見出し画像

ビタミンAと心疾患、職場の化学物質とがん、不妊治療のストレス、生姜と炎症と血栓と自己免疫疾患、タンパク質の適量、炭水化物の種類と肥満、蜂蜜の咳止め成分、趣味とメンタルヘルス|10/5(木)〜10(火)医学論文&健康関連ニュースまとめ

10/5(木)〜10(火)にラハール公式X(Twitter)で紹介した、医学論文や健康関連ニュースをまとめました。

https://twitter.com/rahall_jp




【論文紹介】ビタミンAサプリと先天性心疾患


『Association Between Maternal Factors in Early Pregnancy and Congenital Heart Defects in Offspring: The Japan Environment and Children's Study』

https://www.ahajournals.org/doi/full/10.1161/JAHA.122.029268

ビタミンAサプリメントを摂取していた母親の子供は、先天性心疾患のリスクが5.78倍だったという日本の論文です(ビタミンAの代謝物であるレチノイン酸は催奇形性があります)。91664例が解析されました。

他に、バルプロ酸(頭痛薬などに含まれる)や降圧剤の使用なども、リスクを上げることが分かりました。

💭普通に野菜などを食べる形でビタミンAを摂取するのは全くかまわない(一定量のビタミンAは必要)のですが、サプリメントなどの形での大量摂取は、死亡率の上昇や脳卒中のリスク増も報告されていますので要注意ですね。栄養素は塩分と同じで、多すぎず少なすぎず、適量摂取が重要です⚖️

元ツイート▼



【論文紹介】職場の化学物質とがん


『Length of employment in workplaces handling hazardous chemicals and risk of cancer among Japanese men』

化学物質を扱う職場(特殊健康診断が義務付けられている職場)で働く人は、がん罹患リスクが高かったよという日本の論文です。がんの男性患者120,278人と対照群217,605人が比較調査されました。

雇用期間別に短期・中期・長期に分けた場合に、長期雇用群のがんリスクは、全がん1.13倍、肺がん1.73倍、膵臓がん2.03倍、膀胱がん1.4倍でした。
化学物質を取り扱う期間が長くなるほど、がんリスクが高いと考えられました。

先行研究では、全てのがんのうち、2〜5%は職業関連のリスク要因が関与しているというものがあります。

💭化学物質を扱う仕事の方の健康を守るために、2023年4月から新しい化学物質規制の制度が始まっていますが、そうした制度的な保護はまず大事ですし、また、個々人によるがん予防のための行動も、併せて行うことも大事なのではと思いますね🧪

元ツイート▼



不妊治療のストレス


『高度不妊治療を受ける女性が感じるストレス要因が明らかに 「終わりの見えない治療」が最多、治療方針をともに考える支援が必要』

https://research-er.jp/articles/view/126664

✅体外受精などの高度不妊治療の開始から早期の女性のストレス要因とメンタルヘルスについて調査

✅4つのストレス要因:①「終わりの見えない治療」(28%)、②「ひとりで抱え込む苦しみ」(25%)、③「アイデンティティの揺らぎ」(15%)、④「高額な治療費」(17%)
✅「終わりの見えない治療」のストレスを感じている女性のうち、抑うつ症状ありの割合は70%

✅「アイデンティティの揺らぎ」のストレスを感じている女性の健康関連QOL尺度(SF-12)4は最も悪くなっていた
✅不妊治療に関する情報提供の充実や意思決定支援など、今後の治療方針をともに考える支援の必要性が示唆

💭ここで抽出されたストレス要因の①や④については、報道などで一般的にも認知が進んでいると思いますが、②や③についてはまだまだ知られておらず、周りからの理解が得られにくいのが現状なのではと思います。不妊に関わるストレス要因はいくつもあり複合的であることを、もっと広く周知していくことは大事だと思いますね。

元ツイート▼



【論文紹介】生姜と炎症と血栓と自己免疫疾患


『Ginger intake suppresses neutrophil extracellular trap formation in autoimmune mice and healthy humans』

ショウガに含まれるジンゲロールが、自己免疫疾患に関連した体内の炎症コントロールに役立つよという論文です。マウスとヒトの両方で調査が行われました。

マウスの実験では、ジンゲロールの摂取により血中NETsが減少し、血栓症や自己抗体産生の減少が観察されました。
NETs(neutrophil extracellular traps)は好中球の活性化で生じ、感染防御機構として働く一方、過度のNETsは血栓や自己免疫疾患に関わります。

ヒトでの実験でも、ジンゲロールを摂取すると、NETsを減少させることが観察されました。
1日1回、1週間に渡り100mgのショウガ抽出物を摂取したヒト体内では、好中球でcAMPという化学物質が増え、これがNETsを抑制しました。

「好中球が異常に活動してしまう炎症や自己免疫疾患において、ショウガが治療に役立つ可能性がある」と著者は述べています。

💭ショウガの抗炎症作用は名高く、古来から生薬として使われ親しまれてきました。体を温める作用や血流促進作用もあり、定期的に摂っていきたい食材と言えます。メインのおかずから汁物、飲み物まで、幅広い使い方ができるのも魅力ですね🥣

元ツイート▼



 関連商品案内:生姜シロップ

🌟『有機生姜しぼり』
■国産有機生姜使用
■濃縮タイプ(4~6倍)
容量:200ml
原材料:有機ぶどう果汁(アルゼンチン)、有機生姜(国産)、有機レモン果汁(スペイン、イタリア他)
価格:831円(税込)

