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#85 悪いところを見るのは人間だから

スタッフのタイムシフトも無事に作り終えた!
利用者の方からの問い合わせも全て明確に応えられた!
本の片付けも滞りなく進んだ!

よし。今日の仕事も問題なく終わったぞ。
完璧に仕事を進められた日というのは気分がいい。
そう思っていた矢先に、上司が近づいてきてこう言った。

「立竹さん、有給申請まだ出してないですよね。
 申し訳ないけど、今日中にお願いします」

しまった……!
毎月のことなのに出すのを忘れていたなんて……自分はなんて馬鹿なんだ。
ほんっとに自分って仕事ができないなぁ。

と、たった一つのミスがあるだけで自分を責める癖が僕にはある。
常々、このネガティブな性質を治したいなと過去は思っていた。

だけど、最近そんな性質も受け入れるようになってきた。
人間というのはそもそも悪いところを見てしまう生き物だからだ。

たった一つの失敗や欠点に注目してしまう

1日のタスクが10個あったとして、10個全てできていないと自分に合格を与えられない。
1個でも間違っていれば自分をダメ人間だと思ってしまうのである。

俗にいう完璧主義だ。
過去に、記事を書くにあたり完璧を目指しすぎて書けないという趣旨のものも書いたけれど、人間完璧なんてありえないのである。

これは、他人の印象に対しても起こりうることである。

学生時代、女友達がこう話していたことがある。
「〇〇君って、背が高くて声もイケボで勉強もできるじゃん?
 だけど……私服がちょいダサいんだよねぇ

1つの欠点を見つけただけで好意が薄らいでしまったのだという。
第三者から見ると、もったいないなと思ってしまった。
他人に対しても完璧主義になってしまうと、出会いを始め、あらゆるチャンスを逃してしまうことになりかねないのだ。

たった1つ。
たった1つだけでも失敗や欠点があると、そこに注目してしまう。
そして、自分や他人に否定的になってしまう。
そんな自分が嫌な時期もあった。治したいとも思っていた。
しかし、とある心理学用語を知ったことで、それは人間の性質なのだということを知ったのだった。

悪いところに注目するのは人間の特性

人間というのは元来、悪いところに注目してしまう傾向がある。
これを心理学用語では、ネガティビティ・バイアスと言う。

一般に、評価的にポジティブな情報よりもネガティブな情報の方が情報価が高く、人が行う判断に大きな影響を及ぼす傾向があることをいう。

心理学辞典(有斐閣)p.671より引用

一つの失敗によって気分が落ち込んでしまうことも、
一つの欠点によってその人への好意が薄らいでしまうことも、
人間というのは、そもそもネガティブな側面に目が行ってしまうという特性があるからなのである。

もちろん個人差はある。
ポジティブな方に目を向けられる人もきっと多いとは思う。

けれど、僕はこの用語を知って、少しだけ気持ちが楽になった。
自分や他人の悪いところに目が行ってしまうのは、特別に僕が悪いわけではない。
僕が人間だからだったのだから。

軌道修正が肝心

人間の特性なんだったら、悪い部分に注目してしまうのはもう致し方ない。
と、僕の中であきらめがついてしまった。

その代わり、悪いところを見つけたことを意識するように心がけている。
「あ、今悪いところを見ちゃったな。よかったところに注目しよう
と、意識の軌道修正を図るようにしている。

悪いところを見てしまうのは仕方ない。
しかし、それで自分を責めたり、他人を否定したりするのはやっぱり違う。

たった1つ失敗したからといって、自分はダメではない。
たった1つ欠点があったからといって、その人は魅力がないわけではない。

1を100にしないための軌道修正が肝心なのである。




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