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これは怖い! おススめ短編小説・ホラー篇 第12回
ヨナス・リー 『漁師とドラウグ』
(『漁師とドラウグ』 1996年、中野善夫訳、国書刊行会)
ノルウェーの国民的作家ヨナス・リーの短編集から。
本国では有名なのに邦訳はほとんどないという作家ですが、この短篇は代表作なのか、
アンソロジー『ロアルド・ダールの幽霊物語』(83年、長野きよみ訳、ハヤカワ文庫)にも
『エリアスとドラウグ』というタイトルで収録されています。
ヴァイキングの国、そして神
これは怖い! おススめ短編小説・ホラー篇 第9回
チャールズ・L・グラント 『向こう側』
*アンソロジー『カッティング・エッジ』収録
(1986年、デニス・エチスン編、宮脇孝雄訳、新潮文庫)
ビジネスマンの主人公は、眠っている間に身体に切り傷が出来る事に気付く。
最初はストレスから来る夢遊病の一種かと思うが、日毎に傷はひどくなり、日常生活を脅かしはじめる。
チャールズ・L・グラントもまた、
ラムジー・キャンベルと並んで英語圏で評価が高く、
これは怖い! おススめ短編小説・ホラー篇 第3回
ラムジー・キャンベル 『恐怖の遊園地』
*アンソロジー『恐怖の心理サスペンス』収録
(1976年、カービー・マッコーリー編、大村美根子訳、ワニ文庫)
ラムジー(ラムゼイ)・キャンベルは、
イギリスのベテラン作家。
英語圏で最大のホラー作家の一人として評価されているにも関わらず、
日本ではほとんど知られていません。
邦訳された長編はたった2作で、
そのうちの1作『母親を喰った人形』(ハヤカ
これは怖い! おススめ短編小説・ホラー篇 第4回
ロバート・エイクマン 『鳴り響く鐘の町』
*アンソロジー『ロアルド・ダールの幽霊物語』収録
(1983年、ロアルド・ダール編、乾信一郎訳、ハヤカワ文庫)
若い夫婦が、海岸沿いのさびれた町を訪れる。
そこでは、けたたましい鐘の音が町中に響き渡っていた。
彼らは次第にイライラし始めるが、
夜中になると、鐘の音が一つ、
また一つと止んでゆく。
ついに訪れた静寂と、
遠くから近づいてくる群衆のどよ