有機生姜を使用した生姜シロップです。
お湯割りが最もおすすめですが、醤油と一緒に生姜焼きの調味料として使っても美味しいです😋
ヤンノー(小豆の焙煎粉)を混ぜてお湯割りにしても美味✨
実店舗では長く取り扱いのある人気商品です👍


タンパク質摂取の適量とは


『筋トレ男性を対象に、タンパク質の摂取量と筋肉・パフォーマンス・肝臓・腎臓への影響を調査した結果』

✅肝・腎に悪影響なく、筋力やパフォーマンスに良い影響があるのは、1.6g/kg/日のタンパク質摂取である可能性

✅タンパク質摂取量が低容量1.6g/kg/日か高容量3.2g/kg/日によって、筋力やパフォーマンスなどと、肝臓腎臓への負担に差が出るかを調査
✅解析対象は普段からレジスタンストレーニングを行なっている健康な18〜36歳の男性44人

✅タンパク質摂取が多い群(3.2g/kg/日)では、肝臓・腎臓への負荷が増えたことが示唆

💭筋トレや運動を行う方の中には、プロテインを飲みすぎて肝臓腎臓を悪くされる方が一定数みえます。どんなに体に良いものでも量が過ぎれば害になりますから、タンパク質についても適量を知って、個人差は考慮しつつ取り過ぎには気をつけて摂取していけると良いですね💪

元ツイート▼



【論文紹介】炭水化物の種類と肥満


『Association between changes in carbohydrate intake and long term weight changes: prospective cohort study』

摂取する炭水化物の種類によって、肥満になりやすさが違ったよという論文です。精製穀物・でんぷん質の多い野菜・砂糖の摂取が多いことが、体重増につながることが分かりました。この研究では13万6,432人の男女が分析されました。

逆に食物繊維の摂取量が多いことは、体重減と関連していました。
また、精製穀物・でんぷん質の多い野菜(トウモロコシやジャガイモなど)・砂糖の含まれる食品を、同じ量の全粒穀物・果物や非でんぷん質の野菜に置き換えることで、体重が減ることが分かりました。

この関連性は肥満や過体重の研究参加者でより強く見られ、男性より女性で強かったとのことです。

💭同じ量を食べていても、食べる炭水化物・糖質のタイプによって、体重が変わってくるということで、食品選択の重要性がよく分かりますね。全てを置き換えることが難しい場合でも、一部だけでも体の負担が少ない食品に置き換えることで、少しでも肥満リスクを減らせるのではと思います🥔🌽

元ツイート▼



蜂蜜の咳止め成分


『蜂蜜のせき止め成分を世界で初めて同定 山田養蜂場』

✅蜂蜜の鎮咳成分として「メルピロール」を新発見
✅鎮咳薬「デキストロメトルファン(以下DM)」に匹敵する鎮咳効果を持つ

✅蜂蜜は口から摂取ではなく胃へ投与して実験したため、蜂蜜の鎮咳作用は、蜂蜜が直接喉を潤すことによるものではないことが分かった
✅蜂蜜に含まれる鎮咳成分には他に「フラジン」があり、こちらもDMに匹敵する鎮咳力
✅蜂蜜が咳やその他の上気道感染症の治療に有効であることはWHOも発表している

💭蜂蜜に咳を鎮める作用があることは古くから知られ、近年では英国の医療ガイドラインでも咳に対する使用が推奨されていたりします。摂取方法は、そのまま舐めても良いですが、強い甘味が喉の刺激になることがあるので、お湯や紅茶などに溶かして飲むのがおすすめです🍯

元ツイート▼



【論文紹介】趣味とメンタルヘルス


『Hobby engagement and mental wellbeing among people aged 65 years and older in 16 countries』

趣味とメンタルヘルスの関連を世界16か国で調べたら、趣味を持つことは、うつ症状の減少、自覚的な健康レベルの向上、幸福度の向上、生活満足度の向上と関連していることが分かりました。

調査されたのは、米国、日本、中国、英国、オーストリア、ベルギー、チェコ、デンマーク、エストニア、フランス、ドイツ、イタリア、スロベニア、スペイン、スウェーデン、スイスの計16か国の、65歳以上の高齢者93,263人でした。

この結果は、配偶者の有無や経済状況など、健康に作用する他の要因を調整しても変わりませんでした。

趣味を持つ人の割合は、スペインが51%、デンマークが96%と、国によって大きな差がありました。
平均余命が長かったり幸福度が高い国では、趣味を持つ人の割合が高いことが分かりました。

💭趣味を持つことにより、1日のなかの「楽しい時間の配分を増やす」ことは、うつ予防など健康増進と、幸福度や生活の満足度を上げることに繋がります。趣味を持っている人はそれを全力で楽しんで、いま趣味がない人は、スポーツ・アート・DIYや手仕事など、気が向いたものに取り組んでみると良いと思います🏃🎨🎻🪚🧶

元ツイート▼



ラハール公式X(Twitter)では、ナチュラルな日々の暮らしに役立つ医学論文や健康関連ニュースの紹介を行なっています。
こちらもぜひフォローをよろしくお願いします!
https://twitter.com/rahall_jp

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?