人を指導する時に使ってはいけない言葉。新人教育は新人の為だけではない。
新人を指導する時にどうもスムーズにいかない、理解力が乏しいなと感じた事はありませんか?
部下の能力が低いからだと決めつけるのは早計だと思います。
コミニュケーションには阿吽の呼吸があると会話がスムーズになり円滑に物事が進みます。
しかし、新人と教育係のような新しい人間関係の時は阿吽の呼吸は難しいものであり、ついつい慣れ親しんだ人間関係の阿吽の呼吸の言葉を使用してしまいがちです。
人に何かをお願いする時
人に何かを教える時
阿吽の呼吸の言葉を使わないようにするだけで
自分の伝えたい事が相手にグッと伝わりやすくなります。
その使ってはいけない言葉とは
これ、それ、あれ
日本語で頻発する言葉です。
国語のテストでこれとは何の事を意味していますか?という問題を解いた事がある人は多いと思いますが
日本人は小さい頃から人が
これ、それ、あれは何を意味しているのかを言わなくても理解するトレーニングを積み重ねています。
しかし、これ、それ、あれの意味が理解できるようになるのは
トレーニングを積んだ人間だけです。
右も左もわからない後輩や新人に
これ、それ、あれ
を使うとお互いの意思に誤解が生じて伝えたい事が伝わらなくなります。
ここで、そこで
のような阿吽の呼吸言葉も同じです。
トレーニングを積んだ人間関係の間でしか通用しない言葉だと思ってください。
新人の立場からすると
この道具を使いますと先輩が指を指して説明したとしても
周りに2つ以上の道具があれば後輩はどちらの道具の事を先輩は伝えようとしているのかを無意識に考えています。つまり、空気を読む、阿吽の呼吸をする為に脳みそのメモリを使う事になります。
先輩が青色の道具を使いますと指差しで伝えれば後輩はすぐに青色の道具を使う場面を記憶する事に脳みそのメモリを使う事が出来ます。
他にも先輩が指導する時に使いがちなダメな言葉があります。
このぐらいの時間になったら先ほどの作業に入ります。
このぐらいの時間とはなんぞやと新人は考えます。脳みそのメモリは腕時計に意識を向ける事に使われてしまいます。
何時何分頃と伝えた方が新人に無駄な思考をさせません。
ほかにも
先程の作業に入ります
新人はたくさんのことを教えられているので先程の作業という言葉で3つ程は作業の候補を無意識に思い浮かべます。
阿吽の呼吸の為に思考をして先程の作業をイメージしながら先輩の話を聞いています。
実に脳みその使い方が勿体ないですね。
脳みそは作業の理解と記憶に全力を注げるようにしてあげた方がいいでしょう。
先程の青色の道具を使った作業を行いますと伝えれば後輩はすんなりと理解できるはずです。
具体的な時間、色、名称、大きさ、位置を説明する時に伝えておけば阿吽の呼吸が無くても人には伝わります。
頭にこ、そ、あ 、がつく言葉
ここ、これ、こちら、この辺、この場所、この人、これくらい、この時、それ、そちら、その辺、そこ、そのぐらい、その時、その人、あれ、あちら、あの辺、あのぐらい、あの人等々
阿吽の呼吸が形成された人間関係ならば非常に便利な言葉ですが、指導に使う時は最悪な言葉だと思った方がいいですね。
作業マニュアルの文書を作る時も極力具体的な数字や言葉とわかりやすい画像付きでマニュアルは作ります。
誰が見ても同じ行動ができるようにするのがマニュアルの目的だからです。
新人が基礎のルーチンワークを覚えるのが遅いのは
こ、そ、あ言葉を
先輩が無意識のうちに使っているからかもしれません。
基礎を伝えるならば具体的な情報を足して話す事でグッと理解が深まります。
このタオルを使う
ではなく
この黄色いタオルを使う
この場所に置く
ではなく
この小さい茶色の机と小さい茶色の机の間に置く
ここでこのボタンをクリックする
ではなく
画面に〇〇の数字が表示されたら右下の楕円のボタンをクリックする
さらに指定の道具を使う理由や指定の行動を行う理由や目的を生徒に質問して答えて貰うとより理解が深まると思います。
特定の道具を使う事や特定の行動をするのは目的や理由が必ずあるからです。
指導する相手に阿吽の呼吸は全く求めない事が初期教育をスムーズに進めるコツだと思います。
無能な指導者はこれ、それ、あれが口癖になっているくせに一度教えたのに出来ない、何度も教えたのにできないと生徒側に問題があると考えがちです。
こ、そ、あ言葉を頻発させて生徒の脳みそに過剰な負担をかけているのだからすんなり覚えて貰えない、理解して貰えないのは当たり前です。
阿吽の呼吸が上手い生徒は理解が早く成長スピードも早いですが、
もう同じ会社の仲間なのだから成長スピードが早いほんの僅かな人だけ育てても部署全体の数字は急激には伸びません。
何故、先輩が後輩の為にそんな細かい説明をする手間をかけないと行けないのか?
しっかり丁寧に指導した後輩や部下は必ずあなたの力になります。
丁寧にと言っても時間をかける必要はありません。
こ、そ、あの言葉を使わないで説明する意識を持つだけです。
何を言っているのかわからない先輩よりも
わかりやすい先輩の方が慕われるのは当たり前です。
そんな後輩が数年後に一人前になった時にあなたの大きな力になるのは間違いないでしょう。
教え方が上手いと思われた人は人に好かれます。
人に好かれた人は仕事も人生も上手く回っていきます。
人に好かれた人は周りが協力してくれます。
新人教育はあなたの人生において味方の人間を作る大きなチャンスです。
与えるからこそ自分に還ってきます。
出来ない新人をしかる無能上司よりも
出来ない新人を並みの新人にまで底上げできる上司の方が圧倒的に有能ですよね?
前に教えたはずなのに何故出来ないのか?
そう思った時は自分の説明の言葉にこ、そ、あ言葉がないか見直してみてください。
新人教育は新人の為ではく、あなた自身の為だと思って行動すると教育も楽しくなるかもしれませんね。
また自分が今、人から教わる立場ならば先輩のわかりにくい教え方は徹底的に紙に書いて不満を吐き出しておいてください。
将来あなたが教える立場になった時のその不満を書いたグチの塊の紙は非常に貴重な指導の為の道具になっていると思います。
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