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感情操作で財布をひらかせると、どうなるか??|ブランディングと商売
ブランドにするか、ただ売り尽くすか、最初の段階で決めておくといいでしょう。ビジネスの成功には、真面目な説明と興奮をうまく調和させることが重要です。
Voicy No.334 2023年7月7日放送
この内容を音声で聴きたい方はこちらからどうぞ
(倍速なら5分で聴けます)
驚いたニュース
Voicyは日替わりでタグ付けができます。そこに「驚いたニュース」というタグがあったので、それを元に「ブランディングと商売」に関することを整理したいと思います。
こちらのニュース
タイトルは「バルクオム、「詐欺的な広告」で特商法違反の可能性。最安390円と謳い、初回解約で3,000円の違約金」です。
このニュースについて知っていることをご紹介しますね。
今インスタのストーリーズをスワイプして見ていくと、途中に広告が入り込みます。あれはターゲティングされていて、俺の場合は男性消費者が見るようなものが出てきます。
そこにバルクオムという男性化粧品メーカーが広告を出していて、「初回390円でめちゃ安いから買ったら?」という広告を出していたのね。
俺はブランドになれるかどうかの観点で、世の中のビジネスを見ています。
ブランドになりたがってない企業もあって、ブランドにならなくていいビジネスのやり方があります。みんながみんなブランディングなんか、する必要はないので。
バルクオムが初回は1コイン以下で売るってことは、正規の金額で買っている人がばかを見るので、「もうブランドになる気はないんだな」と思ったわけです。
これはいいとか悪いとかではなくて。
安売り、投げ売り、安くして引っ張る、劇的なことを言って引っ張ること自体、マーケティングとか集客効果はあるので、当然、選択してそれをやると決めたらやったらいいのです。
ただ、その先でブランドにはならないので、売り尽くす方向性でビジネスにしたなと思ったわけ。
それは特商法違反かもしれない
このニュースには後日談がありました。
バルクオムは数年前に資金調達をしています。株式会社 刀というUSJをマーケティングした森岡毅さんがやっている会社から資本が入っていて、マーケティング協力をしてもらうというプレスリリースが出ていたのです。
そうしたら、特定商取引法違反の表記っぽいものがバルクオムで出て、このようなニュースになった段階で、「刀は資本関係も終了してマーケティング支援もやっていません」と。
つまり、「390円と書いて、初回解約したら3000円を後出してお金をさらにもらうようなことに私たちは絡んでいないです」ということが、Twitterに出ていたのです。
ブランドになるか、ただ売り尽くすか
何の話かというと、どこのやり方がいいとか悪いとか言いたいのではありません。
ブランドというのは、ファンとの関係づくりが全てです。ブランディングはイメージ戦略ではなくてファンづくりなのです。ファンは不特定多数ではなくて、ファンはファンなのです。
ブランドになる。ブランディングをする。ファンづくりをする。ファンをビジネスの中心に据えるという選択をするのか。
それとも、売れれば何でもいい。感情操作、心理操作をやってでも、売れるときはとにかく最大限売り尽くそうというのは、ビジネスオーナー、個人事業主として自分でビジネスをコントロールしている人が、最初に決めなければいけません。
この2つは全く別なやり方だからです。
感情操作は全てではない
今日のテーマの「感情操作で財布を開かせるとどうなるか」ですが、ビジネスをしている個人事業主、フリーの人、中小企業が大好きなのが、感情操作のコツです。
「こういう言葉でクロージングかけろ」とか「こういうサムネイルをクリックさせろ」とか「LPでは数字を多用しろ」とか「お客様の声を入れろ」とか「写真でこう見せろ」とか。
すると感情が動いて、最後に購入してくださるといいます。
確かにこれもいいけれど、感情コントロールが、マーケティングやセールスの全てであると思っている人が多すぎです。それは全てではなくて、やるか、やらないかを先に決めなければいけないのね。
ビジネスのスタンスを決めよう
かくいう私も名著『影響力の武器』とか、戦争におけるプロパガンダとして、どうやって大衆の心を動かすかとか、マインドコントロール全般に関するものとか、心理操作を学びに学んできました。
名前を挙げたらえっとなるような方との関係で、直接学んだりもしながらビジネスで過去には使ってきているわけ。
一通りやってみて、その後にブランドに行きついているから、心理操作・感情コントロール・ただの煽りが良くないと言いたいのではなくて、どういうビジネスをするか、どういうふうにファンと関係するか選択する問題なので、そもそもダメだとは言っていません。
バルクオムで390円と書いたけど、解約したら3000円かかる問題に対して、株式会社 刀が「資本関係もマーケティング支援もやっていません」と明確に表明するのは、ここのスタンス・哲学が、第一歩から違うから。
これは相いれないものなのに、両方一遍にやろうとする人が多すぎます。
刀の森岡さんは「ブランディングは顧客の信頼関係だ」みたいなことを言っていて。
ロフトに行ったら通常は定価で売っているものを390円でばらまくわけですから、正価販売で買う人は、えっとなるわけでしょう?
それでも数を売ってリストを取ろうとしてやっているんでしょうが、ここは考えが合わないことをはっきり表明して、今それがTwitterを見たら、ごちゃごちゃなっていますよね。(2023年7月のVoicyです)
真面目さと高揚感のさじ加減
俺は心理操作や感情コントロールでものを買ってもらうことが、一概にダメだと言っているわけではありません。
例えば横軸を引いて、左端にただの真面目な説明、横軸の右端に興奮するばりばりの心理操作という売り方があるとします。
ただ真面目に自分たちのやっていることをつまらない授業みたいに説明したら買わないです。やっぱり高揚感とか期待感がないと買わないから、ただ真面目な説明ではダメじゃないですか。
では一番右端の「感情と心理コントロール」だけをやればいいかというと、あとで冷めてしまいます。感情の高ぶりは冷めるから。
じゃあどうしたらいいかというと、さじ加減なのです。
ツボ押しと一緒で、
さらっとしか触らなかったら気持ちよくない。
押しすぎたら痛い。
気持ちよく押してくれという話でした。
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上の文章は
Voicy放送をさかのぼり文章化したものです。
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