#87 自分のことばを愛しましょ
かつて、自分を褒めることが恥ずかしいものだと思っていた。
「自分で自分のことを褒めてるしw」
「自画自賛してるよ、こいつww」
と、他人から笑われた経験があるからだ。
これは小学生とか中学生の頃の話だから致し方ない部分もある。
だけど大人になって思うのだが、自画自賛って笑われることなのだろうか。
むしろ自己肯定感という言葉が注目されている昨今。
人は積極的に、自画自賛していった方がいいのではないかと思うのだ。
自己肯定? 自画自賛? 自惚れ?
自分で自分のことを肯定するという意味を持つ言葉はいくつかある。
その言葉通りの「自己肯定」。
先に挙げた「自画自賛」。
そして、「自惚れ」。
それぞれの言葉を、まずは調べてみた。
辞書をひいてみると、自惚れることはよいとは言えないことがわかる。
さすがに実際以上に優れていると思うのは、どこかで損をすることになりそうだ。
けれど、自画自賛や手前味噌というのは元来、自分の作ったものを褒めることを意味する。
これは日々文章を書くnoterにとって大切なことなのではないだろうか。
noterで言えば、「自書自賛」といったところだろう。
アーティストに見る自作品への愛
かつては、自分自身や自分が作ったものを褒めるなんて恥ずかしい……。
そう思っていたけれど、偉大なアーティストを見るとどうだろうか。
彼らからは自分や自分の作品を愛しているという姿勢が垣間見える。
最近、衝撃の再結成を発表したイギリスのバンド・オアシスのギャラガー兄弟だってまさにそうだ。
弟リアムは、現代唯一のロックスターは自分だと語る。
兄ノエルは、名曲「Don't Look Back In Anger」を「聖歌」だと自賛する。まあ彼らは若干特殊な例な気がしなくもない。
日本のアーティストにもそういう姿勢がみられる。
米津玄師さんも菅田将暉さんに提供した「まちがいさがし」を「いい曲だ」と素直に賛する。
ヨルシカ・n-bunaさんは、ただただ自分が気持ちいいと思える作品を創っていると語っている。「春ひさぎ」という曲に対し「めっちゃ好き」と自賛している。
ミスチル・桜井和寿さんも名曲「しるし」を「最高のラブソング」だと語る。「名もなき詩」の歌詞を書いているときは、この歌詞を書き終えるまでは死ねないとまで思っていた。
BUMP・藤原基央さんは、自分の曲を子どものように考えている姿勢が随所で表れている。メンバー全員1曲1曲に誠実に向き合っていると語るその姿は、自身の作品への愛以外になんといえるだろうか。
偉大な作品を残している人たちは胸を張って自分を、
そして自分の作品を褒めている。
自画自賛だって手前味噌だって、決して笑われるべきものではない。
むしろ作る人間として、自分の作品を愛することは一番大切なことである。
自分の書くそのことばを愛していく
僕はnoteに87の記事を上げてきた。
もちろん「うまく書けなかった」と思うことなどたくさんある。
いや、毎日何かしら反省はしている。
けれど、なんだかんだで自分の書いてきた記事、その中にある言葉のことが好きであることは間違いない。
なぜなら、自分の考えをどうにか伝えたい。
その一心で必死で紡がれてきた言葉たちなのだから。
何より自分が好きだと思える言葉でなければ、読んでくれる皆さんにも失礼に値すると僕は考えている。
読んでもらうからには、自分の言葉を愛していきたい。
noterの皆様が書いたその言葉は、皆様にしか書けない言葉だ。
たくさんたくさん褒めてあげてほしい。
たくさんたくさん自書自賛してほしい。
そして、その言葉を読める僕はとても幸せだなと思う。