提供する目玉焼き・・・というか、固いものではダメで、黄身がどろりと溢れてくる「とろたま」を思い出す方の方が多いかもしれ

      • 贈答の機微①

        明日7日は白露。「残暑」と言うのは今日まで、とも言いますが、まだまだ30度超えの日は続きそうです。 9月9日の重陽の節句を前に、昨年は紫式部日記から菊の着せ綿の話を紹介しました。式部は主人藤原彰子の母源倫子から、重陽の節句に、身を拭うと若返るとも言われていた菊の着せ綿を贈られます。高価なこともあり、式部はこれを少しだけいただいて、二人の長寿を願う意味を込めた御礼の歌を添えて娘彰子といる倫子に殆どは返そうとするのですが、倫子は早々に退出しており渡しそびれた、というお話。 面

        • 平家物語①

          台風10号の動きの気になる一週間です。お住まいの場所はいかがでしょうか。 『祇園精舎の鐘の声、諸行無常の響きあり。  沙羅双樹の花の色、盛者必衰の理をあらはす。  おごれる人も久しからず、ただ春の夜の夢のごとし。  たけき者もつゐには滅びぬ。ひとへに風の前の塵に同じ。』 平家物語の有名な冒頭です。琵琶法師によって語られたというだけあって、言葉はわからなくても七五調で対句仕立てとなっていて調子がよく、自然と覚えている方もいらっしゃるかもしれません。 祇園精舎は釈迦に帰依し

        「SHOGUN 将軍」エミー賞受賞

          人間のからだ~3~

          昨日22日は処暑。暑さは和らぐというようですが、朝晩は涼しくなっているものの昼間の湿度は上がってきているように感じ、まだまだ暑い日々です。 わたしが濃茶のお稽古を始めた頃に、先生から「今は、『結ぶ』ということをしなくなったから、若い人は下手になっている。お稽古の時だけでもするようになさい。」と言われたことがあります。昔の人は、風呂敷包みや縄を使った荷造り、針仕事、帯の結びなどを日常的にしていたと思います。それがホックやマジックテープなどにより単純な動きで済むようになりました

          人間のからだ~3~

          平安時代を観察③-2

          お盆の今週、場所により地震や台風で、当初の予定を変えた人もいらっしゃるでしょうか。近くのスーパーでは、2Lペットボトルの水とパックごはん6個セットの在庫が無くなっていました。購入数量制限があるから、皆さん6個セットで買おうとして無くなり、それでいて3個セットは残っているという・・・。 さて、奈良の正倉院には遣唐使が持ち帰った宝物が多数現存しており、その頃既に今の中国からの文物が珍重されていたことがよくわかります。平安時代にも引き続き、香や薬、毛皮、布帛、紙、墨などが持ち帰ら

          平安時代を観察③-2

          平安時代を観察③-1

          7日に立秋を迎えました。暑い日は続くものの、日の出も遅くなってきていますし、季節は静かに深まっています。 さて、今現在、日本で最先端のもの・情報が最初に入ってくる都市といえば、東京でしょう。しかし、これは飛行機網が発達し、信号や電気などを使っての情報伝達が可能になってからの話です。日本という国がどこからどこまでを指すのかということも時代によって変わりますが、長い間、「日本」で最先端のもの・情報が最初に入ってくるのは、今でいう福岡や時に新潟・富山・福井などでした。海で隔てられ

          平安時代を観察③-1

          隣の芝生は青く見える?

          暑い日が続きますね。朝4時頃目が覚めたら蝉はまだ静か。5時半ごろ、ふと気付いたら鳴き始めていました。 パリで五輪が開催されています。開会式では花の都、などよく聞く言葉で紹介されていました。パリやフランスはファッションや食での印象から、日本では「おしゃれ」という言葉で語られやすいかと思います。フランス料理が作られると「おしゃれ~」といった感想が、例え家庭料理であってもついてきます。片や和食では、「おしゃれ」という言葉はあまり聞きません。「わぁ~」「これは・・・・(もぐもぐ)・

          隣の芝生は青く見える?

