「最初の約束と違う」デフォルト効果
1学期も終業式を過ぎ、少しだけホッと一息つける瞬間があるかもしれません。本当に担任の先生方は1学期間お疲れ様でした、そして生徒のためにありがとうございます。高校3年生の担任の先生方はこれから調査書の準備や面接練習、小論文指導など一息ついてまた怒涛の毎日が訪れることだと思います。担任の先生方はこの忙しい1学期間を振り返ると「良かった点」や「改善すべき点」が色々あったと感じるはずです。僕は振り返ってみると初めて担任になった時、右も左も分からず試行錯誤していたと思います。例えば教室整備やクラスの規律などには苦労しました。学期途中に色々な先生方のアドバイスを受け、様々なクラスルールを変えたこともあります。すると決まって生徒たちから「え〜〜〜〜っ」と不満が続出します。それを行動経済学で考えてみると
デフォルト効果
で説明ができます。 心理学の現状維持バイアスと密接に関連していますがこれは、人が最初に選択されている設定をそのまま受け入れやすい心理傾向があるということです。例えば、スマホの初期設定の変更やChromebookなどのパソコンのスクリーンセーバーの壁紙の変更など、やろうと思えばできるし、やった方がいいだろうと思っても、それをやるのが面倒で元の状態のままズルズルと使い続ける経験をしたことはないでしょうか。この例を見るだけでも多くの人がデフォルト(最初の設定)を受け入れていることがわかります。
またこの効果は様々な場面で利用されています。例えば臓器提供の方式では同意率が低い国(日本・アメリカ・イギリス・ドイツなど)では臓器提供をしてもよいという人が意思表明をすることになっています。これをオプトイン方式と言います。逆に同意率が高い国(フランス・スペイン・北欧など)では臓器提供をしたくないという人がそのことを意思表明をすることになっており、これをオプトアウト方式と言います。
人は最初からの設定を受け入れやすく、かつ途中からの変更を受け入れにくい、つまり「今まで通りが良い」と考える傾向が強いということです。
何がデフォルトなのか?
現状維持=実は緩やかに損失になっていくということは気付きにくいものです。”Fear of Missing Out”(見逃したり取り残されたりすることへの不安)、略して「FOMO(フォーモ)」を意識させることが大切です。僕がクラスルールで徹底していたのは
①8:35までに登校(5分前行動)
②荷物は机の横ではなく備え付けのロッカーなどに整理して入れる
③目の前のゴミを自分から拾う
です。新クラスになった4月から1年間言い続けることができればあとは生徒同士で注意したり、整理したりするようになります。特に新任で1学期に作ったルールがルーズになってしまっている場合は、2学期最初を新たなデフォルトとして位置付けることをオススメします。「ここが私たちのスタート地点だよ、この地点が新たな起点!!」という言葉とともに2学期始業式から良い再スタートを切ることができることを応援しています。
※ぜひ読まれた方で「このクラスルールを設定して良かった」や「高校時代クラスで守っていたことが将来役に立った」などあればコメントで教えていただけたら嬉しいです😁
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