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《詩》地上の星空

あなたは云った

それは優しさじゃないと

あなたは云った

それは偽物だと

あなたは云った

うたなどうたうなと

あなたは云った

自分は偽物だと


あなたがあなたのままであった頃

それは夢も追う蒼い蒼い春

全てを憎みながら

全てを許しながら

すべての前向きな言葉を寄せて

あの帰り道を歩いた


あそこに見える景色は綺麗だから

星の名前をつけよう

この夜景は明るいから

きっと明日全てが終わっている


悲しいことも

言えない言葉も

君の幸せを願ったことも

この夜道が寂しかったことも


この街の星空は地上にある

欲しがったぬくもりは

窓窓の明かりに憧れて

きっと君の街は明るい


あなたの優しさはきっと誰にも届きません

あなたがあなたになるほどに嘘に聞こえます

ただ笑っていればいいのです

それは自分勝手じゃないですか


新しい愛情は新しくないと知る

煌びやかな雰囲気祭りの裏で猫が鳴く

夢は夢のままなのです

僕は僕じゃいけませんか


何度も呼びかけた夜景の後の

ビルの管理人の「いらっしゃいませ」

誰もが僕に微笑みかけた

みんなが僕に「ようこそこちらへ」

夢の入り口はカーニバル

僕は初めて言葉を聞きました

夢の予感は夜風にのせて


そこにいたのがあなたでした

無邪気に駆けよるあなたでした


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