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#89 辛い仕事はきっと糧になる

誰もがやりたい仕事をやっているわけではない。
むしろ、やりたくない仕事をしている人の方が多いのではないだろうか。
そもそも仕事をしたくない
という人もたくさんいるだろう。

それでいうと、僕は図書館司書という好きな職業に就いてはいる。
けれど、その中でもやりたくない仕事だってたくさんある。
そんな仕事をやっているときに思うのである。

なんで、やりたくないことをやらなきゃいけない……?
なんでこんな辛い目に遭わないといけない……?

まさしく昨日は、しんどい一日だった。
だけど同時に、どこか一つ成長できた感覚があったのも事実だった。

やりたくない仕事をやることに

図書館司書を選んだ理由

僕が図書館司書という職業を選んだ理由は過去にも書いた。
本が好きで、図書館が好きだから。実にシンプルである。

本当は、人と接する仕事は極力避けたかった。
けれど、本を介してなら、人と関わる仕事ができるかもしれない。
その予感はとりあえず的中した。

この本を探しているだとか、この調べ物を手伝ってほしい……
という、レファレンス業務は僕の好きな仕事の一つだ。
利用者の方から本の感想を聞けたときとか、探している本を見つけて感謝されたときが一番やりがいを感じる瞬間である。

とはいえ、それ以上に人と関わる仕事はやりたくはない。
けれど、残念ながら今年度からとてつもなく人と関わる仕事の担当になってしまったのだった。

イベントの主催者になってしまった

図書館というのは意外とイベントが多い施設である。
子ども向けのおはなし会はもちろん、講演会や原画展などのイベントを主催することも多い。

そして今年度、僕もそんな図書館イベントの主催を任されることになった。
イベント内容は深く書かないが、絵本を読み聞かせるものである。

イベントに協力してくれるボランティアグループと密に話し合いをしなければならない。
自治体の他の図書館の人たちとも連携を取らなければならない。
ボランティアと他の図書館の人たちとの間に立たなければならない。
なるべく人に関わる仕事をしたくないと思っていたのに、限界まで人と関わる仕事をしてしまっている。

一番やりたくない、大勢の前に立つ仕事

そして、昨日は一番苦手とする仕事の日だった。
それは、ボランティアグループと他の図書館の人たちが集まる打ち合わせの司会進行の仕事だった。

僕は、大勢の前に立って喋るということがとても苦手だ。
数多の他人の目が、自分に集中する状況に耐えられないからだ。

手足は震えるし、顔から背中まで汗が噴き出る始末。
痛いほどの静寂。渋い顔をする面々。

ああ、これだから、人前に立つ仕事は嫌なんだ……。
こんな仕事やりたくない。どうしてこんな目に遭っているんだ……。

今すぐにでも逃げ出したいという気持ちが心に渦巻いたまま、なんとかその仕事を乗り切ったのだった。

辛い仕事はきっと人を強くする

やりたくない仕事ではあった。
けれど、その仕事を終えたときは達成感があった。

詰まったところはあったけれど、ひとまず司会進行をこなせた。
当日決めたかったことも、ある程度決めることができた。
集まってくれた人たちが、笑って帰っていってくれた。

うまくできたかはわからないが、逃げずにやり遂げた。
そのとき、僕は強くなった、成長したという実感が湧いたのだった。

社会人になってから約10年。
思い返せば、さまざまな辛い経験をしてきたなとしみじみする。

2度のメンタルダウン。これは本当に辛かった。
もう二度とこんな経験はしたくないと強く思っている。
けれど、この経験があったから今こうしてnoteで発信できている。
そして、メンタルを守るためのマインドを作れているのだろう。

それから人間関係に強く悩んだ時期もあった。
理由もなく女性の先輩に無視され、自分を否定された気持ちになった。
けれど、この経験で、残念ながら中には平気で人を嫌う人間もいるのだという一種の諦めを持てるようにもなった。

ギターを練習していると、指の皮膚が固くなり痛みを感じなくなるように、
辛い経験をしていると、多少なりともメンタルが強くなっていくのだろう。

だから、今回やりたくない仕事をして辛い気持ちになったこの経験も、いつの日か、人生の糧になると信じようと思う。

「仕事が辛い。ということは、きっとこれから自分は強くなる」

そう信じて、僕はこれからも仕事をこなしていこう。
辛いだけで終わらせたくない。
そこから成長できなければ、悔しいだけだ。








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