          着物のお手入れ①

          夏本番ですね。しばらく最低気温でも27度以上の予報で、聞いただけでくらくらしています。 7月19日から夏の土用。24日の丑の日には、「う」のつくものを食べるといいと聞いて、鰻を召し上がった方もいらっしゃるでしょうか。この土用は、季節の変わり目にあたることもあり、衣更えや虫干しなどにいいとも言われます。わたしも梅雨が終わったこともあり、天気を確認しつつ、昼間に家に居る日には、着物の虫干しをしています。 虫干しそのものだけでなく、年に数回箪笥の中身を確認することで、着物の状態

          着物のお手入れ①

          阪神「甲子」園球場100周年

          今朝は朝から蝉が大きな声で鳴いていました。大阪もそろそろ梅雨明けでしょうか。 今年は、兵庫県にある阪神甲子園球場(以下、甲子園)が大正13(1924)年に完成してから百年の節目の年なのだとか。それに伴い、特設サイトができていたり、特集番組が放送されたりしています。1924年は干支でいうと「甲子(かっし)」の年。この「甲」と「子」は、十干と十二支それぞれの最初が合わさる縁起のよい年だったため、ここから取って、新しくできた運動場に甲子園大運動場と名付けたのが始まりだそうです。

          阪神「甲子」園球場100周年

          天神祭②

          そろそろ梅雨の終りが見えてきました。昔は梅雨というと雨しとしとという感じでしたが、最近は大分様変わりしたように思います。 大阪は天神祭に向け、盛り上がり始めています。今年は7月25日(旧暦6月25日)の祭り当日の概要について書いてみます。天神祭もそうなのですが、神様は年に一度、氏子たちの平安を見届けるために氏地を巡幸されます。この巡幸を氏子たちが奉祝し、お供やお迎えの行列を仕立て奉祝行事を行うのが夏祭り。旧暦の6月末頃に祭りが多いのは、一説によると半年の区切りの時期でもあり

          今日ちょうど「ほおずき」という生菓子を見つけました。 この時期の意味合いに加え、実物のような色形だと生々しすぎるところ。召し上がる方へのお菓子屋さんの配慮が心に沁みます。

          今日ちょうど「ほおずき」という生菓子を見つけました。 この時期の意味合いに加え、実物のような色形だと生々しすぎるところ。召し上がる方へのお菓子屋さんの配慮が心に沁みます。

          七夕②

          今日の大阪は、梅雨の間にもかかわらず、びっくりするくらい美しい青空が広がっていました。 現代の七夕は、笹に願い事を書くことが主でしょうか。元々は織姫・彦星が年に一度会えることを「祝う」お祭りだったようで。今はこの日を祝うなんて言われてもピンと来ませんね。万葉集にも七夕にちなんだ歌はたくさんあるのですが、まだ女性の機織りの技芸上達などが言われる前だと、今でいうクリスマスやバレンタインデーのような、恋人同士が一緒に過ごす日だったのだろうなぁと思われます。もっともクリスマスやバレ

          「茶わんの湯」寺田寅彦

          今年の梅雨は短く終わるかもと言われていましたが、大阪はこれからしばらくは雨模様のようで、それなりの長さになりそうです。 寺田寅彦さんのお名前を聞いたことはおありでしょうか。物理学者、随筆家、俳人など多彩な顔を持つ方ですが、今日ご紹介するのは、物理学者として大正11(1922)年5月に児童雑誌「赤い鳥」に寄せた「茶わんの湯」という文章。5000字程度の短いものです(文章は著作権が切れているようで、ネット上でも閲覧できます)。初心者より、もう少しお稽古が進んできたかなという方に

          「茶わんの湯」寺田寅彦

          喪の着物①

          今日は夏至。ですが、大阪梅雨入りのニュースの方に気が向いています。平年より二週間ほど遅いのだとか。 ネットで流れて来た番組予告のような記事の写真が気になり、今朝の朝ドラを録画して見ました。何が気になったのかというと和服における喪の装い(今回はお葬式で一般的に、主に親族が着る黒の喪服を前提とします)の小物の色。舞台は1950年頃の東京のようで。 着物で喪服を準備なさっている方、レンタルでもいいですし、着物での参列者を見かけた方などに思い出していただきたいのですが、帯揚や帯締

          今どきの「おしゃれ」とは・・・

          梅雨入りの前、既に夏のような暑さが来ています。ここ10日ほど夏野菜も大分安くなってきて、うきうきお買い物しています。 先日、音楽家加藤和彦さん(1947~2009)のドキュメンタリー映画「トノバン」を見てきました。あ、トノバンで検索してここに辿り着かれた方、期待されているような話にはならないので、他の方のnoteをご覧くださいm(__)m 加藤さんは「帰って来たヨッパライ」(1967年)、「あの素晴らしい愛をもう一度」(1971年)などのヒット曲を持つ作曲家で、わたしは全

          今どきの「おしゃれ」とは・・・