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天神祭②

そろそろ梅雨の終りが見えてきました。昔は梅雨というと雨しとしとという感じでしたが、最近は大分様変わりしたように思います。

大阪は天神祭に向け、盛り上がり始めています。今年は7月25日(旧暦6月25日)の祭り当日の概要について書いてみます。天神祭もそうなのですが、神様は年に一度、氏子たちの平安を見届けるために氏地を巡幸されます。この巡幸を氏子たちが奉祝し、お供やお迎えの行列を仕立て奉祝行事を行うのが夏祭り。旧暦の6月末頃に祭りが多いのは、一説によると半年の区切りの時期でもあり、疫病や食中毒などで体調を崩しやすい季節でもあるからだそう。

まず本宮祭(夏大祭)で、神霊を御鳳輦(ごほうれん、明治初年より)に移します。そして大川の乗船場まで、氏子・崇敬者たちが結成した「講」がお供の行列を作って御鳳輦に随います。これが陸渡御。そして乗船場に着くと、御鳳輦を奉安した船を中心に、各講の供奉船が船列を整え、下流の御旅所に向かいます。これが船渡御。御旅所とは、巡幸中の休憩所です。・・・とこれは昭和27(1952)年までのこと。なんと地盤沈下により船が橋の下を通過できなくなり、下航の後、上流にさかのぼるように改め、それまで御旅所で行っていた神事を御鳳輦奉安船で行うことに替わったそうです。天神祭は本来、御旅所への神幸祭であり、御旅所に行きつくことが船渡御の目的だったことを考えると、時代時代の事情の変化によりやむを得ないとはいえ、祭の結構根っこの部分が変わってしまっている、とも言えますし、それでも何とか続けようとしているとも感じられます。どちらにせよ、水都大阪らしい話といえるかもしれません。

先日やっと、改装後の東洋陶磁美術館に行ってきました。油滴天目茶碗に実際に触れているかのように体験できるコーナーが面白かったです。

今日の菓銘は「撫子」。
とはいえ、今年はもう撫子も桔梗も萩も咲き終わってしまって。秋はどうなるやら、そもそも秋はあるのやら、という感じです。

梅雨も終わりに近づいたようですが、近年最後に大雨が降ることも多いかと思います。お出かけ先の予報にもお気をつけて、よい週末をお過ごしください。

参考文献:「天神祭 火と水の年祭礼」(思文閣出版)



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